
犬の肉球にとって理想的な状態とは、弾力があり、適度にしっとりとしていることです。とはいえ、足裏にある肉球は歩くためには欠かせない部分です。そのため地面の状態に応じて刺激を受けやすく、乾燥トラブルを起こすこともあります。そのため健康な肉球を保つには、保湿ケアが欠かせません。
肉球を手で触ってみてカサカサしているようであれば、肉球専用の保湿剤を薄く塗って乾燥を防ぎましょう。特に毎日長時間の散歩をしている犬や、代謝機能が徐々に低下している老犬は肉球が乾燥しやすいため、定期的に肉球の状態をチェックしてあげましょう。
肉球専用の保湿剤はクリーム状やジェル状、オイル状など複数のタイプがあります。たくさんの種類があると、どれを買えばいいかわからず迷ってしまいますよね。そんなときは、犬や薬やクリームを塗ると舐めてしまいがちであることを考慮し、以下の点を確認してから選ぶのがオススメです。
・犬が舐めても問題のない成分で作られていること
・ノンアルコールであること
・無着色であること
犬の体内にはアルコールを分解する酵素がないので、アルコール成分が含まれているものはNGです。
肉球のケアは乾燥対策だけでなく、肉球周辺に生えている毛のお手入れも必要です。その理由は肉球の仕組みと役割にあります。
肉球の表面には小さな突起が集まっており、触ると少しザラザラとした感触があります。実はこの小さな突起は、滑り止めの役割をはたしています。そのため伸びすぎた毛で肉球が覆われてしまうと、滑り止めの機能をはたすことができません。
犬にとっても、滑りやすい肉球は歩きづらくなります。転倒して足を痛めたり、滑らないように力を入れることで膝の関節や腰を痛めてしまう恐れもあります。
また、肉球は汗を出す場所でもあります。毛が必要以上に伸びすぎていると汗で蒸れた状態となり、雑菌が繁殖する要因になりかねません。
肉球周辺の毛が伸びすぎてしまうと、フローリング等の床で滑る原因になったり、汚れが付着しやすくなるため、肉球の間に生えている毛が伸びすぎて肉球を覆っているときは、肉球が見えるように毛をカットしましょう。
毛をカットする際は、部分カット用の犬用のバリカンや、散髪用のハサミを使うとよいでしょう。部分的なカットに対応している犬用のバリカンは、細かな部分もカットしやすい設計になっており、仕上がりがきれいに出ます。もし犬がバリカンの音に怖がってしまう場合は、散髪用のハサミで慎重にカットしてあげます。
肉球ケアグッズはさまざまな種類がありますが、その中からおすすめのものをピックアップしてご紹介します。
肉球の保湿ケアそして肉球の滑りを防ぐローションです。天然カミツレ抽出オイル、オレンジオイル、ティーツリーオイル配合で肉球にもやさしい成分だけを配合しています。
天然素材成分使用で、舐めても安心な肉球クリーム。ティーツリー配合なので殺菌作用に優れ、使用時には穏やかな香りが漂います。
刃先が丸く加工され、肌に直接触れない構造になっている犬用のバリカンです。刃の部分が小さいため、肉球の細かな箇所もきれいに仕上げることができます。このバリカンは、毛の長さを1mmまで刈ることができるので、手では難しい肉球の間も簡単にカットすることができるのが大きな特徴です。
肉球は、普段パッと見える箇所ではないため、乾燥していたり、毛が伸びすぎていてもなかなか気付けないことがあります。定期的に愛犬の肉球の状態をチェックし、必要に応じて保湿や毛のカットなどのケアをするよう心がけましょう。肉球専用の保湿剤は非常に多くの種類があります。犬が舐めてしまってもよい大丈夫な安全性の高いものを選ぶようにしましょう。
みなみ 愼子/名古屋ECO動物海洋専門学校非常勤講師 動物福祉・倫理学、ホリスティックケア・インストラクター
非常勤講師のほか、ペットマッサージやアロマテラピーの教室を開講しており、犬の保護施設でもペットマッサージのボランティア活動を実施中。一緒に暮らしている犬はロットワイラー、フレンチブルドッグ、MIX犬の3頭で、犬との伸びやかな暮らしを楽しみたいと思っています。
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