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2尾のエビが皿に載っている
食べもの
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2021.10.15

犬×食べ物を知る!

犬はエビを食べていい?量や殻(から)についてと症状や対処法を解説

犬はエビを食べても大丈夫なのかな?と疑問に思ったことはありませんか。エビは調理方法によっては少量であれば与えることも可能ですが、基本的には与えない方がいい食材です。
ここでは、犬にエビを与えない方がいい理由や、エビを食べた際に見られる症状、エビを食べてしまった場合の対処法と治療法についてご紹介します。
愛犬が誤ってエビを食べないよう本記事を参考にしてくださいね。

#Foods

文:江野 友紀/認定動物看護士

犬にエビは与えないほうがいい!

桜エビが皿に盛られている

結論から言うと、エビは犬に与えない方がいい食材です。

エビだけじゃない!甲殻類の食材はNG

エビやカニなどの甲殻類には、ビタミンB1欠乏症の原因となる酵素やアレルギーの原因になり得るタンパク質が含まれています。また、イカやタコなどの軟体類、貝類も同様に犬には与えてはいけない食材です。

エビを加工した食品、乾燥エビやエビせんも注意が必要?

エビを加工した食品を与えた場合、問題の無い子もいますが、エビに対してアレルギーがある子が食べるとアレルギー反応を示します。
また、アレルギーが無かったとしても食べ過ぎれば消化不良を起こしたり、塩分の摂りすぎになる可能性が考えられます。

犬にエビがおすすめできない理由

茶色の毛の犬がエビを食べてしまいぐったりとしている

犬にエビを与えることはおすすめできません。特にエビを生で食べた場合、食べた量や犬の体質によっては重篤な状態になることもあります。犬にエビがおすすめできない理由は、その成分にあります。

エビには犬にとって危険な成分が含まれている

エビにはビタミンB1欠乏症の原因となる酵素や、アレルギーの原因となり得るタンパク質が含まれています。

チアミナーゼ

生のエビには「チアミナーゼ」というビタミンB1を分解する酵素が含まれており、この成分によりビタミンB1欠乏症を引き起こします。
ビタミンB1欠乏症になった犬は食欲不振や嘔吐、歩行困難、視力障害、けいれんなどの症状が現れ、最悪の場合昏睡状態に陥り命を落としてしまうこともあります。

チアミナーゼは加熱処理により壊れるので、どうしても与えたいという場合には必ず加熱してから与える必要があります。

トロポミオシン

エビ含まれる「トロポミオシン」というタンパク質は、アレルギーの原因になります。
トロポミオシンは加熱に対して安定であることから、エビに対してアレルギー反応を示す犬では加工食品であってもアレルギー症状を誘発する可能性があります。

犬がエビを食べた場合に見られる症状

バーベキューの網の上でエビを焼いている

犬の体質によっては、加熱したエビを少量食べた程度であれば問題の無いコもいます。しかし、体質によってはエビの摂取により、様々な症状が現われてしまうコがいることも事実です。
犬がエビを食べた場合、どのような症状が起こるのでしょうか。

下痢・嘔吐

普段食べ慣れていないエビを食べることで消化不良を起こしたり、ビタミンB1欠乏症やアレルギーの一症状として下痢や嘔吐が見られることがあります。
特にチワワのような超小型犬であれば、少量のエビであっても症状が出る可能性が十分考えられます。

一時的な下痢や嘔吐であれば様子を見ることも可能ですが、何度も頻繁に繰り返したり、他の症状を伴うような場合には動物病院を受診しましょう。

口や食道の怪我

エビの殻は硬いため、小型犬などが食べると噛み砕いた殻が口の中や食道を傷つけてしまう恐れがあります。もちろん、大きなエビであれば大型犬でもケガをする可能性があります。
また、怪我をせずに飲み込めたとしても、消化不良の原因になります。

加熱して少量与えたいという場合であっても、頭の部分や尾などの硬い部分は取り除いてから与えましょう。

神経障害

生のエビを食べた場合、ビタミンB1欠乏症によりふらつきや瞳孔散大(瞳孔が過度に拡大する)、けいれんなどの神経障害を起こすことがあります。
犬が生のエビを摂取した後に突然歩行困難になったり、けいれんし始めたら、様子を見ずにすぐに病院へ連れていきましょう。

身体を痒がる

エビに対してアレルギーのある子は、エビを食べたあとアレルギー性皮膚炎を起こし、身体を痒がることがあります。
食物アレルギーが出やすい場所は顔(目や口、耳周辺)、足先、陰部周辺、肛門周囲などです。軽いアレルギーであればエビを食べることをやめれば症状は改善しますが、何日も痒がっていたり、傷になって出血してしまうほど掻いてしまう場合には動物病院を受診しましょう。

成犬の場合の致死量は?

エビを食べた場合の症状の現れ方には個体差があり、同じ量を食べたとしても、重度の下痢を起こす犬や神経症状が現われる犬もいれば、いつもと変わらずケロッとしている子もいます。
エビに対してアレルギーのある子の場合、少量であってもアナフィラキシーショックを起こし、命を落としてしまうこともあります。

アナフィラキシーショックとは

アナフィラキシーショックとは全身に現れる重篤なアレルギー反応のことで、多くは原因となる物質を摂取してから1時間以内に起こります。
頻繁な嘔吐や下痢、失禁、けいれん、顔面の腫れなどの症状が現れ、低血圧によるショックや呼吸困難が見られる場合には、最悪の場合死に至ります。
アナフィラキシーショックは食べ物以外にも、ワクチン接種やハチなどの昆虫の刺傷によって引き起こされることがあります。

犬がエビを食べてしまった場合の対処法と治療法

茶色と白の犬がおやつを差し出されているが食べずに首を傾げている

飼い主さんが犬にエビを与えようと思わなくても、少し目を離した隙に食卓に出ていたエビ料理を食べてしまったり、留守番をしているときにいたずらでエビを加工したおやつなどを食べてしまうかもしれません。
犬がエビを食べてしまった場合の対処法と治療法についてご紹介します。

犬の様子を良く観察する

前述しているとおり、エビを食べた後に見られる症状には個体差があります。
ごく少量のエビを食べ、何も変化が見られない場合や、一時的な軟便や嘔吐があったもののすぐにいつもの状態に戻るようであれば、様子を見ることも可能です。
エビを食べ、下痢や嘔吐を繰り返す、けいれんを起こす、身体を痒がるなどの症状が現れた場合には、すぐに動物病院を受診しましょう。

動物病院に連絡する

生のエビを食べてしまった場合や、加工品であっても食べた後に異常な様子が見られた場合には、速やかに動物病院に連絡しましょう。いつ、どのくらいの量を食べ、どのような症状が現れたのかをできるだけ正確に伝えることが大切です。
受診の指示があった場合、犬が吐いたものや便を持って行くと診療がスムーズに進むことがあるので、なるべく持参しましょう。

動物病院ではどんな処置・治療がおこなわれる?

食べたエビの量などにもよりますが、生のエビを大量に食べてしまったような場合、食べてすぐであれば吐かせるための処置(催吐処置)が行われます。
アナフィラキシーショックを起こす場合はショック状態を改善させる薬が使用されたり、消化不良を起こしていれば整腸剤や下痢止めなどが使用されます。
ひどい嘔吐や下痢を起こす場合には、脱水を改善するための点滴が必要になることもあります。

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犬にエビは要注意の食材。生では絶対に与えないで!

犬に与えてはいけない生のエビが食卓に並んでいる

エビは人間にとっては高たんぱくで疲労回復をサポートしてくれる食材ですが、犬におすすめ出来る食材ではありません。
特に、生のエビは犬に悪影響を与える可能性が高く、場合によっては命に関わることもあります。
エビは犬が積極的に摂る食材ではなく、基本的に栄養バランスの取れたフードを与えていれば問題ありません。
食欲が落ちていて、とにかく何か食べさせたいときでも、与えるなら十分に加熱したエビを少量与える程度に留めましょう。そして、与えた後も犬に異常が現れないか観察しましょう。

  • 公開日:

    2019.07.21

  • 更新日:

    2021.10.15

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ライター・専門家プロフィール
  • 江野 友紀
  • 認定動物看護士
  • 地域密着型の動物病院にて、動物看護士として14年ほど勤務。看護業務の合間にトリミングもしています。 ドッググルーミングスペシャリスト、コンパニオンドッグトレーナーの資格を保有。 普段の仕事では、飼い主様の様々な疑問や悩みを解消できるよう、親身な対応を心掛けています。 ライターの仕事を通して、犬と人が幸せでより良い生活を送るためのお手伝いさせていただきたいです。