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食べもの

2020.03.01

犬が1日に必要な水分量。たくさん飲む・飲まない原因を知って健康管理を

犬にとって、そして私たちやその他の動物・植物にとっても、生きるためには水がとても大切です。気温が暑い時期になると、犬もたくさん水を飲むもの。では、犬は1日どれくらいの水分を摂取する必要があるのかご存知でしょうか?
愛犬が水を飲まない場合または大量に飲んでしまう場合、実はどちらも病気の可能性があるため注意が必要です。犬は肉球にしか汗をかかないぶん、舌を出して水分を蒸発させるか、老廃物とともにオシッコとして水分を排出するしかありません。今回は犬の水分補給について解説したいと思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。

#Healthcare

Author :明石則実/動物ライター

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犬が1日に必要な水分量はどれくらい?

犬 水

犬が1日に必要な水分量には、実は参考になる計算式があります。 獣医師会発表の資料によれば下記の通りです。

【1日に必要な水分量】
 体重(kg)×0.75×132(ml)


例えば、体重10kgの犬の場合、約990ml程度の水分量(※)が必要となります。

水分量は「飲む水の量」だけじゃない!

ただし、上記に記載の水分量は、1日に必要な水分量であって実際に飲む水の量(飲水量)の目安ではありません。実際には普段食べているフードの水分量にも大きく左右され、ウェットフードの量が多ければ、そのぶん飲水量も減ります。

たとえば、ドライフードには約7%の水分が含まれているとされていますが、缶詰等のウェットフードには約70%の水分が含まれているため、ウェットフードを食べている時は、当然飲水量は減ってきます。

そのため、実際に水を飲む量は、体重1kg当たり40~60mlの範囲が正常であると言われています。 体重10kgのコであれば、400~600ml程度の飲水が目安となります。

また、季節によっても飲む水の量は当然変わってきますね。体温が上がりにくく代謝の少ない冬場は摂取量は若干少なくなりますし、夏場の場合はその逆となります。

犬にとっても水分は大切!

犬に多い病気のひとつでもある結石症は、十分に水を取って排泄をすることが大切です。水分不足は病気を悪化させる原因となります。また、夏場は熱中症や夏バテを防ぐ上でも水分の摂取はとても大切です。

犬が水を飲まない|考えられる理由とは

犬 水

犬があまり水を飲まないなと感じたとき、その原因として考えられる理由は大きく4点あります。

加齢によるもの

水を飲む量には、犬の年齢が関係する場合があります。6~10歳を越えたシニアの場合だと、代謝そのものが低いことや、喉の渇きに鈍感になってしまったり、水を飲む機会が減ることがあります。

気温・気候変化によるもの、夏バテ・熱中症など

冬場は体温も上がりにくく代謝も上がらないもの。当然、水の摂取量も減ります。

一方、夏季には、夏バテや熱中症などで体内の水分が不足しがちです。体調不良で吐き気などの不快感がある場合なども水を飲まなくなりますので、注意が必要です。

この場合、最も簡単な対策方法は、食事をドライからウェットフードに切り替えたり、ドライフードにスープをかけたりして食べ物として水分を摂らせるようにする方法です。

食事で摂取できている

食事がウェットフードや手作りご飯だった場合、そもそも食事の水分含有量が多いので、さほど水を飲まないというパターンがあります。上記に記載の1日に必要な水分量を目安に、飲水量を計算してみましょう。

水の容器が合わない

特に外出時・ドッグランへ行った時など、水容器を貸し出してくれるところもありますが、他の犬が使ったものですし、素材も普段使っているものと違っている場合などは、あまり水を飲んでくれないときがあります。

自宅の水飲み場の高さを変えたり、外出中でも飲んでくれる持ち運びしやすい容器を見つけておくといいですね。

いずれにも該当しない場合

もし、いずれにも該当しない場合には体の不調を疑った方が良いかも知れません。歯周病や口内炎などで口の中に疾患があり痛みを生じているため、またはヘルニアの症状が出て水を飲む体勢が取れないなど、様々な理由が考えられます。そういったことが考えられる場合には動物病院で診察を受けてみることも手段の一つだと思います。

犬が脱水症状になっているサイン|こんな症状には要注意!

犬 水

犬の体は、全体重の約70%が水分で占められており、身体の水分には主に3つの役割があります。

●汗や呼気で水分を蒸散したり、暑い時には水を飲んで血液を循環させ、おしっこをすることで体温調節を行う役割
●体の成長や維持に必要なホルモン、タンパク質、酸素、電解質などを全身に運ぶ役割
●その代わりに体にとって毒となる老廃物を体外に排泄するための役割

もし何らかの理由で水分が失われると、これらの働きに支障が生じることになります。

脱水症状のサインとは

愛犬の水を飲む量が減り、ぐったりしている等の症状が見られたら、脱水症状かもしれません。動物病院であれば、血液検査を行うことで、血液中の水分量を測ることが可能です。

もしご自宅であれば、愛犬の背中の皮膚をつまんでみましょう。 つまんだ形が元に戻るのに何秒もかかるようであれば、脱水症状を起こしている可能性が高いと考えられます。

また、脱水を起こしているときは、血行が悪くなり粘膜が乾いたようになります。そのため、唇やまぶたをめくって歯ぐきや結膜の粘膜をみたときに、いつもより白っぽく乾いた感じに見えます。

犬が水を飲まない|取るべき対策とは

犬 水

愛犬に水を飲んでもらうために自宅で出来る工夫がいくつかあります。ここでは、簡単に出来る方法をご紹介します。

フードを工夫

最も簡単な方法は、普段の食事をドライからウェットフードに切り替えるという方法です。また、ドライフードに少し味付けをしたスープをかけたりすると愛犬の食欲もアップして、食べ物から水分を摂ってもらうことが可能です。

水飲み場を増やす

常に愛犬が水が自由に飲めるようにしておくことが大切です。自宅内には数か所水飲み場を用意し、常に新鮮でキレイな水を入れるようにして、愛犬にとって水分をとりやすい環境を用意しましょう。

食塩を添加する方法

もともと水をあまり飲まない愛犬の食事に全体の3~5%の食塩を添加する方法があります。これによって飲水量を増やすことが出来ますが、他の病気との兼ね合いもあるため、試す場合には必ずかかりつけの獣医師と相談してから行うようにしましょう。

犬が水をたくさん飲むとき|これは何かのサイン?

犬 水

続いて、逆に、犬が水を飲み過ぎてしまう場合を見ていきましょう。

食事内容の変化

まず、食事の内容がウェットフードからドライフードに急に変わると水をたくさん飲んでしまう傾向があります。

運動・スポーツ後

運動によって体温が上がり、「ハアハア」と舌を出して体温を下げようとすると、体の水分はどんどん減っていきますから、余計に水を飲むようになります。

夏場の暑い時期なども同様に、身体が欲する水分量を摂取するために、犬は自発的に水を飲んでくれます。

病気の可能性

愛犬が水を飲み過ぎる場合もまた何らかの疾患を疑うべき点はあります。一般に、犬は体重1㎏につき100mlを越す飲水量は過剰であり、何らかの病気を示唆している可能性があると言われています。

例えば、人間と同じく糖尿病になれば多飲多尿になりますし、メスの場合は子宮蓄膿症になると水を多く飲んでしまいます。また腎不全などによっても水分を多く摂る傾向があります。

いずれにしても、あまりにもおかしいな?と感じたら動物病院等で診察を受けることをおすすめします。

犬の水分摂取量は健康のバロメーター

犬 水

言葉を交わせない犬と人間の間では、水を適量飲んでいるかどうかで健康の度合いを測ることができます。犬をはじめ動物も植物も、水がなければ生きてはいけません。だからこそ、水は何よりも大切なものであると考え、ぜひ注意深く見守ってあげてください。そして、できたら新鮮な水を絶やさぬようにしてくださいね。きっと愛犬だって美味しい水が飲みたい!と思っているはずです。

◎ライタープロフィール
明石則実 動物ライター

明石則実/動物ライター

フリーライターとして動物関連や歴史系記事の執筆を多数おこなう。柴犬と暮らす傍ら、趣味の旅行や城めぐりで愛犬と駆け回る週末。
愛犬家の皆さんにとって、お悩みを解決したり、有益な情報を発信することを心掛けています。

  • 公開日:

    2019.07.23

  • 更新日:

    2020.03.01

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