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白の毛の犬の前にチョコが置かれている
食べもの
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2021.10.19

犬×食べ物を知る!

犬がチョコを食べたら危険!致死量や対処法について詳しく解説

犬が食べると危険な食品の1つに、チョコが挙げられます。
なぜ、犬にチョコが危険なのでしょうか?意外と知られていませんよね。
この記事で、愛犬の健康を損ねることがないよう、犬が食べると中毒を引き起こすチョコの成分について知っておきましょう。
また、誤ってチョコを食べてしまった場合の対処法や、主な中毒症状についても併せて解説します。

#Foods

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:新井 絵美子/動物ライター)

犬にチョコを与えてはいけない

割ってあったり切られている板チョコ

チョコには、犬にとって有害となる成分が含まれています。その犬の体質や食べた量によっては死亡してしまうこともあるので、絶対に与えてはいけません。加えて、目を離しているときに、愛犬がつまみ食いをしてしまわないように注意が必要です。

また、チョコ自体だけでなく、チョコが含まれているパンやクッキー、ケーキ、アイスなどの加工品も食べさせてはいけません。愛犬が欲しがっても与えないようにしてください。

犬にチョコを与えてはいけない理由

茶色の毛の犬の前にチョコケーキが置かれている

なぜ犬にチョコを与えてはいけないのか、その理由について知っておきましょう。

テオブロミンの分解に時間がかかるため

犬にチョコを食べさせてはいけない理由は、チョコにテオブロミンと呼ばれる中毒症状を引き起こす成分が含まれているからです。

テオブロミンはチョコの苦味の主成分で、肝臓で代謝されたのちメチル尿酸という物質に分解されます。人間はテオブロミンを分解するのに6時間程度しかかかりませんが、犬の場合は、その約3倍もの時間がかかることが分かっています。(※1)
つまり、成分が体内に長くとどまってしまうため、中毒を起こしてしまうのです。

なお、近年はミルクの含有量が少ない高カカオチョコもたくさんの種類がありますが、高カカオチョコは通常のチョコに比べて、約2~4倍ものテオブロミンが含まれています。(※2)
よって、ミルクチョコよりも中毒のリスクが高く、少量食べただけでも体調が悪くなることもあるので十分に注意が必要です。

ココアにも注意

カカオ豆が原料のココアにもテオブロミンは含まれています。ココアパウダーを使った市販のパンやお菓子類はたくさんあるので、与えないようにしましょう。

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脂質や糖分が多い

チョコには、脂質や糖分が多く含まれているので肥満の原因になります。犬にとっても肥満は万病のもとで、心臓病や糖尿病、関節の病気などを引き起こしやすくなります。

また、一度にたくさんの脂質を摂取すると急性膵炎(すいえん)になる可能性もあります。そのため、犬にチョコを与えるのはやめましょう。

犬にチョコを与えてしまった場合の対処法

犬に与えてはいけないチョコ

犬にチョコを与えてしまった場合は冷静、かつ早急に以下のように対処しましょう。

すぐに獣医師に連絡する

愛犬がチョコを口にしてしまった場合は症状の有無にかかわらず、すぐに獣医師に連絡して動物病院へ連れて行ってください。診察の際には、どんな種類のチョコをいつどのくらい食べたのかを獣医師に伝えましょう。もし食べてしまったチョコのパッケージがある場合は、原材料やカカオの含有量が分かるので、それも持参したほうがよいです。

テオブロミンに対する感受性は犬によって異なることから、致死量もその犬の体質や体の大きさ、年齢などによって差があります。そのため、少量食べた程度であっても「きっと大丈夫だろう」と軽く考えず、獣医師の診察を受けるようにしましょう。

自分の判断で応急処置をしないこと

「食べてしまったチョコを吐かせればよいのではないか」と、自己判断により吐かせようとすることは決してしないようにしましょう。適切に行わないと嘔吐物が喉に詰まってしまうことがあるほか、全部吐ききったかどうかは素人では判断できないからです。

自分で対処しようとしている間に時間がどんどん経過し、症状が悪化する恐れがあるので、速やかに動物病院へ連れて行くようにしてください。

犬がチョコを食べた場合に考えられる症状

白と茶色の毛の犬の前にかじられたチョコがあり犬がぐったりとしている

犬がチョコを食べると、中枢神経系や循環器系などが影響を受けてしまいます。中毒症状が発症するまでは4~5時間程度経ってからで、主に以下のような症状が現れます。

初期症状|下痢や嘔吐など

チョコを食べて数時間程度すると、まず下痢や嘔吐の症状が見られます。また、下痢や嘔吐を繰り返すと体内の水分が不足し、脱水症状に陥ることもあります。

症状が進行すると落ち着きがなくなる、頻尿や失禁などの症状も現れます。

重度の症状|不整脈やけいれんなど

犬がチョコを食べて症状が重度になると不整脈や震え、けいれん、昏睡の症状が見られます。脈や呼吸が早くなっているときは危険な状態なので、すぐに治療が必要です。最悪の場合は死に至ることもあります。

アニコムホールディングス株式会社の調査によると、犬の中毒による死亡例は第1位が観賞用のユリの12件で、その次にチョコによる死亡例が9件となっています。(※3)
チョコは犬にとっていかに危険な食品なのかを、飼い主としてしっかりと理解しておきましょう。

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犬にチョコは絶対にNG!

グレーの毛の犬が窓の外を見つめている

チョコは、パンやドーナツ、クッキーなど、さまざまなものに含まれており、どれも日常的に家庭にあるものかと思います。チョコに含まれている成分に対する感受性は個体差があることから、愛犬が欲しがっても決して与えないようにしましょう。
また、棚にしまっておくなどして愛犬が誤食しないようにしておくことも大切です。

万が一食べてしまった場合は、症状が出ていなくてもすぐに獣医師に連絡して、治療を受けるようにしましょう。場合によっては死に至ることもあるので、早めに対処することが重要です。

参考文献
  • 公開日:

    2019.07.18

  • 更新日:

    2021.10.19

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。