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2019.06.20

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犬と過ごす幸せな時間

絶滅危惧される犬種?和犬『紀州犬』のルーツに迫る

日本の天然記念物にも指定されている紀州犬は、素朴な中にも気品を感じさせる歴史ある犬種です。しかし、天然記念物でありながら、危険犬種にしている自治体もあるそうです。また、絶滅を危惧されているという噂も。一体なぜなのでしょうか?ここでは、そんな紀州犬の歴史から基本的な飼い方までまとめてご紹介します。

#Lifestyle

Author :docdog編集部

最初に知っておきたい紀州犬のこと

紀州犬

紀州犬は、柴犬・北海道犬・秋田犬・甲斐犬・四国犬と同様に日本の天然記念物に指定されています。紀州犬と聞くと、一部地自治体では危険犬種として指定されているところもあり、怖いというイメージを抱いている方も多いかもしれません。しかし、実際は日本犬ならではの飼い主を守ろうという忠誠心を持った従順な犬なのです。

ここでは、最初に知っておきたい紀州犬の歴史や特徴を紹介していきます。

紀州犬の歴史

紀州犬の祖先は、紀元前からいた中型犬です。ちなみに、現在の和歌山県や三重県にあたる紀州地方の山岳地帯で飼育されていた犬が、イノシシの猟に使用するために品種改良されて生まれた犬種が紀州犬と言われています。

その後1934年、国の天然記念物に指定されましたが、現在では他の日本犬に比べると飼育頭数も少なく絶滅の危険性もあるほど希少な犬種となりました。紀州犬の血統書の2017年発行部数は約372頭であり、約20年前と比べると約4分の1にまで減少しています。その背景には、飼育者の高齢化や住環境の変化などが挙げられています。

ちなみに、当時は飼育する地方ごとに呼び名が異なり【那智犬】【熊野犬】【太地犬】【奥吉野】などと呼ばれていましたが、日本犬保存会に紀州犬として登録されてからは、これすべてを紀州犬と呼ぶようになりました。

紀州犬の特徴

紀州犬は、素朴な中にも気品さを感じさせる清々しい犬ですが、イノシシを捕まえるために活躍していた犬種ということもあり、気性が荒い部分を持ちます。それゆえに危険犬種と制定している自治体があるようです

ただし、基本的には賢くて理解力が高く、飼い主に対して従順な日本犬らしい特徴を兼ね揃えているのです。

また、日本犬らしくピンと立った三角の耳とフサフサの巻き尻尾をしています。

体型、体質

紀州犬の平均体型は以下の通りです。
オス:体高 49cm~55cm 体重 15kg~20kg前後
メス:体高 46cm~52cm 体重 15kg~20kg前後
中型犬に分類される紀州犬は、イノシシ猟で活躍していたということもあり頑健な骨格と引き締まった筋肉をしており、均整のとれた体型をしています。

毛色、被毛、抜け毛

イノシシと間違えて撃ち落としてしまわないために、白色を積極的に繁殖していたこともあり、現在では白がスタンダードとなっています。ただし、被毛の95%が白で、他の色が残りの5%を占めているため、真っ白ではないことが多いです。

また、被毛は日本犬の特徴であるダブルコートのため、換毛期になると抜け毛が目立つため、被毛のケアが必要になります。

寿命、かかりやすい病気

紀州犬の平均寿命は、14歳前後と言われており、一般的な中型犬に比べると健康な犬種と言えます。
ただし、あくまで平均寿命になるので、紀州犬の特徴や性格を考慮した環境下で飼育をすることで、健康寿命が延ばせるかもしれません。

紀州犬は、代謝が悪くなることで脱毛・肥満・脱力とった症状が出る甲状腺機能低下症や、眼科疾患である白内障や緑内障に注意が必要です。

また、先天性疾患である心室中隔欠損症という病気を持った子が産れてくることあります。この病気は、治癒することが難しく、病気とうまく付き合っていく必要があるため、何か違う行動が見られたら早めに検査を受けるようにしましょう。

紀州犬の性格

紀州犬

紀州犬は怖いというイメージを抱いている方が多いですが、実際のところはそうとも限らず、魅力に溢れています。それでは、一体どんな性格をしているのでしょうか。ここでは、紀州犬の魅力あふれる性格を紹介していきます。

飼い主に対して従順で愛情深い性格

紀州犬は、日本犬らしく、飼い主に対して忠実で、愛情深い温和な性格をしています。そのため、他の日本犬同様に、猟犬としても飼い犬としても多くの人に愛されています。

また、従順な性格ゆえに飼い主に危険が迫った時などは身を挺して飼い主を守ろうとします。

警戒心が強く攻撃的な一面も

一方で、過去に紀州犬が飼い主を噛むという事件があった程、警戒心が強く攻撃的な一面も持っています。

誰に対しても愛想がいいわけではなく、子犬期の頃からの信頼関係が大切と言われているため、心の片隅にはいつも警戒心を持っているのです。

紀州犬の育て方

紀州犬

紀州犬は、ペットショップで見かけることはまずありません。そのため、紀州犬を飼いたいと思った場合は、ブリーダーや日本犬保存会に問い合わせてみる必要があります。

値段は、10~15万円が相場とされており、血統や子犬期からの飼育環境が後の性格に影響をしてくるため、必ず信頼できるところから購入をしましょう。

また、自治体によっては、危険犬種に指定されているため、檻のある犬舎の中での飼育や玄関先に【特定犬】と記載された表札の提示などが義務付けられています。飼育前に必ず自治体に確認をしましょう。

環境

室内飼育ができないわけではありませんが、自治体によっては檻のある犬舎での飼育が義務付けられているため、外飼いが望ましいのかもしれません。
そのため、まずはお住いの自治体に確認をしましょう。

運動

イノシシを追いかけていたという歴史を持つことから、他の日本犬に比べ体力があり運動することが大好きです。運動不足によるストレスは、時に攻撃的になる要因にもなり兼ねないので、毎日2回・各1時間程の散歩をしましょう。

しつけ

子犬期からのしつけは必要不可欠です。飼い主に対して忠誠心を持つので、飼い主は必ずリーダーとなり感情をコントロールできるようになりましょう。

また、紀州犬に限らず日本犬のしつけに失敗すると攻撃的になりがちです。人や犬に噛みついたという話を聞くこともありますが、犬が悪いのではなく飼い主のしつけに問題があることも多いです。

ご自身でのしつけに自信がなければ、ドッグトレーナーに依頼するという方法もあります。うまくいかない場合は、ドッグトレーナーと共にしつけをしましょう。うまくいかないからといって、決してしつけを投げ出さないことが大切です。

ケア

日頃から、週に2~3回程度、ブラッシングをして被毛のもつれを解いてあげましょう。他の犬種と違い、毎月シャンプーをする必要はないので、換毛期の時期に合わせて最低でも年に2回は行いましょう。

その他の時期は、汚れが気になる部分を、暖かい濡れタオルで拭いてあげるだけで充分です。

紀州犬と過ごす幸せな時間

紀州犬

いかがでしたでしょうか。
紀州犬は怖いというイメージでしたが、実際にはしつけが大きく関わっているため、きちんとしつけをすれば、愛情深い温厚な性格に育ってくれるのです。 ただし、しつけが難しく力も強いので、犬を飼うのが初めての方・女性一人・高齢の方が飼うのはあまり適していません。

気になる方は、一度飼育者のブログを覗いてみたり、実際にブリーダーや日本犬犬保存会に問い合わせや見学などに行き、じっくりと考えてから購入をしましょう。できれば、何度も足を運んだ方が良いです。

なぜなら、安易な気持ちで購入したものの飼育困難になり里親に出されるというケースもあるからです。実際に、紀州犬や紀州犬に似た雑種などが里親に出されていることもあります。もちろん、里親でお迎えをするという方法もありますが、紀州犬の場合は犬の飼育に慣れている方がお迎えすることをおすすめします。

ただし、そうは言っても愛情深い日本犬です。しつけがしっかりしていれば良い家族のパートナーになってくれます。まずは、カッコいいからと言って「買う」ことだけを考えるのではなく、「飼ってから」のこと考えましょう。

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