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白い毛のボルゾイが芝生の上で立っている
犬種図鑑
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2021.10.08

【犬種図鑑】ボルゾイは頑固な犬?犬種特徴を歴史から紐解いて解説!

優雅な立ち姿で気品が漂う顔立ちのボルゾイは、その美しさだけでなく、抜群の俊足を誇る運動能力も兼ね備えている犬です。日本ではなかなか見かけることがないボルゾイですが、いったいどんな犬なのでしょうか?
今回は、そんなボルゾイの性格や特徴をはじめ、育て方のコツや歴史にいたるまで、まとめてご紹介していきます。

#ボルゾイ

文:ルエス 杏鈴/犬訓練士、ドッグライター、ドッグフォトグラファー

ボルゾイ誕生の歴史・ルーツ

ベージュと白の毛のボルゾイが芝生の上で伏せをしている

「ボルゾイはなぜ狩猟本能が強いのか?」や「ボルゾイはなぜ足が速いのだろう?」という様々な疑問の答えはボルゾイの歴史を見ていくことで発見することができます。ボルゾイの歴史を知ることで犬種の性格や体格をさらに深く知り、犬種への理解を深めていきましょう。ここでは、ボルゾイの活躍の歴史や犬種グループについてご解説していきます。

名前のルーツ

以前はロシアン・ウルフハウンドと呼ばれていましたが、1936年にボルゾイの犬種名に改められ現在に至ります。現在の「ボルゾイ」という名前はロシア語で「俊敏な」という意味で、時速50km以上ものスピードで走るボルゾイにぴったりですよね。

活躍の歴史

ボルゾイはロシア原産の犬です。起源はさまざまな諸説があり明確に分かっていませんが、視覚と俊足を活かして狩りをするサイトハウンドと、ロシア土着の狩猟犬とを掛け合わせた犬と考えられています。

13世紀ごろ、ボルゾイはロシア貴族たちの間でうさぎ狩りする猟犬として用いられていました。15世紀になると、ロシアンシープドッグなどと交配し、オオカミ狩りもできる大型犬へと改良されました。

分類される犬種グループ

ボルゾイは視覚ハウンド(10G )に分類されている犬種です。視覚ハウンドはその名の通り、優れた視覚と俊敏さで狩りをする犬種が分類されています。サイトハウンドの犬種は狩猟本能が強く、動くものを見ると思わず追いかけてしまう特徴があります。ボルゾイも同じで、動くものを追いかけるのが大好きですよ。

ボルゾイの外見の特徴

クリーム色の毛のボルゾイが砂浜の上を歩いていて砂に口先を近づけている

ボルゾイといえばまず思い浮かぶのが、迫力のある体の大きさではないでしょうか。体型や体質などをはじめとしたボルゾイの特徴について、詳しく見ていきましょう。

適正体重・標準体高

ボルゾイは大型犬に属しますが、大型犬の中でも体が大きい犬種です。オスに比べてメスのほうが、体の大きさはやや小さい傾向にあります。

  • オス:体高75~85cm、体重34~48kg
  • メス:体高68~78cm、体重25~40kg
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ココがチャームポイント!

ボルゾイのチャームポイントはスッと長く伸びた頭です。頭はドームのようにややカーブしており、ふんわりとして優しい印象を与えますよ。スリムで存在感のあるマズルはエレガントでとても美しいです。

被毛の特徴

ウェーブがかったフサフサとした長い被毛は、滑らかで触り心地のよい毛質です。そんな被毛の特徴を知ることで、ボルゾイに合ったお手入れをすることができますよ。ここでは、ボルゾイの被毛のタイプと、それに合ったお手入れ方法についてご解説していきます。

コートタイプ

被毛は皮膚を保護するためのオーバーコート(上毛)と、体温調節の役割をするアンダーコート(下毛)からなるダブルコート(2重構造)です。
ボルゾイをはじめとしたダブルコートの犬は換毛期があり、春と秋にアンダーコートが生え変わります。そのため、その時期は通常よりも多くの抜け毛が発生します。

代表毛色

毛色はブラックやホワイトの単色をはじめ、ブラックとホワイト、タン(黄褐色)が入った3色の毛色、ホワイトと以下の色が組み合わさった種類などが存在します。

  • シルバー(銀色を帯びた明るめのグレー)&ホワイト
  • ゴールド(輝きのある黄褐色)&ホワイト
  • レモン(明るい茶色)&ホワイト
  • レッド(赤みを帯びた茶色)&ホワイト
  • セーブル(シルバーや茶系統の明るい色に黒い毛が混ざった毛色)&ホワイト

お手入れ方法と注意点

ボルゾイはダブルコートの犬種なので、換毛期になると毛が大量に抜けます。そのため、スリッカーブラシなどでしっかりとブラッシングをし、抜け毛をしっかりと取り除くようにしましょう。

また、ボルゾイの被毛は毛玉になってしまうことがあるので、換毛期以外の期間中もこまめにブラッシングをし、毛玉ができないように心がけてくださいね。

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ボルゾイの性格の特徴

白と黒と茶色の毛のボルゾイが芝生の上で伏せをしている

ボルゾイは、比較的無駄吠えが少なく穏やかな性格ですが、その一方で好奇心が強く活発な面もあり、全体的にバランスのとれた性格の持ち主です。

優雅で落ち着いている!

ボルゾイは気品が漂う外見どおり、優雅で落ち着いた性格です。そのため、子どもにも優しく接することができます。また、飼い主にもよく甘え、愛情深く接してくれます。ただし、繊細な一面もあるため、知らない相手には警戒心を見せることも少なくありません。

好奇心が強く遊びが好き

もともと猟犬だったこともあり、好奇心旺盛で遊ぶことが大好きです。ドックランで自由に体を動かして遊んだり、ボール遊びや宝探しゲームをしたりなどをして、運動欲求や好奇心を満たしてあげるように心がけましょう。

こんなしつけが必要

ボルゾイの性格に合ったトレーニングに取り組むことで、さらにスムーズで効果的なしつけに取り組むことができます。ここでは、ボルゾイの性格に合ったしつけ方法について詳しくご解説していきます。

呼び戻しのトレーニングをしっかり!

子犬のうちから呼び戻しのトレーニングをしっかりと行っておきましょう。ボルゾイは猟犬としての気質が残っているため、「獲物」と認識したものを見ると追いかけたくなる衝動が出るときがあるからです。

呼び戻しのトレーニングのやり方は、まずフードを持った手を犬の鼻先に近づけます。そして犬から少しずつ離れ、「オイデ」と優しく声をかけながら犬がついてくるように誘導し、一旦かがんで止まります。飼い主の足元まで来たら褒め言葉をかけながらおやつを与え、そのままそっと首輪をつかんでください。

これを何度も繰り返すことで、「走り回っているよりも、飼い主のところへ戻ったほうがよいことがある!」と認識し、「オイデ」と呼べば戻ってくるようになります。

一貫性と忍耐が大切!

ボルゾイは家族に対して非常に愛情深い犬種ですが、時には頑固な一面を見せることもあります。そのため、しつけに取り組む際にはボルゾイがなかなか新しいことを覚えてくれなくても、忍耐を持ってコツコツとしつけに取り組むようにしましょう。

また、人や場所によってコマンド(「お座り」や「マテ」などの指示に使う言葉)が異なったり、ルールが違うとボルゾイが混乱してしまう原因にもなるので、一貫性のあるしつけができるようにしてくださいね。

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ボルゾイの平均寿命と気を付けたい病気

白の毛のボルゾイが木にリードを繋がれマットの上で座っている

同じ犬でも、犬種によって平均寿命や気を付けておきた病気は様々です。ボルゾイを迎える前には平均寿命と気を付けたい病気を知り、健康寿命を伸ばせるように努力しましょう。

平均寿命

ボルゾイの平均寿命は10~12歳程度といわれていますが、個体差による体質や育った環境による影響などで寿命は変わってくるので、あくまでも参考程度に覚えておくとよいでしょう。

気を付けたい病気

ボルゾイの気を付けておきたい病気を知ることで、予防に取り組み、健康寿命を伸ばすことにも繋がります。また、気を付けたい病気の症状を知ることは、病気の早期発見にも役に立ちますよ。

胃捻転

胃捻転はボルゾイのように胸底が深い犬がなりやすく、何らかの原因により胃の中にガズが溜まって胃が膨らんでしまい、胃がねじれる病気です。胃のねじれに伴い血管のねじれも生じるため、血流が止まり壊死を招きます。

胃捻転の原因ははっきりと分かっていませんが、胃にガスが溜まる要因には、食後の激しい運動や早食いなどが関係しているのではないかと考えられています。そのため、1回の食事量を少なくして食事回数を増やす、食後は1時間程度休ませるなどを心がけるとよいでしょう

外耳炎

外耳炎とは犬の耳の入り口から鼓膜までの外耳に炎症が起きてしまう病気です。
外耳炎は細菌やアレルギーが引き金となって引き起こされる場合があり、発症した犬は不快感から耳を掻いたり、頭を振ったりします。
夏場に特に発症しやすい傾向があるので、ボルゾイが頭を振る回数が増えたり、耳から異臭が漂ってきたりしたら動物病院へ連れていくようにしましょう。

ウォブラー症候群

ウォブラー症候群とは何らかの原因で首の神経が圧迫されてしまい、全身麻痺に至る恐ろしい病気です。成長期の大型犬に多く、はじめのうちは歩行障害などの症状を発症します。ボルゾイが歩きにくそうにしているを発見したら、まずは動物病院で受診するようにしましょう。

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ボルゾイは優雅で好奇心が強い犬種

茶色の毛のボルゾイが林道の上で立っている

優雅で気品あふれるボルゾイは、落ち着きのある穏やかな性格も魅力の犬です。
ただし、運動不足になると無駄吠えをするようになることもあるので、毎日の散歩はもちろん、時々ドッグランでも思いっきり遊ばせてあげましょう。
子犬のころからしつけを行い、信頼関係を築いてボルゾイと幸せな時間を過ごしてください。

参考文献
  • 公開日:

    2019.06.28

  • 更新日:

    2021.10.08

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ライター・専門家プロフィール
  • ルエス 杏鈴
  • 犬訓練士
  • 大好きなジャーマンシェパードとドタバタな日々。いろいろなことに愛犬と挑戦するのが大好きで、ディスクドッグ、アジリティ、警察犬の訓練など様々なトレーニングに携わった経験がある。 愛犬を迎えたことを機に犬の美しさや犬との生活の魅力を伝えるべく、ドッグフォトグラファーとしての活動開始。また、ドッグトレーニングや犬との生活を活かし、2019年4月頃より愛犬家のために記事の執筆を開始。 写真や記事の執筆を通して犬が犬として幸せに過ごせる世界づくりに携わるのが目標。