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茶色の毛の老犬が目の前にあるご飯を食べない
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2021.11.26

老犬が食べない時の対処法とは?ご飯を食べさせるコツや注意点を紹介【獣医師監修】

犬も年齢を重ねて老犬になると、ご飯を食べる量が少しずつ減ってきてしまうことがあります。あまりにも食べる量が減ってきてしまうと、どこか具合が悪いのではないか、そのまま弱ってしまうのではないかと不安になってしまいますよね。老犬がご飯を食べない理由は、体調不良だけではないかもしれません。
今回はそんな老犬がご飯を食べない理由について紹介します。

監修:加藤 みゆき/獣医師(文:ごとう ゆり/ドッグライター)

老犬がご飯を食べない4つの理由

クリーム色の毛の老犬が目の前のご飯を食べない

まずは、老犬がご飯を食べない時に考えられる理由を4つ紹介します。
ご飯を食べない原因は老化による機能低下だけでなく、病気が潜んでいる場合もあります。体重チェックや獣医による健診で身体の状態を把握し、元気があるかどうかも観察してあげてくださいね。

【1】味覚や嗅覚の衰え

老犬になると、味覚や嗅覚が少し鈍くなってしまうことがあります。
好物だった食事も、味覚や嗅覚が鈍くなることで、美味しさをあまり感じなくなって食欲が落ちたり、好物が変わったりする場合もあります。

【2】代謝や運動量の低下

人間と同じように、犬も加齢とともに足腰が弱くなり、運動量が低下します。運動量が低下することで必要とするエネルギーや代謝も減少し、お腹が減りにくくなる一因に。

また、筋力が落ちてしまうと、食事中に姿勢を保ちにくく、頭を上げ下げする動作が辛くなり、食事自体を嫌がってしまうこともあります。

【3】消化機能の衰え

高齢になると、消化機能も徐々に衰えていきます。唾液や胃液などの分泌が弱まり、肝臓や腎臓といった臓器の働きも低下する傾向にあります。消化機能の低下は食欲不振にも繋がってしまうでしょう。

【4】病気による食欲不振

病気が原因で食欲不振になってしまう場合もあります。
老犬は歯周病になりやすく、歯槽膿漏で歯がぐらついたり、歯が抜け落ちたりすることで、固いご飯が食べにくくなってしまうでしょう。

嘔吐を伴う場合は、消化器系の病気、肝不全、腎不全といった病気が考えられます。下痢症状がみられたら、感染症などで腸にダメージを負っている可能性も。

ご飯だけでなく、水分もとれない場合は悪性腫瘍や椎間板ヘルニア、敗血症など、重度の病気が潜んでいるかもしれません。

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老犬がご飯を食べない時に対処するコツ

クリーム色の毛の老犬が畑の中で舌を出して笑っている

続いて、老犬がご飯を食べなくなった時の対処方法を紹介します。
もしかすると、ひと工夫で食べられる量が増えるかもしれません。犬の健康状態や体力に合った方法を試してみてください。

フードをふやかす

噛む力が弱くなってきた時には、ドライフードを水かぬるま湯で柔らかくふやかしてあげるのがおすすめです。

ただし、ドライフードをふやかす際に熱湯を使用すると、ドライフードに含まれる栄養素が壊れてしまう場合があるので、必ず水かぬるま湯を使用しましょう。

トッピングしてあげる

ご飯をあまり食べないようであれば、好物のウェットフードをトッピングしてあげるのも、ひとつの手です。

普段からウェットフードを食べている場合には、少し温めて匂いを強く感じさせるように工夫すると、食欲増進に繋がることもあります。

食事の量や回数を工夫する

老犬の食事回数は、1日3~4回くらいがおすすめです。
噛む力が弱くなったり、歯周病になりやすかったり…老犬にとって1回の食事の量が多いと、それだけ負担になってしまうかもしれません。

体力や体調に合わせて、1日に必要量を小分けにし、食事の回数を調整してみましょう。

食器の高さを変える

頭を上げ下げし辛い様子が見られたら、食事台を用意して頭を下げなくても食べられる高さに食器をセットしてあげてください。

ホームセンターなどでも専用の食事台が販売されていますが、家庭にあるプラスチックケースや段ボールなどで代用可能です。犬の食べる様子を確認しながら、食べやすい高さに調整しましょう。

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老犬が食べない時に注意しておきたいポイント

こげ茶色の毛の老犬が床に溢れたご飯を食べている

老犬がご飯をあまり食べなくなってきた時に、気をつけたいポイントがあります。食欲や体調と併せてチェックしてみましょう。

1日のトータル量

老犬になってくると、急にご飯を食べなくなってしまうことも。特に具合が悪い様子が見られなければ、1回の食事量で判断するのではなく、1日のトータル量を確認しましょう。

また、老犬は代謝や運動量が衰えてきているため、成犬時と同じ量やカロリーを摂取してしまうと肥満に繋がってしまうことも。食欲が落ちたからといって、好きなものやおやつの量を増やすのではなく、栄養バランスやカロリーが見合うメニューを心がけてくださいね。

水分はしっかりと摂取させる

食事量が減ってくると同時に、水分をあまり摂らなくなってしまうケースがあります。ご飯を食べなくても、水分はしっかりと摂取するように気を付けてあげましょう。

特に、老犬は喉の渇きを感じにくく、脱水症状をおこしやすい傾向にあります。水飲み場を増やすなど、こまめに水分補給ができる環境作りも大切です。

老犬がご飯を食べないのは寿命が近いから?

ベージュの毛の老犬が器に入ったご飯を食べている

ご飯を食べなくなると、寿命が近いのではないかと気がかりになりますよね。食欲不振以外の症状をまとめてみました。

その他の症状

寿命が近づくと、以下のような症状がみられることがあります。しかし、これらの症状すべてが当てはまるわけではありません。なんの兆候もなく、突然亡くなってしまうケースもあります。

  • 歩行困難(寝たきり)
  • 睡眠時間が長くなる
  • 下痢
  • 不規則な呼吸(短い呼吸の停止、浅い呼吸など)
  • 手足のバタつき
  • 反応が鈍くなる(意識レベルの低下)

動物病院に相談する

寿命が近づくとさまざまな症状がみられますが、体調不良という場合も考えられます。かかりつけの動物病院を受診し、相談してみるのがおすすめです。

老犬になるとご飯を食べないことも増えてくる

白と茶色の毛の老犬がスプーンですくったご飯を食べない

老犬は、加齢による運動量や体力、筋力などの低下に伴い、食欲不振になってしまう場合もあります。また、食欲だけでなく体重の変化や元気があるかなど、日々の健康チェックや獣医による健診も大切です。
犬の体力や健康状態に合わせて、食事の工夫も取り入れてみてくださいね。

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  • 公開日:

    2019.07.10

  • 更新日:

    2021.11.26

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ライター・専門家プロフィール
  • 加藤 みゆき
  • 獣医師
  • 日本獣医生命科学大学(旧・日本獣医畜産学部)を卒業後、獣医師として埼玉県内の動物病院にて犬・猫・小鳥の小動物臨床とホリスティック医療を経験。その後、小動物臨床専門誌の編集者を勤めた後、現在は都内の動物病院にて臨床に従事。 日々発展する小動物臨床の知識を常にアップデートし、犬に関する情報を通じて皆様と愛犬との暮らしがより豊かなものとなるように勉強を重ねて参ります。