
夏になると日本各地で音楽イベントなどの野外フェスが開催されますが、犬の同伴OKとしているフェスであれば、犬を連れて行くことが可能です。中には期間限定でドッグランを併設している音楽フェスもあります。
一方で、犬の同伴を可としている野外フェスのほうが圧倒的に少なく、多くの野外フェスは、補助犬(盲導犬や介助犬)以外の犬の同伴はNGとしています。
犬の同伴に関しては、各フェスのホームページ(大体の場合よくある質問ページ)に記載されているので、事前に確認しておきましょう。
野外フェスでは爆音が鳴り響いており、その環境下で犬が長時間過ごすと音響外傷を患うことがあるので注意が必要です。
音響外傷とは大きな音に長時間さらされることで、聴力に障害を与えることです。そのため、もし愛犬も連れて行く場合は、できるだけ音源から距離を取るようにしましょう。
普段とは違う聞き慣れない音や大勢の人がいる野外フェスの環境に、愛犬が戸惑ってしまうかもしれません。大きなストレがかかると体調を崩すこともあるので、愛犬の様子をよく確認しながら楽しむようにしましょう。
愛犬を野外フェスに連れていく際には、以下のものが必要です。忘れずに持参しましょう。
基本的に野外フェスの会場には水飲み場がないため、水を多めに持参し愛犬に水分補給をいつでもできるようにしてあげましょう。
野外フェスは1日かけて行われるため、1食分に小分けしたフードとフードボウルも必要です。
当たり前のことですが、フェス会場に排泄物を放置するのは絶対にいけません。必ずうんち袋を持参しましょう。
フェス会場はたくさんの人が集まっているので、ロングリードはNGです。1m程度の長さのリードを付けるようにしましょう。
万が一、迷子になっても身元がわかるように、必ず迷子札を付けておきましょう。
ゆっくりと休めるよう、ケージも用意しておきましょう。犬にとって野外フェスは刺激が多い場所です。そのため、ケージがあるとその中で落ち着いて休むことができます。
ドッグコットがあると地熱から遠ざけることができるので、熱中症対策になります。また、会場が標高の高い場所の場合、夜になると冷え込むことが予想されるので、ブランケットなど愛犬の防寒になるものを持参したほうがよいでしょう。
野外フェスに犬を連れて行く際は、以下のマナーを守って楽しみましょう。
どの野外フェスも犬を連れている場合、リードの着用が必須になっています。必ずリードをつけ、離れないようにしましょう。
当然のことですが、犬の排泄物は責任を持って始末する必要があります。糞は持参した袋に入れて持ち帰りましょう。基本的に、会場内のゴミ箱に犬の排泄物を捨てることは禁止されています。
また、普段の散歩時と同様、おしっこをした場合は、その場所に水をかけて洗い流しましょう。
会場内では、無駄吠えにより他人に迷惑をかけないようにしましょう。大勢の人や大きな音、明るい照明など、いつもと全く違う環境に驚いたり興奮したりし、吠えてしまうこともあるかもしれません。
ペット同伴可のほとんどの野外フェスは、他人の迷惑にならないように飼い主が責任を持って対応する、吠えを抑えられない場合は、会場の外へ移動してもらう場合がある、などのルールを提示しています。
大勢の人がいる環境に慣れていない場合は、事前に街中を散歩させたり、近所の小規模のイベントで様子を見たりなどしておくとよいでしょう。
大勢の人がいる野外フェスでは、犬が苦手な人や動物アレルギーを持っている人などもいます。そのため、不用意に人に近づけないよう注意しましょう。
また、メインステージなどの人混みの中に連れて行くのも避けたほうがよいです。ライブを鑑賞している人の邪魔になってしまうことがあるほか、犬自身がパニックになる可能性もあります。テントを張りながらゆっくり鑑賞するのが良いでしょう。
野外フェスは丸1日かけて行われるため、愛犬も一緒に連れて行く際は、必ず水やドッグフードを持参しましょう。また、いつもと違う刺激が多い環境や、暑さにより疲れてしまうことも考えられます。そのため、ケージも用意して愛犬がゆっくり休める場所を確保してあげましょう。
周りの方に不愉快な思いをさせないよう、マナーを守って愛犬と素敵な思い出を作ってください。
新井 絵美子/動物ライター
2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。
過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。