結論から言えば、愛犬にキャベツを食べさせること自体は、特段問題ありません。しかし、キャベツには尿路結石の原因となるシュウ酸や甲状腺機能低下症の原因となり得るゴイトリンという成分が含まれていますので、毎日そして大量に与えるのは控えた方がいい食材です。
一方、キャベツは、野菜本来の甘みや独特の食感を持っていることから、調理する上でも楽しく、優秀な食材ですよね。それでは、キャベツにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか?
キャベツにはビタミン類が数種類含まれていて、特にビタミンUとビタミンCがそのなかでも代表格となります。 ビタミンUは胃腸の粘膜に働きかける効果が期待できますので、消化吸収のサポート的な役目をしてくれます。ビタミンCには抗酸化作用があり、疲労回復の効果が期待できます。
キャベツにはミネラル成分も豊富に含まれています。特に含有量の多いカリウムは、細胞類が正しく機能するのに必要な成分とされていますので、不足してしまうと健康を害する可能性があります。
キャベツにはシュウ酸が豊富に含まれています。シュウ酸は体内でカルシウムと結びつき、シュウ酸化カルシウムとなりますが、これが結晶化してしまうと、尿路結石となります。この結晶が尿管や尿道につまってしまうと排尿ができなくなってしまい、腎臓機能の低下・腎不全を引き起こす原因となります。
ゴイトリンは、ブロッコリー・大根などのアブラナ科に属している野菜に多く含まれています。体内において甲状腺ホルモンを作るために必要なヨウ素の吸収を阻害するため、過剰に摂取してしまうと甲状腺機能低下症という病気を引き起こしてしまう恐れがあります。
犬にキャベツを与える時の注意点は大きく4つありますので、それぞれご紹介していきます。
キャベツが健康に良さそうだからと大量にあげてしまうと栄養バランスが偏ったり、下痢などの原因にもなるため、注意が必要となります。1日に与えてもいい量としては、体重1kgに対してキャベツ1gを目安に考えておきましょう。
犬にキャベツを与える時には、主食としている食事へのトッピング程度にしておきましょう。キャベツには様々な栄養素が含まれてはいますが、主食の代わりにはなり得ません。愛犬がキャベツを好むからといって欲しがるだけ与えてしまっては、消化不良を引き起こしたり栄養バランスが悪くなったりしてしまうことがあります。
また、少量だとしても毎日与え続けることはあまりおすすめできません。あくまでも主食への添え物程度とし、多くても週に3回程度に抑えるようにしましょう。
前述の通り、キャベツにはシュウ酸やゴイトリンが含まれています。病歴がある場合・現在何らかの病気の治療中である場合には必ず獣医師の先生に相談するようにしましょう。
犬にキャベツを与える時には、生のまま与えていいのか、茹でるなど加熱した方がいいのか悩まれる方が多くいらっしゃいます。 これはどちらでも構わないのですが、消化的な面を考慮した場合には加熱をして与えるほうがおすすめです。
ただし、キャベツに含まれている栄養素は水溶性のため、水に漬けている時間がながかったり長時間茹でてしまったりすると、大切な栄養素が流れ出てしまいます。加熱する場合には、軽く水洗いしたものを少量の水で茹で、冷ましたものを茹で汁ごと与えるのがいいでしょう。
キャベツの芯には微量ながら硫酸イオンという中毒成分が含まれています。健康的な犬の場合はほとんど問題になることはありませんが、子犬やシニア犬などの胃腸機能が安定していないコの場合には中毒症状を引き起こすことも考えられます。そのため、芯の部分は避けた方が無難と言えます。
子犬にはキャベツを与えてはいけないということではありませんが、子犬はまだ胃腸が発達しきっていません。 そのため、キャベツを消化するには胃腸に負担がかかり、下痢や嘔吐を引き起こしてしまう場合があります。また、キャベツ自体が体質的に合わない犬も中にはいますので、初めてキャベツを与える時には細かく刻んだものを極少量ずつ与え、排泄物の様子などをよく確認するようにしましょう。
犬にキャベツを与えることで摂取できる栄養素や与える際の注意点をご紹介しました。キャベツに限らず、愛犬が喜ぶからといって一つの食材を与え過ぎてしまっては、栄養バランスが崩れてしまいます。適切な量を守りながら、愛犬の健康サポートをしていくようにしましょう。