magazine

白と茶色のキャバリアが松ぼっくりを咥えている
犬種図鑑
鉛筆アイコン

2021.10.01

犬と過ごす幸せな時間

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの特徴と性格|犬種図鑑

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは社交性があり、他の犬や人にもフレンドリーな愛すべき犬種です。クリッとした瞳が愛らしい姿は飼い主さんをメロメロにさせます。
この記事では、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの歴史をはじめ、キャバリアの身体的な特徴から性格、かかりやすい病気までをご紹介します。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの特徴を知り、これからキャバリアを迎えるうえで参考にしてみてくださいね。

#キャバリアキングチャールズスパニエル

文:新井 絵美子/動物ライター

キャバリアの誕生の歴史・ルーツ

白と黒と茶色のキャバリアが顔を見上げている

キャバリアは、犬と暮らすのが初めてでも育てやすい犬種と言われていますが、他の犬種と同様に注意べき点はあります。キャバリアのことを知るにあたり、まずはどのような歴史から誕生したのかを見ていきましょう。

名前のルーツ

キャバリアの正式名称は、「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」と言います。イギリス王室のチャールズ2世が寵愛するスパニエルということが、犬種名の由来になっています。

キャバリアには「中世の騎士」という意味があり、総称して「中世の頃の姿を取り戻したキング・チャールズ・スパニエル」という意味を持っているそうです。

活躍の歴史

代々、愛犬家が多いことで有名なイギリス王室では、昔からさまざまな犬種が育てられてきました。王室のなかでも特にチャールズⅡ世(キング・チャールズ氏)は、トイ・スパニエル(キング・チャールズ・スパニエル)を溺愛していたことで知られています。

16~19世紀のイギリスでは、スパニエルはマズルが少し長めのタイプが主流でしたが、1800年代に入ると東洋からパグや狆などのマズルが短い犬種(短吻種−たんふんしゅ)がイギリスに入り、ヨーロッパでも徐々に人気が出てきました。この影響でスパニエルと短吻種の交配が進み、やがてスパニエル種にもマズルが短い犬種が誕生し、現在の「キング・チャールズ・スパニエル」となりました。

その後アメリカの富豪であるロズウェル・エルドリッジ氏が巨額の懸賞金をかけたことにより、短吻タイプになったスパニエル種をチャールズⅡ世が育てていたような姿へと復活させる活動が起こり、現在の「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」が誕生しました。

「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」はその名の通り、パピヨンアメリカンコッカースパニエルなどが属するスパニエル種となります。

分類される犬種グループ

純血犬種の登録や血統書の発行などをしているジャパンケネルクラブの犬種グループの中で、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは「第9グループ:愛玩犬」に分類されています。

犬種グループは愛玩犬グループをはじめ、使役犬グループ、テリアグループ、嗅覚グループなど、全部で10グループあり、それぞれの犬種は誕生した目的や従事した役割、形態に応じてグループ分けされています。

「第9グループ:愛玩犬」は、愛玩目的で生み出された犬種のグループで、ほとんどが小型犬です。キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの他にチワワシーズーなど、私たちに馴染みの深い数多くの犬種が属しています。

キャバリアの外見の特徴

白と茶色のキャバリアが這いつくばっている

ここでは、外見の特徴について見ていきます。

適正体重・標準体高

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの体高は30~33cm体重は5~8kgほどで、小型犬に分類されます。同じ小型犬であるチワワやミニチュアダックスフンドなどと比較すると体のサイズが大きめです。

体高より体長が長めで、バランスが取れた体型をしています。大きな垂れ耳と大きな目、平坦な額に長めのマズルが特徴的です。

この記事もチェック!

ここがチャームポイント

キャバリアは、優雅で穏やかな表情がかわいいとしてとても人気があります。2021年版の人気犬種ランキングではトップ20位以内にランクイン(※1)し、愛されぶりがうかがえます。

また、キャバリアの優しい印象を与えるふんわりとした被毛もチャームポイントです。耳や胸、足に飾り毛が生えており、気品が感じられます。

被毛の特徴

被毛のお手入れを怠ると、皮膚疾患の原因になります。キャバリアの被毛の特徴やお手入れ方法を頭に入れておきましょう。

コートタイプ

滑らかな手触りの長毛で、ウェーブがかかっている場合もあります。3歳頃になると耳や足、胸に飾り毛が見られるようになります。

被毛の構造は、オーバーコート(上毛)アンダーコート(下毛)から成るダブルコート(2重構造)です。

皮膚を保護する役割のオーバーコートは、1年を通して少しずつ生え変わることから、季節による換毛期はありません。
一方、保温・保湿の役割をするアンダーコートは、毛量の増減にとり体温調節をするため、春と秋に換毛期を迎えます。そのため、その時期のキャバリアは驚くほどたくさんの抜け毛が発生します。

代表(標準)毛色

毛色は、ブラック&タン(黒と赤褐色)、ルビー(赤褐色)、トライカラー(赤褐色と黒と白の3色)、ブレンハイム(白地に栗色の斑)の4色です。これ以外の毛色や色の組み合わせは、好ましくないとされています。

お手入れ方法と注意点

キャバリアは毛が長くて絡まりやすいので、毎日ブラッシングをしましょう。また、抜け毛が多くなる換毛期は、しっかりと抜け毛を取り除き、被毛の通気性がよくなるように心がけてください。

シャンプーは月1回程度で十分です。頻繁にシャンプーをすると、皮脂が過剰に取り除かれて皮膚トラブルを起こしやすくなります。シャンプー剤は必ず犬用のものを使用し、シャンプー後はドライヤーで完全に乾かしましょう。自然乾燥や半乾きの状態は菌が繁殖しやすいので、毛の根元までしっかりと乾かしてあげてください。

キャバリアの被毛は一定の長さまでしか伸びないので、本来トリミングは必要ない犬種です。しかし、衛生面やお手入れのしやすさから、肛門周りや足などの部分的なカットや、全体的に短くカットする飼い主さんもいます。

なお、キャバリアはバリカンを使用してのカットや、サマーカットほどの短さにすると、毛がなかなか生えてこない、毛質が変わるといったことがあるので気をつけましょう。

この記事もチェック!

キャバリアの性格の特徴

白と黒と茶色のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルが芝生の上に這いつくばっている

イギリス王室で愛されてきたキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、容姿だけでなく性格においても魅力があふれています。

陽気で優しい

キャバリアは陽気で天真爛漫な性格です。飼い主や家族にはもちろんのこと、家族以外の人にも優しく接する傾向にあるので、他の犬や子どもとも仲良く遊ぶことができます。

また、攻撃的な面や神経質なところもほとんど見られない穏やかな性格です。

好奇心旺盛で遊ぶことが大好き

キャバリアはいろいろなことに興味を示す好奇心旺盛な性格で、遊ぶことが大好きです。とはいえ、動きはそこまで俊敏ではないので、小さな子どもの遊び相手にぴったりと言えるでしょう。

好奇心旺盛で、争いごとを好まないフレンドリーな性格なため、自分から他の犬にコミュニケーションを取ろうとすることもあります。

こんなしつけが必要

キャバリアは、しつけがしやすい犬種と言われていまが、しつけをする際にはいくつかの注意点があるので覚えておきましょう。

指示語(コマンド)を統一する

しつけを始めるにあたり、家族で話し合って指示語を統一するようにしましょう。「オスワリ」と指示する人もいれば、「スワレ」という人もいるといったようでは、犬は混乱して覚えられません。また、指示語は「マテ」といったように、一言でわかりやすく伝えることが大切です。

指示通りにできたら、必ずその場で褒めるようにしましょう。褒めることで、「飼い主のいうことを聞くといいことがある」と学習し、指示に従えるようになっていきます。

行動を制止させられるようにしておく

キャバリアはフレンドリーな性格ゆえに、嬉しさのあまり自分から相手にぐいぐい近づき、飛びついてしまうこともあります。急に飛びついてしまうと、怪我をさせてしまう恐れがあり危険です。

そのため、「オスワリ」「マテ」「フセ」などの指示を出せば、どんな状況でも行動を制止できるようにしつけをしておきましょう。

この記事もチェック!

キャバリアの平均寿命と気をつけたい病気

白と茶色のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル2匹が靴下を履いてフローリングの上でお座りをしている

いつまでも元気に過ごしてもらうために、キャバリアの気をつけたい病気について理解を深めておきましょう。

平均寿命

犬種別における寿命調査で、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの平均寿命は12.4歳(※2)となっています。体重5〜10kgの小型犬の平均寿命が13.8歳(※3)なので、同じくらいのサイズの犬の中では、やや寿命が短めです。

しかし、健康寿命は普段の食事や運動、生活環境などによって大きく左右されるので、参考程度に頭に入れておくとよいでしょう。

気をつけたい病気

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、以下の病気にかかりやすいと言われています。

僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)

僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁と呼ばれる弁に異常が起き、血液の逆流を防げなくなる病気です。血液の一部が逆流することで、正常に血液を送り出すことができなくなります。キャバリアの場合は遺伝的にかかりやすく、若齢での発症が多い傾向にあります。

初期はほとんど症状が見られず、少し疲れやすくなった、以前より遊ぶ時間が短くなったという程度です。症状が進行してくると咳をするようになってきます。重症化すると呼吸不全により死亡する場合もあるので、様子がおかしいと感じたら早めに動物病院を受診しましょう。

脊髄空洞症(せきずいくうどうしょう)

脊髄空洞症は、脳脊髄液と呼ばれる液体が過剰に溜まり、神経を圧迫する病気です。場所や大きさにより症状はさまざまで、軽度では無症状のこともあります。一般的な症状としては、首や背中のあたりを気にしてこする、頚部などの痛み、四肢の麻痺などが挙げられます。

有効な予防法はないので、早期発見・早期治療が大切です。

外耳炎

垂れ耳であるキャバリアは耳の中が蒸れやすいので、特に夏場は外耳炎に注意が必要です。原因は細菌や真菌の繁殖、耳ダニなどの寄生虫などさまざまです。

キャバリアに耳を痒がる、やたらと頭を振る、耳の中が臭うなどの様子が見られたら、動物病院を受診しましょう。

特に梅雨から夏の高温多湿の時期はこまめに耳の中をチェックし、必要に応じて耳掃除をするようにしましょう。

この記事もチェック!

キャバリアは穏やかな性格で育てやすい犬種!

茶色と白のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルが後ろ足で立ち飼い主の太ももに前足をかけている

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、穏やかでしつけもしやすいことから、初心者でも比較的育てやすい犬種と言えます。
キャバリアの被毛のお手入れに関しては少し手間がかかりますが、愛犬のお世話をしっかりしてあげることは犬との信頼関係の構築にもつながり、幸せな時間を過ごすことができるはずです。
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルの特徴をしっかりと理解したうえで、迎えるようにしましょう。

参考文献
  • 公開日:

    2019.07.16

  • 更新日:

    2021.10.01

いいなと思ったらシェア
ライター・専門家プロフィール
  • 新井 絵美子
  • 動物ライター
  • 2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。 過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。