まずはオーストラリアン・シェパードはどんな犬なのでしょうか。ここでは、オーストラリアン・シェパードの歴史、特徴についてお話しします。
実は、オーストラリアン・シェパードの歴史・起源は、他の犬種でもある通り、はっきりとしたことが分からないというのが実情です。
1800年代にヨーロッパのバスク地方からオーストラリアに移住した羊飼いが連れてきた牧羊犬がオーストラリアン・シェパードの祖先犬になったと言われています。その後、羊飼いがアメリカへと移住しました。
犬種名はオーストラリアからやってきた牧羊犬ということで「オーストラリアン・シェパード」という名が付けられましたが、原産国は移住後のアメリカとなっています。牧場などで牧羊犬として活躍しており、場所により牧羊犬ショーをみることもできます。また、競技犬・介助犬・救助犬など、その多才な能力を活かし、さまざまな場面で活躍しています。愛好家もいる人気の高い犬種で、たくさんの人に愛されています。
オーストラリアン・シェパードはコリー系の見た目に、特徴的な被毛をしています。ここでは、体型・体質、毛色・被毛・抜け毛、寿命・かかりやすい病気についてお話しします。
オーストラリアン・シェパードはコリーのような体型をしている体高46~58cm、体重16~32kgの中型犬です。足は長くすらっとしていて、鼻の長さは短い垂れ耳が特徴的な犬種です。
毛色はブラック、レッドマール、ブルーマール、レッドがあります。ダブルコートの長毛を持っているため、換毛期に抜け毛が多くなります。耳の下やお尻周り、内股などに毛玉ができやすいため、定期的にブラッシングを行いましょう。
オーストラリアン・シェパードの平均寿命は12~15歳です。遺伝的要因や生活環境などにより寿命の長さは前後します。できるだけストレスの少ない生活環境を心がけましょう。
かかりやすい病気としては「白内障」「尿路結石」「股関節形成不全」が挙げられます。
「白内障」は眼の水晶体が白く濁っていく症状で、遺伝的要因だけでなく加齢でも引き起こされます。視力が低下し、物にぶつかることや、触れられることに驚くこともあります。白内障は目薬などで進行を遅らせることしかできないため、うまく付き合っていくことが大事です。
「尿路結石」は膀胱、尿道、尿管、腎臓などの尿路に結石ができる病気です。尿路結石は排尿障害や血尿、排尿時に痛みが生じるなどの症状が見られます。治療法は食事療法で結石をなくす方法、外科手術で取り除く方法があります。結晶の大きさにより治療法は変わりますので、かかりつけの獣医師と治療方針をしっかり相談しましょう。
「股関節形成不全」は大腿骨と骨盤の形が異常でうまくはまっていない状態のことです。先天性の病気で、大型犬に多く見られます。歩き方がおかしい、座り方がおかしいなどの症状が見られます。何かおかしいと感じたら、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
牧羊犬としても活躍していた歴史があり、明るい性格をしています。ここではオーストラリアン・シェパードの性格についてお話しします。
オーストラリアン・シェパードは牧羊犬として活躍していたため、活動的で遊び好きな犬種です。おもちゃやボールなどで遊ぶことやドッグランで自由に走らせてあげると喜びます。興味がある方はアジリティやフリスビーなどに挑戦してみてはいかがでしょうか。
オーストラリアン・シェパードは疲れ知らずのスタミナとタフさがあります。そのため、たくさん運動をさせてあげましょう。運動不足になると吠える・噛むなどの破壊行動などを起こす可能性があります。できる限りの時間を取って、一緒に遊んであげましょう。
活発で遊びが大好きなオーストラリアン・シェパードは飼い主と一緒に遊ぶことを好みます。ここでは、オーストラリアン・シェパードを育てる上での環境、運動、しつけ、ケアについてお話しします。
他のコも同様ですが、オーストラリアン・シェパードは清潔な生活環境で育ててあげることが望ましいです。生活スペースはできるだけ毎日掃除し、抜け毛や埃などを取り除き掃除を行いましょう。生活環境が不衛生だと体にストレスがかかり、免疫力も低下します。病気にかかりやすくなるため、清潔な環境を心がけましょう。
オーストラリアン・シェパードは中型犬です。寝転んだ状態でも手足を無理なく伸ばせるようなスペースを確保しましょう。
非常に体力があるため、1日2回1時間以上の運動が必要です。賢く、自分で考えて行動することができるため、単調な運動では飽きてしまうこともあります。そのため、アジリティやフリスビーなどの頭を使う運動を好みます。通常の散歩でも途中で座れ・待て・伏せなどの指示をしてみることやドッグランなどの思い切り走り回れる施設に連れて行ってあげることも運動不足解消に繋がります。
物覚えが良く賢い犬種なので、しつけは覚えさせやすいです。自分で考えて行動するため、指示される前に行動を起こすこともあります。
しつけトレーニングはメリハリが大事です。叱るときは叱り、褒める時は褒めましょう。叱り方は怒鳴る・叩くなどはせずにアイコンタクトをとり低い声で「ダメ」と伝えることで十分です。しつけトレーニングに自信がない場合はドッグトレーナーなどの専門家に相談しましょう。
オーストラリアン・シェパードは長毛なのでこまめなブラッシングが必要です。耳の下や内股などに毛玉ができやすいため注意しましょう。ブラッシングにはスリッカーブラシを使用し、毛の根元からとかすようにかけていきます。スリッカーブラシは先が尖っているために使用方法を間違えると怪我をさせてしまうことがあるため注意しましょう。
ここでは、知名度はそれほど高くないものの愛好家の多いオーストラリアン・シェパードについてお話ししました。オーストラリアン・シェパードは、牧羊犬として活躍していたため、スタミナがあり、活発な性格をしています。
そのため、ボールやおもちゃを使ってたくさん遊んであげましょう。育てるときは、犬と遊ぶ時間はどれだけあるのか、生活環境は犬に合っているのかなどをしっかり検討してからにしましょう。