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2019.07.26

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愛犬と海で遊ぶときに気をつけたい塩水中毒(高ナトリウム血症)とは

犬は広い砂浜で走り回ることや海で泳ぐことが大好きです。泳ぎが好きな犬なら、制止を振り切って思いっきり海に飛び込んでいくこともあると思います。しかし、海で泳がせる時には海水の飲み過ぎに気をつけなくてはいけません。今回は、海水の過剰摂取によって最悪の場合は死に至ることもある塩水中毒(高ナトリウム血症)について詳しく解説します。

#Activity / #Lifestyle

Author :西村 百合子(ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士)

海で遊ぶときに気をつけたい塩水中毒とは

犬 海 塩水中毒

塩水中毒は海水を大量に摂取することによって、血液中のナトリウム濃度が急激に上がり高ナトリウム血症を発症することを言います。これは、犬だけではなく人間にも発症する可能性がある症状で、体内の水分量がナトリウムの量に対して少なすぎる状態になることを指します。犬の場合は特に、人間より塩分に対して鈍感だと言われているため、注意が必要です。

命に関わる高ナトリウム血症

犬が過剰に塩分を摂取すると、血液中のナトリウムが急速に上昇すると、重度の場合は脳細胞が萎縮し中枢神経に障害が起こります。また、心臓疾患や腎臓病などの病気を持っている犬の場合は、病気が悪化する可能性があります。また、血液中のカリウムの量が増えることから、不整脈など心臓の機能障害が起こり、最悪の場合は心停止が起こります。

知っておきたい犬が摂取可能な塩分量

犬 海 塩水中毒

日本近海の海水の塩分濃度は約3.4%と海水100g中に塩が3.4g含まれている濃度です。つまり、100mlの海水を飲むと自然と塩分を3.4g摂取してしまうことになるのです。

犬が1日に必要なナトリウム摂取量は体重10kgあたり500mgで、これを塩分に換算すると体重10kgあたり1.27gとなります。また、犬にとって致死量となるナトリウム量は体重1kgあたり4gと言われています。塩分に換算すると体重10kgあたり10.16gとなり、小さじ2杯(食塩12g)で小型犬では致死量となる計算です。

こんな症状が出たら要注意!

高ナトリウム血症では、大量の水を飲む、下痢をする、嘔吐する、元気がなくなる、大量のよだれが出るなどの症状を起こします。塩水中毒が恐ろしいのは、症状がゆっくりと進行することです。最悪の場合は、大量に海水を飲んだ2~3日後に急激に悪化し、痙攣、意識がなくなる、昏睡など重篤な症状を起こし死に至ります。様子がおかしいと気がついた時には手遅れとなっていることもあるため、注意が必要です。

塩水中毒の原因とは

犬 海 塩水中毒

犬が塩水中毒を起こす原因は海での遊びすぎです。海では飼い主も楽しい気分になることが多く、そうなると犬も一緒になって興奮状態になってしまいます。また、犬があまりに楽しそうにしているために、日頃の運動不足解消とばかりに飼い主も一緒になって海遊びをさせてしまうと塩水中毒の原因となる可能性があるのです。

海でのレトリーブは危険?

海でボールや流木を投げて持ってこさせる遊びは、犬が大好きな遊びです。何度も何度も、飽きることなくレトリーブを繰り返す犬が多く、飼い主も要求されるがままにボールや流木を投げてしまいがち。犬は、ボールや流木などをくわえて泳いでいる時に、海水が口から胃に流れ込みます。犬は塩分に対して鈍感なため、人間のようにしょっぱいという感覚が薄いのかもしれません。レトリーブをしている時に、無意識で大量の海水を飲んだ結果、過剰な塩分摂取となるのです。

波をパクパクする犬は要注意

海に行くと、犬が波頭を追いかけながら海水を口で捕まえようとパクパクしている光景をよく目にします。波は犬にとって興味の対象です。ボールやフリスビーをキャッチするのと同じ感覚で、波をキャッチしたくてたまらないのです。波をキャッチしたい犬は何度もパクパクを繰り返すことになり、気がつかないうちに大量の海水を飲んでしまうのです。

愛犬の塩水中毒を防ぐには

犬 海 塩水中毒

海水の飲み過ぎを防ぐためには、こまめに休憩させ、真水を飲ませることを念頭に置くことが重要です。海でのレトリーブ遊びは、犬の大小もありますが、15分程度で一度休憩させることを目安にしましょう。もちろん、これはあくまでも目安の時間です。超小型犬の場合は、もっと頻繁に休憩させることを心がけてください。

ボールの代わりに平らなおもちゃを使用する

何かを投げて遊ぶ場合は、なるべく口を大きく開けずにくわえられるものにすることがおすすめです。特に、ボールは大きく口を開けるため、大量の海水を摂取してしまう可能性があり塩水中毒のリスクが高まります。ボールの代わりとなるフリスビーなど口を大きく開けずにくわえられる平らなおもちゃを海遊び用に用意しておくことがおすすめです。

海へ行く時は、最寄りの動物病院を事前に確認しておく

自宅から離れた海へ行く場合は、もしもの時の備えとして、最寄りの動物病院をあらかじめ調べてから出かけることをおすすめします。塩水中毒の場合は重度の脱水が伴います。これは、命にかかわることなので、様子がいつもと違うと感じたら、なるべく早く動物病院へ連れて行くことが重要です。そのためにも、海の近くにある病院を事前に調べておくことが大切です。

様子がおかしいと感じたらすぐに動物病院へ

犬 海 塩水中毒

塩水中毒は、どんな犬にも可能性があります。特に健康な犬や若い犬ほど、飼い主は油断しがちです。また、興奮しやすい犬、ボールジャンキーの傾向がある犬の場合は、いつも以上に注意が必要です。もし、海から上がってきた犬の足元がふらついている、大量に水を飲む、よだれが大量に出ているなど、いつもと少しでも違うと感じたら、様子を見るのではなく、すぐに動物病院へ連れて行き「塩水中毒」の可能性があることを獣医師に伝えてください。

楽しい海遊びが悲劇とならないために

犬 海 塩水中毒

海は犬が大好きな場所です。犬が嬉しそうにしていると、飼い主としてもついついいつも以上にボールを投げてあげてくなるもの。しかし、過度な海遊びは命取りになりかねません。つい最近も、アメリカではラブラドールが塩水中毒によって死亡するという悲しい事故が起きたばかりです。ぜひ、この記事を参考にして、塩水中毒に十分注意して楽しく海遊びをさせてあげてください。

◎ライタープロフィール

西村 百合子

西村 百合子/ホリスティックケア・カウンセラー、愛玩動物救命士

ゴールデンレトリバーと暮らして20年以上。今は3代目ディロンと海・湖でSUP、ウインドサーフィンを楽しむ日々を過ごす。初代の愛犬が心臓病を患ったことをきっかけに、ホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得。
現在、愛犬のためにハーブ療法・東洋医学などを学んでおり、2014年よりその知識を広めるべく執筆活動を開始。記事を書く上で大切にしていることは常に犬目線を主軸を置き、「正しい」だけでなく「犬オーナーが納得して使える」知識を届ける、ということ。

掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法等により保護されています。

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