
日本の夏は、高温多湿で蒸し暑いのが特徴で、単に気温が高いだけでなく湿度も高いため、初めて訪れた外国人などはびっくりするそうです。
犬は人間以上に暑さに弱く、熱中症にかかりやすい動物です。気温や湿度だけでなく、直射日光や照り返しなども熱中症の原因となるため、日本の蒸し暑い夏は、特に注意しましょう。
不快指数とは夏の蒸し暑さを表す指数で、数値が高ければ高いほど暑く不快に感じます。不快指数は、「0.81×気温+0.01×湿度×(0.99×気温-14.3)+46.3」で計算します。不快指数には、気温よりも湿度が大きく関係します。
例えば、気温35度、湿度30%では、不快指数が80となります。しかし気温が5度低い30度であっても湿度が80%あるなら不快度指数が83となります。
不快と感じるのは、気温よりも湿度が大きく関係するのですね。エアコンを使用する時に、除湿するだけでも涼しく感じるのは、この不快指数が低くなるから、と言われています。
暑さを感じるのは、気温や湿度だけでなく直射日光や照り返しも大いに関係します。
気温や湿度下げるのは、なかなか難しいですが、工夫をすれば、直射日光や照り返しを防ぐことは可能です。外飼いの犬の生活エリアが直射日光や照り返しをうけているなら、すぐ対策をとりましょう。
しかしこういった対策を取ったとしても、すべての犬が夏に外飼いをできるわけではありません。
室外飼育には向かない犬種などもありますので、それぞれの犬種にあった飼育場所を用意してあげることが大切です。
暑さ対策としては、日よけの設置やひんやりグッズの活用、水浴び場の設置などがあります。
直射日光は、日よけを設置することで避けることができます。日よけグッズとしては、すだれやよしずなどが一般的です。これらのほかに、緑のカーテンもおすすめです。
緑のカーテンとは、アサガオなどのつる性植物を植えて日よけをすることです。
緑のカーテンは、植物に水をあげる手間がかかりますが、光合成により蒸散し、遮光効果のほかに冷却効果もあります。
犬のひんやりグッズとしては、たくさんの種類があります。
例えば冷感バンダナや冷感洋服など体に身につけるグッズや、氷水の湯たんぽや冷感マットが一般的です。また屋外で使用できるサーキュレーターなどもあります。
ご家庭や愛犬にあった商品を選んで、涼しい環境を作り出しましょう。
暑い時は、足首を冷やすだけでも体温を下げる効果があります。犬にとって夏の水浴びは、体温を下げるためとても役立ちます。
犬の大きさにもよりますが、子供用プールやタライなどを利用するとよいでしょう。容器に冷たい水を入れておき、犬が好きなタイミングで水浴びできるように設置してあげるとよいでしょう。
容器がない場合は、散水ホースで水浴びさせることもおすすめです。
暑さ対策のおすすめアイテムとしては、ひんやりバンダナ、ペット用プールなどがあります。
体温を下げるアイテムとして、ひんやりバンダナがあります。
この仕組みは、犬の身体とバンダナが触れ合うことで、水分が蒸発する際に体温を逃すというものです。
使い方は、ひんやりバンダナに水分をたっぷり含ませて軽くしぼったあとペットの首に巻くだけです。簡単に使用できるのでおすすめです。
また冷たい氷水に浸したり、濡らしたひんやりバンダナを冷蔵庫に入れて冷やすとより効果がアップします。
普段は、お風呂として、夏は、ペットの水浴び用として室内外で活用することができます。
水浴びをする時には、次のことを注意しましょう。
・プールは、犬にとって大きすぎないサイズを選ぶこと
・水深は浅め、犬の足首あたりまでにすること
・定期的に水を取り替えて冷たい水を維持すること
また水浴びが苦手な犬もいるため、無理強いは禁物です。
日本の夏は、暑さの苦手な犬にとっては、過ごしにくい環境です。
特に外飼いの犬は、熱中症や夏バテしないように暑さ対策が必要です。日よけ対策をしたりひんやりグッズを活用して暑い夏を元気に乗り切りましょう。
みなみ 愼子/名古屋ECO動物海洋専門学校非常勤講師 動物福祉・倫理学、ホリスティックケア・インストラクター
非常勤講師のほか、ペットマッサージやアロマテラピーの教室を開講しており、犬の保護施設でもペットマッサージのボランティア活動を実施中。一緒に暮らしている犬はロットワイラー、フレンチブルドッグ、MIX犬の3頭で、犬との伸びやかな暮らしを楽しみたいと思っています。