犬の爪切りは、苦手な飼い主さんが多いケアの一つではありますが、犬にとってはとても大切なケアとなります。
犬の爪には血管と神経が通っていますので、爪を切る時にそれらも一緒に切ってしまうと血が出ますし痛みも伴います。
ただし、血管と神経は爪の先端まではきていませんので、伸びた部分を切るだけであればそのようなことにはなりません。
ところが、伸びた爪をそのままにしておくと、血管と神経は爪が伸びるのと並行してどんどん伸びてきて、切るべき長さのところまで血管と神経が伸びてきてしまいます。
その時点で爪を切ってしまっては、当然出血をすることになり犬は痛みで嫌がってしまいます。
肉球は犬の体を支えるクッション代わりとなっています。爪が伸びてしまっていると、肉球を地面にしっかりと着くことができず、脚に余計な負担がかかり足腰を痛めてしまう恐れもあります。
さらに、伸び過ぎた爪は内側に巻いていく特徴がありますので、巻き爪になってしまった爪の先端で肉球を傷付けてしまうこともあります。これらのことからも、犬の爪切りは大切なケアであり、必要なことだと言えます。
犬の爪切りは、2週間に1度や1ヶ月に1度など明確に頻度を決められるものではありません。
同じ犬種であっても、犬の個体差によって爪の伸びる速度は違いますし、散歩時に多少は自然と削れていくのですが、それも歩く地面の種類によって変わってきます。
散歩の時間や運動量が多い犬の場合には、削れる量も多くなっていきますので爪切りはそう頻繁に行う必要はなくなってきます。
フローリングや少し硬めの地面を犬が歩いている時に、爪が地面に当たる音が聞こえるようになった頃が爪切りのサインです。
ただし体重の軽い小型犬は、爪が当たる音はなかなか聞きとりにくいことがありますので、飼い主さんが、定期的に爪が伸びていないかチェックしてあげるのがおすすめです。
また、肉球よりも少し上に位置する狼爪は、その場所のせいで自然と削れることはありません。狼爪以外の爪が削れていて切る必要がない時でも、狼爪だけは別物としてチェックをするようにしてください。
犬の爪切りをするタイミングの目安が、歩く時に音がするようになった時だと紹介しました。
そのため、犬の爪切りは、歩く時に音が出ない肉球スレスレの位置で切るのが目安となりますので、血管や神経がないのかと心配になってしまうかもしれませんが、常にその位置で切るように習慣付けておけば、血管や神経はそこまでは伸びてきませんので問題ありません。
白い爪であれば血管は透けて見えますので、それを確認しながら切るのもおすすめです。
黒い爪の場合には血管を目で確認することは難しいのですが、爪を切り進めていくとその断面の色が少し変わってきます。
そこから少し奥に血管と神経がありますので、色が変わってきた場所で切るのをやめるようにしておいてください。
犬の爪切りは、子犬から老犬までずっと続くケアの一つです。 ただし、成犬になってからいざ爪切りをしようとしても、犬は初めてのことに戸惑い嫌がるようになってしまう恐れがあります。なるべく、子犬のうちから爪切り自体に慣らしておくのがおすすめです。 最初のうちは爪切りそのものに慣れさせるためにも、爪を切るのではなく爪切りを持ってそれに触れさせることから慣れさせていくようにしましょう。