
犬のしつけの基本である伏せですが、なぜ犬に伏せを教えなければならないのでしょうか?
大きく分けて2点あるので、ひとつずつ解説します。
犬に伏せを教える理由のひとつが、服従させるためです。
服従と言うと響きが悪いかもしれませんが、犬にとって伏せは生活する上で自然な姿勢ではありません。
おすわりや立っている姿勢、さらには伏せの状態でも足が横に流れている姿勢が自然な格好であると言えます。
その不自然な姿勢を犬にさせることにより、人と犬との上下関係をはっきりさせるという意味合いがあります。
もしも突然犬が走り出してしまったり、犬同士の喧嘩が始まってしまい犬が興奮したときに、伏せを覚えさせておくことはとても効果的です。
犬が予期せぬ行動をしたときに、「伏せ!」のコマンド(命令)を言うだけで、犬は伏せをし落ち着くことができます。
犬をコントロールするためにも、伏せを教えておくことをおすすめします。
それでは犬に伏せを覚えさせる方法をご説明します。 簡単な3ステップですので、ぜひ試してみてください。
犬に対して「伏せ!」と言います。
何も知らない犬はまったく反応しないでしょう。
そこで、犬の鼻先にボールやおやつを持っていき、徐々に地面に向かって誘導していきます。
犬はボールがほしいため、自然と伏せの格好になります。
これがまず基本の伏せの覚えさせ方です。
誘導しても犬が伏せの姿勢にならなかったら、次は半強制的に伏せの姿勢にさせます。
首輪を地面のほうにゆっくり引っ張ることで、犬は嫌々ながら伏せの姿勢になるでしょう。思いっきり勢いよく引っ張るのは危ないので、やめましょう。
また、強制は犬にとってもストレスになりますので、出来た後には思い切り褒めてあげてください。
犬がどんな形であれ、伏せの姿勢になった瞬間、思い切り褒めてあげましょう。 一緒に走り回ったり、甲高い声をあげて褒めると犬に褒めていることが伝わります。 少し恥ずかしいかもしれませんが、犬にとっては最高に嬉しい瞬間ですので、しっかりと褒めてあげましょう。
犬に伏せを教えている際、後ろ足をだらんと伸ばしてしまうことがあります。 フレンチブルドッグが後ろ足を伸ばし、のんびりとしている姿を見たことがある人も多いのではないでしょうか。 それでは伏せる際に後ろ足を伸ばしてしまう対処法についてご説明します。
結論から言うと、犬が後ろ足を伸ばしていても問題はありません。
その姿勢から徐々に正しい伏せの姿勢にすれば良いだけです。
ですので、後ろ足が伸びてしまっていたら、落ち着いて後ろ足を持ち上げ、正しい伏せの姿勢にしてあげましょう。
そして伏せの姿勢になったら褒めてあげることで、「これが伏せか」と犬は理解してくれるはずです。
犬によっては伏せを嫌がることがあると思います。ここでは伏せを嫌がる犬に対してのしつけ方法をお教えします。
先述したように、伏せは犬にとって不自然な姿勢です。そのため嫌がっていようが、半強制的に伏せの姿勢にしてあげるようにしましょう。
その代わり、伏せが出来たら思い切り褒めてあげます。同時にご褒美をあげるのも効果的となります。
これを続けることで「伏せをすると褒めてもらえる = 伏せは楽しい!」と感じてくれるようになるはずです。
いかがでしたでしょうか?愛犬に伏せを教えるのはとても簡単なことに感じませんか?
伏せは犬をコントロールするためにも重要なしつけのひとつです。
その他の基本的なしつけとともに、伏せをしっかりとマスターさせておきましょう。
南健汰/ドッグライター
大自然溢れる北海道でドッグトレーナーとして犬を訓練した経験を活かし、2012年より執筆活動を開始。ボーダーコリー2頭、サモエド2頭、猫2頭と暮らしている。犬との生活で大切にしているのは、犬も自分も思い切り楽しむこと。訓練士協会A級ライセンス保持。