メロンは犬にとって有害となる成分は含まれていないので、食べさせても大丈夫です。ただし、栄養を摂取するために絶対に必要な食材というわけではないため、積極的に与える必要はありません。
メロンには主に、ビタミンAやビタミンCなどをはじめとしたビタミン類、カリウムやリンなどのミネラル類、食物繊維などが含まれています。その中でも特に多く含まれている栄養素はカリウムです。
カリウムの含有量は果物類の中でバナナに次いで多く、体内の余分な塩分を尿と共に体外へ排出する働きがあると言われています。
また、ククミシンと呼ばれるタンパク質を分解する酵素や、果肉が赤い品種においては、ベータカロテンも多く含まれています。ベータカロテンは、体内でビタミンAに変換され、プロビタミンAとして働く栄養素です。ベータカロテンには、抗酸化作用があるとされています。
犬にメロンを食べさせる際は、以下の点に注意しましょう。
犬にメロンを与える際は、果肉部分のみにしましょう。メロンの皮や種は消化が悪いため、取り除いてください。
また、1口大に小さくカットし、犬が無理なく噛んで食べられるようにしましょう。大きな塊のまま与えると、特に小型犬の場合は喉につまってしまう可能性があります。
メロンは糖分が多いうえ、カロリーも100gあたり42kcal(果肉部分のみで1/8個分強)と高めなので、与えすぎると肥満の原因になります。また、9割近くは水分で構成されていることから、下痢になる可能性もあります。
そのため、与える量は1日1~2切れ程度にとどめ、しつけのご褒美や特別なときのおやつとして、時々食べさせるぐらいにしておきましょう。
犬の体質によっては、メロンを食べた際にアレルギー症状が出る場合があります。主なアレルギー症状は発疹や痒み、下痢や呼吸の異常などです。
また、スギやブタクサ、ヨモギ、セイヨウオオバコ、シラカバ、ニワトコなどにアレルギーを持っている場合、メロンにもアレルギー反応が出ることがあります。これは、メロンがこれらの草や樹木のアレルゲンに近い組成を持っているからです。
メロンを食べた後にアレルギー症状が出た場合は、食べさせるのを控えるようにしましょう。そして初めて食べさせるときは、アレルギーの可能性もあるので、まずはほんの少量だけを食べさせるようにしましょう。
腎臓や心臓の疾患がある犬には、メロンを与えないようにしてください。
先述の通り、メロンはカリウムの含有量が非常に多い果物です。通常、カリウムは小腸で吸収され腎臓から排出されますが、腎臓の機能が弱っているとカリウムがうまく排出できず、高カリウム血症になる可能性があります。
加えて、体内にカリウムが溜まりやすくなると、不整脈や低血糖を招きます。よって、腎臓や心臓の疾患がある犬にメロンを食べさせると、健康を損ねるリスクが高いため、与えないようにしましょう。
メロンは犬が食べても大丈夫な果物ですが、たくさん食べさせると肥満や下痢の原因になるため気をつけてください。
犬は普段の食事で必要な栄養を摂取していれば、メロンを食べる必要は特にありません。そのため、メロンはしつけのご褒美や、特別なときのおやつ、どうしても食欲がないとき等のご飯として与える程度にとどめておくのがよいでしょう。
愛犬が食べるものを管理するのは、飼い主の重要な役目です。正しい知識を身に付けて愛犬の健康を損なうことがないようにしてあげてくださいね。