柴犬といえば、三角のピンとした立ち耳やつぶらな黒い瞳、クルンとした尻尾などが主なチャームポイントとして挙げられます。しかしこれだけではなく、プリプリとしたおしりも柴犬の大きな魅力の1つです。
おしりをプリプリと小さく振って走る姿や、モフモフとした姿がなんともかわいらしいという、柴犬のおしりファンも少なくありません。
SNSには「#柴犬おしり」「#しばじり」などのハッシュタグもあるほどで、「プリっとしててかわいい」「たまらない!」などのコメントも多く見られます。
巻き尾である柴犬はおしりの形が強調されるため、他の犬種に比べておしりにも注目が集まるのでしょう。
柴犬に限りませんが、犬は飼い主におしりを向けてくることがあります。「わざわざおしり向けてくるのは嫌がらせ?」と疑問に思うかもしれませんが、これは信頼の証と考えられています。
犬のおしりは生殖行動に関わる部分なため、非常に重要な場所です。よって、背後に知らない相手がいることを嫌がり警戒します。
また、犬は他の犬と会ったとき、どんな相手なのか知るためにあいさつとしておしりのにおいを嗅ぎます。これは人間でいうところの「個人情報の交換」のようなものです。しかし気に入らない相手には、背後にまわれないように振る舞い、おしりのにおいを嗅がせません。
よっておしりを向けてくるのは、「リラックスして心を許している」「あなたのことが大好き」ということを意味しているのです。
おしりを触ってもいつもはいたって普通なのに、急に嫌がるような場合は肛門嚢炎など、何らかの異常が起きていることが考えられます。
肛門嚢炎とは肛門の両脇にある肛門嚢と呼ばれる、分泌物を溜める袋に細菌感染などが原因で炎症が起きる病気です。症状が悪化するにつれ腫れや痛みが激しくなるため、おしりを触られることを嫌がります。
おしりを触ると怒ることに加え、おしりを気にするような仕草が見られる、いつもより食欲が減っているようなときは要注意です。速やかに獣医師の診察を受けるようにしましょう。
また、傷口などがあり、それによっておしりを触られるのを嫌がっている可能性もあります。柴犬の被毛は厚いため、一見するとなんでもないように見えるかもしれませんが、被毛をかき分けて外傷がないか確認しましょう。
おしりの状態を確認するために触ろうとしたとき、噛みつくぐらいの勢いで愛犬が嫌がる場合は、無理に行わず獣医師に相談して対応しましょう。
愛犬におしりを向けられるのは、なんとも複雑な気持ちになるかもしれませんが、信頼している大好きな相手にしかしない愛情表現なので、気持ちに寄り添ってあげましょう。
リラックスした時間を飼い主と共有して過ごすことは、柴犬にとってとても幸せなことにちがいありません。
なお、いつもは大丈夫なのに、ある日突然おしりを触られることに抵抗を示す場合は、なんらかの異常が疑われます。悪化するといけないので、早めに獣医師に診てもらうようにしましょう。
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