チベタン・テリアはチベットのロストバレーにあるラマ教寺院で門外不出の守護犬として飼育されていた小型犬です。 14世紀には大地震でロストバレーまでの道が通行不能になり、長い間外界との連絡が途絶えていたため、純血が守られてきました。
そんなチベタン・テリアは神聖なる幸福の象徴として、特別な友人などに贈られていましたが、世界に広まったのは1920年と言われています。インドの医者であるグリーグ博士がロストバレーを訪れた際に、チベタン・テリアを贈呈されインドに持ち帰り、繁殖をさせたようで、グリーグ博士はその後イギリスでチベタン・テリアの犬舎も設立するなど、チベタン・テリア歴史に欠かせない人物となりました。
「テリア」との名前が付いていますが、実はテリアとは関係のない犬種で、テリアのように小さいことからその名前が付けられています。
チベタン・テリアは、ちょっぴりわがままで、融通の利かない一面もありますが、基本的には優しく穏やかな性格をしています。愛嬌がよく飼い主が大好きな犬種で、深い愛情を持って対応してくれます。興奮して大騒ぎするようなところはありませんが、護衛犬として活躍していたこともあるため、見知らぬ人には警戒心を抱き、人見知りする場合もあります。
チベタン・テリアの特徴は、平らで丸く大きな足と力強いボディです。小型犬ですが、持久力と俊敏性があります。被毛はダブルコートで過酷な環境であるチベットで生活していた犬種です。頭部は垂れた菊の花のような飾り毛があり別名で「菊犬」とも呼ばれています。
チベタン・テリアの標準体高はオスで38.1~40.6cmで、メスはオスよりも小さめです。体重はオス・メスともに8.2~13.6kgです。
チベタン・テリアは小型犬ですので、多くの運動は必要としません。遊びを交えながら1日1回の散歩をしてあげてください
チベタン・テリアは股関節形成不全や、膝蓋骨脱臼・白内障などの病気に罹患しやすい犬種です。股関節生成不全は成長の過程で形成異常が起こってしまう病気で、股関節の脱臼や亜脱臼など股関節の病気です。
また、被毛が伸び続ける犬種ですので、定期的にトリミングしてあげないと目に被毛が入り角膜炎などの眼疾患を患ってしまう可能性があります。すぐにカットできない場合は、リボンで結ぶなど目に入らないよう工夫してあげてください。
チベタン・テリアはダブルコートの被毛を持っており、長毛種ですのでブラッシングはとても大切になります。週に2回程度1時間ほどブラッシングをしてあげてください。汚れやもつれが気になる部分は念入りにお手入れしてあげてください。長い被毛は毛玉にもなりやすいため、ブラッシングを怠ると、毛玉が頑丈になりブラシでは解けなくなってしまいます。無理やりほぐすとなると愛犬にとって負担にもなりますので、毛玉はすぐに対処してあげてください。
チベタン・テリアは、日本の家でも比較的育てやすい犬種と言えます。日本でも専門のブリーダーがありますので、気になる方は検索してみてください。攻撃性も低く、初めての方にもおすすめの犬種ですので、ぜひ愛情を持って育ててあげてくださいね。