magazine

住まい / 生活

2020.08.07

体験談あり!犬を多頭飼いする前に知っておきたいメリット・デメリット

2頭、3頭と犬を連れている人を見ると、「いずれ自分ももう1頭飼いたい!」「多頭飼いしてみたい!」そう思ったことはありませんか?
今回は、ゴールデンレトリバーを15年間多頭飼いしてきた筆者の経験もふまえ、多頭飼いを考えている飼い主さんに向けてそのメリット・デメリットから迎える時に確認したいポイントや注意点、コツまでをご紹介します。

Author :西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

この記事をシェアする

犬の多頭飼い、犬にも飼い主にも嬉しい5つのメリット

犬 多頭飼い

犬は群れで生活することを好む動物です。
1頭でいた時と2頭になってからを比べると、先住犬の表情に変化があった、シニアの先住犬が元気になったなど、新たな発見もできる多頭飼い。
まずは、多頭飼いのメリットについてご紹介します。

多頭飼いメリット1 犬同士で遊べる

1頭でいた頃はお散歩以外では寝ていた犬が、多頭飼いになると家の中でも2頭で遊び始めます。もちろん、お散歩も2頭なら楽しさ倍増です
群れで生活することを好む犬にとって、自分の弟分・妹分となる存在ができることは大きなプラス。室内でも遊ぶ時間が増え、お留守番の時や雨の日でもストレス発散ができるようになります。このことは犬にとって大きなメリットだと言えます。

多頭飼いメリット2 分離不安が解消される

お留守番は犬にとって精神的な負担がとても大きいもの。特に分離不安気味の犬にとっては、2頭いることが大きな心の支えとなります。
ただし、イタズラ好きの犬同士の場合はイタズラの度合いも倍増するため、帰ってきた時に家の中がめちゃくちゃになっている可能性もあるので注意が必要です。

多頭飼いメリット3 先住犬が元気になる

年が離れた犬を2頭目に迎えた場合、先住犬にとっては新しい犬の存在が刺激となる場合が多く、食欲が出る、走る、ワンプロをするなど若返ることもしばしば。
今までは、お散歩も短時間で済ませていた犬が、2頭目が来たことで急にボール遊びをするなど活動量が増える可能性があります。

多頭飼いメリット4 2頭目のしつけが楽になる

先住犬がきちんとしつけを身に着けている場合、「この家でのルールはこうだよ!」と2頭目の教育係を先住犬が担ってくれることも。その上「待て」「おいで」「おすわり」「ふせ」といった基本的なしつけを先住犬が横でお手本を見せてくれることで、2頭目の犬の学びが早くなる可能性があるのです。

多頭飼いメリット5 犬好きの飼い主は毎日が楽しい!

同じ犬種でも、個性はそれぞれ。2頭いることで、性格の違いがよくわかることも多頭飼いの醍醐味。また、日ごろから犬同士の会話を目の当たりにできることも毎日の楽しみ。多頭飼いすると、今まで気づかなかった「犬」の良さを新発見したり再確認したりすることができるのです。

犬の多頭飼い、事前に知っておくべき3つのデメリット

犬 多頭飼い

犬を多頭飼いすることは楽しいことばかりではありません。デメリットとなる面も事前にしっかりと理解することが大切です。

多頭飼いデメリット1 先住犬の真似をする

先住犬がしっかりとしつけを覚えていない場合、2頭目のしつけをすることがとても難しい場合があります。
犬は良いことも悪いことも先輩の犬を真似することで、新しいことをどんどん覚えていきます。そのため、どんなに一生懸命ルールやコマンドを教えても、先住犬がやらないことは覚えてくれない可能性があります。

多頭飼いデメリット2 先住犬との相性が悪いと困難が多い

多頭飼いをする時にとても重要なのが、犬同士の相性です。とくに2頭目を成犬で迎える場合は、犬同士の相性が合わず、お互いがストレスを抱えてしまうことはよく起きるトラブルです。犬種が違うと気質が大きく異なることもあるため、最悪の場合はどちらかが攻撃に出ることも考えられます。
また、一方が大人しい性格でもう一方が積極的な性格だった場合には、大人しい方にストレスがたまり、健康を害する可能性もあります。犬同士の相性は、飼い主がどんなに努力をしても、改善されない可能性があるのです。そうなると、せっかく迎え入れた新しい家族なのに、犬同士を会わせないように工夫するしか手立てがなくなり、多頭飼いの意味が無くなってしまいます。

多頭飼いデメリット3 お別れのときに落ち込む

これは多頭飼いに限った話ではありませんが、ペットと一緒に暮らす生活にはいつか必ず別れのタイミングがやってきます。飼い主にペットロスがあるように、残された犬にとっても同居犬の死は大きな喪失感を感じる出来事。その悲しみは飼い主の想像を超える場合があります。そのような事態をあらかじめ想定し、犬同士が依存しあわないように育てていくことも多頭飼いの難しさと言えます。

多頭飼いをする前に確認したいポイントは2つ

犬 多頭飼い

単に犬がたくさんいたら楽しそうという理由だけでは多頭飼いはできません。多頭飼いする前に、必ず確認しておきたいポイントをご紹介します。

多頭飼いポイント1 頭数分の生活スペースは十分にあるか?

室内で多頭飼いする場合は、ケージやベッドなど頭数分用意する必要があります。特に大型犬の場合は、1頭ずつの寝るスペースを用意するだけでかなりの場所を確保しなくてはなりません。まずは。多頭飼いを始める前に、頭数分の生活スペースが十分に取れるかを確認する必要があります。

多頭飼いポイント2 先住犬の性格はどうか?

飼い主が多頭飼いを望んでも、先住犬が性格的に他の犬を受け入れない可能性もあります。特に、お散歩に行った時などによその犬をかまっているとやきもちを妬く、気が弱い、逆に親分気質で他の犬に対して攻撃的になるなどの性格の犬は、新たに犬が家族に加わることを望まない可能性があります。

多頭飼いするときに知っておきたい4つの注意点

犬 多頭飼い

多頭飼いをするためには、飼い主としてそれ相当の覚悟も必要となります。そのためには、家族の同意はもちろんのこと、全員が協力的になれる環境であることや先住犬の性格をよく把握しておくことが大切です。

多頭飼い注意点1 必ず先住犬を尊重する

先住犬と新しく迎える犬の関係を良好に保つためにも、常に先住犬を尊重することを心がけましょう。
特に、新しく迎える犬がパピーである場合は何かと手がかかるため、先住犬をおろそかにしがちです。今まで、家族の愛情を一身に受けてきた先住犬にとって、放置されることや大好きな家族の愛情が他に向くことは、ストレスや大きなショックを受ける可能性も。また、嫉妬心から今までしたことのないイタズラをすることも考えられます。何があってもまずは先住犬を尊重し、最優先することを念頭に置く必要があります。

多頭飼い注意点2 飼育費用を負担できるか確認する

多頭飼いでは、フードはもちろんワクチンや予防注射代に加え、おもちゃ、リード、カラーといった日用品に至るまで、すべて頭数分必要になります。そのため、今まで以上に経費がかかります。
最近では多頭割引制度を導入している動物病院や保険会社、有料ドッグランなどもありますが、基本的には1頭の時と比べ出費がかさむことは必須となるため、相応の覚悟が必要となります。

多頭飼い注意点3 年齢が近い場合は同時に年をとる

兄弟犬や1?2歳違い程度の犬を多頭で飼う場合、同時にシニア期を迎えます。特に、血統が近い場合は同じような病気を発症する可能性が高く、医療費の負担が倍増したり介護が同時期に始まることとなります。多頭飼いする時は、必ず5年後、10年後を見据えることが鉄則と言えます。

多頭飼い注意点4 異性同士の相性が良い訳ではない

多頭飼いを成功させるポイントとして、オスとメスの組み合わせを推奨している記述をよく見かけますが、決してそうとは言い切れません。犬は同性同士でも十分に良好な関係を保つことができます。
オスの先住犬とメスの組み合わせの場合、オスはメスを守ろうとして他犬に対して攻撃的になることもあります。逆に、メスの先住犬では子犬を守ろうと攻撃的になる可能性があります。
また、最近では少なくなりましたが、繁殖を目的とした多頭飼いはおすすめできません。繁殖はプロのブリーダーに任せ、「自分の犬の子供の顔が見たい」という理由で多頭飼いすることはやめましょう。

多頭と上手に暮らすための3つのコツ

犬 多頭飼い

多頭飼いは、うまくいけば犬も家族も楽しいことこの上ないもの。
そこで、犬まみれの生活を楽しむためのコツをご紹介します。

コツ1 年の差がある場合

先住犬と年の差が離れていると、初めのうちはお互いに遊ぶことができていても、年を追うごとに若い犬の活動量と先住犬の活動量に差が出てきます。若くて活発になってくる年頃の犬と、シニアになった犬を同じように遊ばせることは、お互いストレスになりかねません。常に犬達の状態を観察し、お互い無理のないように生活させることが大切です。

コツ2 早いうちに上下関係をつけさせる

犬は、年齢関係なく上下関係をつけようとします。特に、若くてネルギー溢れる犬を迎えた場合、先住犬に対して優位を強調する可能性があります。どんな場合でも、必ず先住犬が優位になれるように気を配ることが、多頭飼いを成功させるための最重要課題と考えましょう。

コツ3 どちらかの犬をひいきしない

ついついやってしまいがちなことが、無意識のうちに愛情差をつけて接してしまうことです。
どちらの犬も平等に扱うことは最初はとても難しいことですが、多頭飼いを成功させるためには必要不可欠なことです。そのためには、食事はもちろんおもちゃなどの日用品も頭数分用意しましょう。

多頭飼いの楽しさをぜひ体験してみて!

ゴールデンレトリーバーの多頭飼い

15年にわたってオス同士のゴールデンレトリバーを多頭飼いしてきた、私の体験談をご紹介します。

先代犬に起こった変化

初めての多頭飼いは、先住犬が5歳の時でした。
先住犬の性格は、飼い主に依存する甘えっ子タイプでした。5年もの間一人っ子を満喫してきた彼にとって、3ヶ月齢の仔犬がやってきた時のストレスは半端ではありませんでした。3歩進むごとに嘔吐、下痢。動物病院に連れて行っても問題はなく原因は不明。

しかし、1週間もするとそれまで目も合わせなかった先住犬が、子犬の相手をし始めたのです。犬同士で遊ぶようになると、先住犬はしっかりとリーダーシップを発揮。お互いリスペクトしあうとても仲良しでした。その仲の良さは、先住犬が旅立ったあと2年間もの間、毎晩遠吠えが続いたことからもよくわかります。

2頭のあいだに生まれたポジティブな空気

性格的に大人しかった先住犬は、多頭飼いしていなければもっと早く年を取り老け込んでしまったかもしれません。
元気でやんちゃな弟分ができたことで、「負けてはいられない!」と、5歳の歳の差を感じさせないほど若返りそしてアクティブになったのです。

飼い主の言葉に耳を貸さず2頭で勝手に遊んでいるのを見ると、「犬は犬同士!」と言われているようで飼い主の出番はない感じでしたが、本当に楽しそうで怒るのも忘れてしまいます。

多頭飼いの楽しさ

同じ犬種とは思えないほど性格も違い、行動も違う2頭。でも、そんな2頭だからこそ、見ているのがなんとも言えず楽しいのです。

多頭飼いしなければ知ることができなかったゴールデンの良さや優しさ、そして運動能力。犬が持つ本来の姿を引き出すことができ、そして飼い主も犬と一緒に暮らす喜びが倍増。大変な時もありますが、そのことよりも楽しさの方が大きい多頭飼いは、犬好きな方にぜひ一度体験していただきたいと思います。

多頭飼いするためには覚悟と心構えが必要

犬 多頭飼い

お伝えしたように多頭飼いをするためには、いくつかのハードルをクリアする必要があります。
しかしこのハードルさえクリアできれば、犬も飼い主もとても楽しい生活を送ることができます。多頭飼いは、私たち飼い主にかけがえのない時間を与えてくれることは間違いありません。また、先住犬が旅立ってしまっても、飼い主は大きなペットロスを抱えずに暮らすことができます。犬たちの会話やお互いに気遣いする様子などを見て、犬の新しい一面を発見できることも間違いありません。
かけがえのない時間を一緒に過ごすことができる多頭飼いを成功させ、是非犬まみれの生活を楽しんでみてください。

◎ライタープロフィール
西村 百合子

西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士、犬の東洋医学生活管理士2級

ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。
現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。

  • 公開日:

    2019.08.06

  • 更新日:

    2020.08.07

この記事をシェアする