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犬種図鑑

2020.02.25

犬と過ごす幸せな時間

ブルドッグの犬種のすべて!誕生の歴史・大きさ・寿命・お手入れや育て方まで

強面でどっしりとした体型が特徴的なブルドッグ。怖そうな外見とは裏腹に犬にも人に対しても温和で優しく、そのギャップが多くの愛犬家を惹きつけています。今回は、そんなブルドッグの誕生の歴史や身体の特徴、性格から見る上手な育て方についてご紹介します。

Author :新井 絵美子/動物ライター

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ブルドッグ誕生の歴史

ブルドッグ

まずは、ブルドッグがどのように誕生したのかその歴史から見ていきましょう。

ブルドッグの祖先犬はイギリスの闘犬

ブルドッグの原産国はイギリスです。祖先は、イギリスで13世紀ごろに行われていた「ブル・ベイティング」と呼ばれる闘技に使われていた犬とされています。

ブル・ベイティングは、鎖でつながれた牛に向かって数匹の犬を放ち、牛を倒した犬の飼い主に賞金が支払われる見世物です。当時ブル・ベイティングは、貴族から庶民まで熱狂していた娯楽でした。より強い犬へとブルドッグの改良が行われながら、ブル・ベイティングは19世紀初頭まで続いていきます。

しかし、動物愛護の観点から残酷な競技性が問題となり、1835年にブル・ベイティングは法律で禁止されました。これに伴いブルドックを繁殖する理由がなくなったため、一時期は絶滅の危機になるほど頭数が減少します。

そこから、一部の愛犬家により、攻撃性やどう猛性を抑えた犬へと改良が行われ、穏やかで優しい現在のブルドックが誕生しました。こうして絶滅の危機を乗り越えてきたブルドッグは、よき家庭犬として今もなお人気があります。

ブルドッグの大きさや被毛の特徴

ブルドッグ

ブルドッグの大きさや体格、被毛の特徴についても理解しておきましょう。

ブルドッグは中型犬に分類される大きさ

ブルドッグの平均体高は31~36cm、体重は23~25kgです。中型犬に属しますが、足が短いことから他の中型犬と比べて体高は低めです。

短い足に対して肩幅がとても広く、ずんぐりとした可愛らしい体型ですが、実は筋肉質で力が強く、がっしりとしています。加えて、頭部から胸にかけて皮膚がたるんでいる点もブルドッグならではの特徴です。

また、ブルドックの大きな魅力といえば、ぺちゃんこな鼻でしわが刻まれた愛嬌のある顔立ちといえるでしょう。ユニークな表情がぶちゃ可愛いと人気を集めています。

ブルドッグは滑らかな被毛と毛並みが特徴

被毛の長さは短く、滑らかな手触りの毛質です。毛色はホワイト、レッド(赤褐色)、フォーン(ゴールドを帯びた茶色)、ファロー(フォーンよりやや黄色を帯びた茶色)などがあります。

また、これらの地色に他の色の差し毛が入ったトラ模様のようなブリンドル、ホワイトにはっきりとした色の班が1~2色入っているパイドと呼ばれる毛色も存在します。

被毛は、皮膚を保護する役割のオーバーコート(上毛)と、体温調整のためのアンダーコート(下毛)が生えているダブルコートです。普段は抜け毛が少ないですが、アンダーコートが生え変わる春と秋は抜け毛が多くなります。

ブルドッグの寿命とかかりやすい病気

ブルドッグ

中型犬の平均寿命は13~14歳ですが、ブルドッグの平均寿命は8~10歳程度で、やや短命といわれています。

かかりやすい病気として注意したいのは、気管虚脱や鼻腔狭窄(びくうきょうさく)などの呼吸器系の疾患です。ブルドッグをはじめとしたマズルが短い短頭種は鼻道が狭く、喉の構造も詰まっているため、呼吸をするときに胸に負担がかかりやすい傾向にあります。

「ガーガー」「グエッ グエッ」などの呼吸音をしているときや、呼吸を苦しそうにしている場合は、呼吸器系の異常が疑われます。症状が深刻化しないよう、早めに診察を受けて対処することが肝心です。

また、歯肉炎にも注意が必要です。通常、歯垢付着予防のためのドライフードやガムを活用してオーラルケアをすることが可能ですが、下の歯が出て受け口になっているブルドッグの場合は、それらをうまく噛むことができないため、歯磨きをしないと特に汚れが溜まりやすくなります。

歯肉炎は歯周病の初期段階で、症状がひどくなると歯周炎になり、歯の痛みやぐらつきが起きます。口内環境が悪化すると、普段の食事をすることもままならない状態になる場合もあるため、子犬のころから歯磨きを習慣化して予防することが大切です。

ブルドッグの性格

ブルドッグ

個体差によって犬の性格はそれぞれ異なりますが、その犬種ならではの性格の特徴は存在します。ブルドッグはどのような性格なのか、具体的に見ていきましょう。

優しく温和でとても穏やか

ブルドッグは飼い主や家族に対して愛情深く、とても甘えん坊な性格です。犬にも人に対しても優しく友好的なので、小さな子どもやお年寄りがいる家庭でも安心して飼えるでしょう。
強面な顔つきですが、自分から攻撃的な態度をとるようなことはほとんどなく、おっとりとした温和な性格の持ち主です。

善良で勇敢だけど、訓練はちょっと苦手?

かつては闘犬だったこともあり、粘り強くやり抜く精神力と勇敢さを持ち合わせています。しかし、納得できないことに対しては動じない頑固さがあるため、トレーニングは少し時間がかかるかもしれません。

ブルドッグの育て方

ブルドッグ

ブルドッグの育てるにあたり、押さえておきたいポイントをまとめました。

環境

ブルドッグは寒さには比較的強いものの、暑さや湿度の高い環境にはとても弱いため、暑さ対策が欠かせません。夏だけでなく春や初秋の気温でもバテ気味になることがあるので、5月ごろから室内の温度に配慮していく必要があります。

いつも以上にハアハアとした荒い呼吸になっていたり、水をたくさん飲んでいたりするようであれば、暑いと感じているサインです。エアコンの温度設定を調整して快適な環境にしてあげましょう。

また、エアコン以外に、体温を下げる効果があるペット用のクールマットなどを活用するのもおすすめです。

運動

運動が苦手なので、15分程度の散歩を1日2回するぐらいで大丈夫です。先述の通り暑さに弱いので、気温が高い季節は朝や夕方に散歩に連れて行きましょう。そして、散歩時はゆっくりと歩いてあげてください。走ったりなどの激しい運動を取り入れる必要はありません。

なお、夏場は猛暑により朝晩でも気温が高いため、愛犬の体調に応じて散歩の時間を短くしたり、回数を減らしたりするなどして、体に負担がかからないように配慮してあげましょう。あまりにも暑い日は散歩を控えても問題ありません。

しつけ

ブルドッグは頑固な性格にプラスし、状況を判断する能力に長けていないため、しつけを覚えるまでに時間がかかる可能性があります。しかし、飼い主には従順なので、根気よくトレーニングをしていけば、しっかりと覚えてくれるはずです。

しつけは、一貫した態度で行うことがポイントです。やってはいけないことをしたときに注意するときもあれば、そうでないときもあると「やってはいけないこと」と「飼い主の指示」の関連性が理解できず、犬は覚えられません。

してほしくないことをしたらその場で必ず注意し、指示に従うことができたら、大げさなくらいに褒めることをひたすら繰り返していきましょう。そうすることで「飼い主の指示に従えばよいことがある」と認識し、飼い主の指示を理解できるようになっていきます。

ケア

顔のしわの間や、頭部から胸にかけてたるんでいる皮膚のしわの間に汚れや皮脂が溜まりやすいので、定期的に濡れタオルでしわの間を拭いてきれいにしてあげましょう。ケアを怠ると皮膚のトラブルが起きやすくなるので注意が必要です。

また、ブラッシングも欠かせません。通常は週に2回程度、換毛期の春と秋はほぼ毎日ブラッシングをして抜け毛を取り除いてください。抜け毛を取り除くと被毛の通気性がよくなるため、体内の熱を放出しやすくなります。

ブラシは、ゴムやシリコン製のラバーブラシを使いましょう。抜け毛を取るためブラシとしてスリッカーブラシもありますが、スリッカーブラシは長毛種に適したタイプのものなので、短毛のブルドッグには向いていません。

ラバーブラシで抜け毛を取り除いた後、獣毛ブラシで全体をとかしてあげると、被毛が艶やかになります。

ブルドッグと過ごす幸せな時間

ブルドッグ

怖そうな見た目に反して、温厚でおっとりとしているブルドッグは、犬を飼うことが初めての人でも、よきパートナー関係を築いていきやすい犬種です。しつけにやや手こずるかもしれませんが、飼い主には忠実なので、根気よく続けていけばしっかりと覚えてくれるでしょう。
日頃のケアやブルドッグに適した環境作りを心がけ、安心・安全に暮らせるようにしてあげてください。

◎ライタープロフィール
新井 絵美子 動物ライター

新井 絵美子/動物ライター

2017年よりフリーランスライターとして、犬や動物関連の記事を中心に執筆活動をおこなう。
過去に、マルチーズと一緒に暮らしていた経験をもとに、犬との生活の魅力や育て方のコツなどを、わかりやすくお伝えします。

  • 公開日:

    2019.06.25

  • 更新日:

    2020.02.25

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