magazine

犬と一緒に食べるためゴマをすり鉢ですろうとしている
食べもの
鉛筆アイコン

2021.10.18

犬×食べ物を知る!

犬はゴマを食べても大丈夫?気になる注意点と栄養素

古代から人々の健康食品として愛されてきたゴマは、アフリカ原産の植物です。
近年注目されているセサミンや食物繊維、タンパク質などを豊富に含む栄養価の高い食材のゴマ。風味も良く、さまざまな料理で活用されますが、実は犬にも嬉しい栄養が詰まった食材です。
今回は、犬にゴマを与える場合の注意点や、ゴマの栄養素、おすすめの与え方、美味しいレシピなどをご紹介していきます。

#Foods

文:西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

犬はゴマを食べても大丈夫?

白い毛の犬がゴマを食べて舌なめずりをしている

ゴマは、犬が食べても大丈夫な食材のひとつです。ゴマには、中毒成分が含まれていないため、与える量や注意点を守れば、犬にとっても栄養豊富で魅力的な食材と言えるでしょう。
身近な食材でもあるので、簡単に取り入れることができますが、人間用に加工されたゴマ製品には注意が必要です。

ゴマの基本情報

犬も食べることができるゴマには、油分・ミネラル・ビタミン・タンパク質・食物繊維などの栄養素がバランスよく含まれています。ゴマには、黒胡麻、白胡麻、金胡麻などの種類があり、それぞれ煎りゴマ、すりごまなどの製法があります。
ここでは、煎り黒ごまの代表的な栄養成分をご紹介します。(*1)

ゴマの可食部9g当たりに含まれる成分は以下の通りです。なお、9gのゴマは大体大さじ1杯分に当たります。

  • エネルギー:54kcal
  • 水分:0.1g
  • たんぱく質:1.8g
  • 脂質:4.9g
  • 炭水化物:1.7g
  • カリウム:36mg
  • カルシウム:108mg
  • マグネシウム:33.3mg
  • リン:48.6mg
  • 食物繊維:0.97g

ゴマに含まれる嬉しい栄養素・成分4つ

小さな1粒の中に体に嬉しい栄養素がたっぷりつまっているゴマ。ゴマに含まれている栄養が健康に有効である、と科学的に解明されたのはつい最近のことです。なかでも、特に豊富に含まれている4つの成分について詳しく紹介してきます。

ゴマグリナン(※1)と期待できる効果

ゴマグリナンとは、ゴマにしか含まれていない栄養成分で、その中でも有名な成分がサプリメントにも用いられる「セサミン」です。セサミンは強い抗酸化作用を持っており、肝臓機能に働きかける力をもっています。

食物繊維と期待できる効果

ゴマは、大さじ1杯に約1gの食物繊維が含まれている優秀な食材です。食物繊維は、腸内環境を整えて、腸内細菌を良好に保つ働きがあります。なかでもゴマの食物繊維は、消化されずに腸まで届くため、便秘解消への効果が高いといわれています。便通をよくしてくれるので、コロコロ便の便秘のときには効果的ですが、与えすぎには注意しましょう。

脂質と期待できる効果

ゴマに含まれる成分の約半分が脂質です。ゴマに含まれている脂質は、オメガ6とも呼ばれているリノール酸とオメガ9のオレイン酸といった不飽和脂肪酸です。
リノール酸は、細胞膜を作る役目を持ち、体内で合成することができない必須脂肪酸。
オレイン酸は、悪玉コレステロールを減らし、便秘予防にも役立つ一価不飽和脂肪酸です。

良質な脂質を取ることによって、少量でも多くのエネルギーを効率よく供給することができ、免疫力アップにも役立ちとされます。

タンパク質と期待できる効果

犬にとっては欠かせない栄養素であるタンパク質。ゴマ全体の約20%が良質なタンパク質で構成されています。必須アミノ酸を多く含み、他の食材と組み合わせることで相乗効果が生まれ栄養価がアップするとされています。
特に、大豆食品やサワラ、サバとの組み合わせが良いとされています。

犬にゴマを食べさせる際の注意点

茶色の毛の犬が器に入ったゴマを食べている

豊富な栄養素を含み、犬にも健康効果が期待できるゴマですが、与える際には注意する点がいくつかあります。豊富に含まれる栄養をしっかりと吸収させるためにも、適切な与え方と注意点を確認しておきましょう。

ゴマに含まれる注意が必要な栄養素・成分2つ

ゴマは、犬にとっても嬉しい栄養素が豊富な食材です。ただし以下の点には注意して与えるようにしましょう。

脂質とできる工夫

ゴマは全体の50%が脂質で構成されています。そのため酸化しやすい食材でもあるのです。犬に与えるときは、市販のすりゴマを与えるよりも、犬に与える直前にすり潰してから与えることがおすすめです。

タンパク質とできる工夫

2013年よりアレルギー推奨表示品目に加わったゴマ。人間に増えてきているゴマアレルギーは、ゴマに含まれているタンパク質がアレルゲンであるとされています。

近年、急激に増えてきている原因としてあげられているのが、農薬や化学肥料の過剰使用や生産過程での化学物質の使用です。練りゴマや市販のすりゴマを食べると発症することが多いとされていますが、ゴマ油や皮付きのゴマを食べても症状が出ないことが多いと言われます。

犬がゴマアレルギーを発症した報告はまだありませんが、ゴマアレルギーの主なアレルギー症状として、じんましんが出る、腹痛を起こす、唇や口の中が晴れる、喉が締め付けられる、嘔吐、喘息などが報告されているため、犬がゴマを食べた後にこれらの症状が見られたらゴマアレルギーを疑いましょう。

この記事もチェック!

ゴマ豆腐は与えてもいい?

ゴマ豆腐は、高野山の精進料理の一つで、豆腐のようにゴマを仕上げた食品を指します。
使用される原材料は、ゴマと本葛の2つ。ゴマの皮を丁寧に取り、なめらかになるまですり潰したものに水溶きの葛粉を合わせて固めたものが、本式のゴマ豆腐です。

犬も消化吸収しやすいすりごまと胃腸の粘膜を保護してくれる葛粉を使用しているため、食欲がない時やお腹の調子が悪い時にも与えられる優秀な食材です。

ゴマの調理法は何がおすすめ?

ゴマは一粒一粒が硬い殻に覆われているため、犬にとって消化が苦手な食材のひとつ。犬よりも消化機能が高い人間でもゴマの栄養素を吸収させるためには、すって食べる方が好ましいと言われています。犬はそのまま食べると消化ができず、上手く栄養を吸収できないため、食べる直前にゴマをすってから与えるようにしましょう。

ゴマの1日の摂取量目安は?

犬の健康にも有効なゴマですが、ゴマには脂質や食物繊維が多く含まれているため、大量に与えることはおすすめできません。小さじ1杯程度を目安に、すりごまにしてご飯のトッピングとして与えましょう。

この記事もチェック!

愛犬のためのゴマを使ったおすすめレシピ

犬に食べさせるためにすり鉢に入ったゴマ

ゴマはすってご飯にトッピングするだけでも栄養を吸収できる食材ですが、ひと手間加えることによってゴマとの相乗効果が得られ、栄養価もアップします。

ほうれん草とお豆腐の胡麻和え

ゴマのタンパク質は大豆と一緒に摂取することで、さらに良質なたんぱく源となることが報告されています。また、ゴマに含まれている鉄分は、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率がアップします。

材料

  • ほうれん草 1束
  • もめん豆腐 1丁
  • すりごま(黒でも白でも可) 大さじ3

作り方

  1. 豆腐は水切りをしておく。
  2. ほうれん草はさっと茹でて食べやすい大きさに切り、水気を絞っておく。
  3. ボウルに、水切りをした豆腐を手で食べやすい大きさにちぎって入れ、ほうれん草、すりごまを入れて全体を混ぜ合わせる。

ゴマの豆乳プリン

たった10分の調理で作れる、簡単なのに栄養たっぷりの黒ごま豆乳プリンです。このレシピでは、砂糖を入れていないので、人間が食べる時はメープルシロップやはちみつなどで甘みを足してください。

材料

  • すりごま(黒でも白でも可) 大さじ2
  • 豆乳 2カップ
  • 粉寒天 小さじ1

作り方

  1. 材料をすべて鍋に入れ、ゴムベラでよくかき混ぜながら、中~強火にかける。
  2. ふつふつと沸騰してきたら、よくかき混ぜながら3分煮る。
  3. 好みの容器にいて、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし固める。(すりごまが沈殿しやすいので、よく混ぜながら器に入れてください)

少量でも栄養価の高いゴマで若々しく!

白と茶色の毛の犬がゴマを食べて元気になり芝生の上を走り回っている

薬膳では、腎臓の機能回復や生命エネルギーに役立つ食品の一つとして黒ごまが挙げられています。
特に、腎機能は加齢とともに衰えていきます。ゴマは、犬にとっても腎機能の維持や改善に役立つ食材で、健康な皮膚や被毛の維持にも役立ちます。
愛犬にいつまでも若々しく健康でいてもらうためにも、適切な量や与え方を守りながら、上手に犬のご飯に取り入れていってください。

参考文献
  • 公開日:

    2019.08.12

  • 更新日:

    2021.10.18

いいなと思ったらシェア
ライター・専門家プロフィール
  • 西村 百合子
  • ホリスティックケアカウンセラー、愛玩動物救命士
  • ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。 現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。