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犬種図鑑

2020.03.05

犬と過ごす幸せな時間

コモンドールってどんな犬種?特徴的な被毛になった背景・性格などの基本まとめ|犬種図鑑

コモンドールは、その特徴的な風貌から知る人ぞ知る犬種となり、アメリカのミュージシャンであるベック・ハンセン(Beck Hansen)のアルバム『ODELAY』のジャケットにも登場しています。一方で飼育環境や被毛のケアなど、初心者にとっては育てるのが大変困難な犬種でもあります。まずはコモンドールが特徴的なドレッドスタイルになった歴史的な背景を見ていくことで、徐々に犬種の特徴・性格・育て方のコツなどの理解を深めていきましょう。

Author :docdog編集部

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最初に知っておきたいコモンドールの歴史

コモンドール

コモンドールは、ハンガリー原産の犬種で、英語で「Komondor」・ハンガリー語でも「Komondor」と表記します。その特徴・性格から育てる上では他の犬種と同様に注意すべき点が多くありますが、まずは特徴的な被毛に持つことにも繋がった歴史的な背景を追ってみましょう。

遊牧民族と共に西へ西へ

コモンドールの歴史を語る上では、10世紀頃にまで遡る必要があります。当時、カザフスタン・ウズベキスタンなどの中央アジア地域で家畜を追って生活していたトルコ語を話す遊牧民族であるクマン人(古代マジャール人とも言われます)たちは、コモンドールの祖先と共に暮らしを送っていましたが、モンゴル人たちの勢力拡大によって徐々に西へと移動を続けることになりました。そして、その移動の度に、コモンドールの祖先たちはその土地にいた牧羊犬たちと交雑を繰り返しながら、少しずつ姿形を変え、500年以上もの間、牧羊犬としてクマン人のもとで活躍をしてきたと言い伝えられています。

山脈に定住、身体を守るため逞しい被毛へ

移動を続け、ついに11世紀頃にはハンガリー国境にまでたどり着いたクマン人たちは、13世紀にはチェコ・スロバキア・ルーマニアにまたがるカルパチア山脈エリアに定住するようになりました。そして、山脈な過酷な気候や羊たちを襲う獣から身体を守れるようにと、選択繁殖を繰り返し、その被毛が分厚く固くなるようにと進化を目指していきました。また、体格に関しても羊の群れに紛れ込ませることを目的に、その土地で飼育されていた「ラッカ羊」に似せたと考えられており、15世紀頃には現在の風貌に近い形となったとされています。

優秀なガーディアン・ドッグであり国宝

コモンドールは牧羊犬の数ある仕事の中でも羊を追うのではなく警護を任されていたことから、都市や郊外で番犬としても重宝されるようになり、1937年にアメリカンケネルクラブ(AKC)によって公認されています。そして2004年にはハンガリーで国宝として指定される等、ヨーロッパで多くの愛好家たちに愛される犬種となっていきます。

日本においては、2006年に1度だけジャパンケネルクラブの発表する犬籍登録頭数でその名をつらねていますが、その後は登録が見られない大変珍しい犬種となっています。

コモンドールの名前の由来

コモンドール

コモンドールという犬種名は、共に生活をしてきた遊牧民族クマン人の犬(Komon-dor)という言葉に由来するという説や、牧羊犬のリーダーであるという意味のハンガリー語「コマンダー」という説がありますが、いずれもはっきりしたことは分かっていません。ただ、コモンドールという名前は、1544年に書かれたハンガリーの書物で登場しています。

コモンドールの外見的特徴・見た目・大きさ

コモンドール

コモンドールの大きな特徴は、やはり“モップ犬”と呼ばれる理由にもなっているドレッドヘアのような被毛ですよね。体の大きさ・被毛の特徴などを見ていきます。

コモンドールの体重・体型・体質

コモンドールは被毛に覆われてほとんど顔が見えない状態ですが、マズルは短く、アーモンド型の目をしており、耳は細長い三角形をしています。

体高はオスで70cm以上、メスで65cm以上と大型犬の分類で、尻尾が長くがっちりとした体格をしています。 大きな頭を支えるために首周りも太めなのが特徴で、体重はオスで50~60kg、メスで40~50kgほどになっています。

コモンドールの毛色・被毛タイプ・抜け毛

コモンドールの被毛は二重構造で、羊のような柔らかい毛(アンダーコート)とフェルトのような粗い毛(オーバーコート)が縄状のようにもつれて「コード」とよばれる毛束になります。そのため、毛が抜けても他の毛と束になっているため、抜けていることに気付かないことがほとんどです。

子犬の頃はカールした被毛ですが、2~5年の年月をかけてその外貌を完成させます。カラーはアイボリー1色のみで、モップのような毛質から汚れやホコリなどにより汚れやすいので注意が必要です。なお、水を含むと乾くのに時間がかかるため、海やプールなどの水遊びは不向きと言えます。

コモンドールとプーリーの違い

コモンドールとよく似た外見的特徴を持つ、プーリーという中型の犬種がいます。実は犬種としての歴史はほとんど同じで、クマン人がハンガリーに持ち込んだと言われていますが、個体の大きさや毛色によってコモンドールと区別されていた可能性があります。

コモンドールとプーリーの大きな違いは、まず身体の大きさです。コモンドールは羊などをオオカミなどの害獣から警護し、守る役目をしていたことに対し、少し身体の小さい中型犬のプーリーは羊を追い、統率する役目を担っていたと伝えられています。また、プーリーは白い羊を追っていて逆に目立つように黒い毛のコが重宝されていたと言われており、現在も黒毛のコが多くなっています。

コモンドールの寿命・かかりやすい病気

コモンドール

コモンドールの寿命は、およそ10~12歳と言われています。

特徴的な被毛によって、お手入れが大変難しいため、皮膚疾患が多く発症します。また、頭の毛が伸びると目に入り眼疾患を引き起こしたり、垂れ耳で耳の中が蒸れる事により外耳炎などを引き起こす場合もあります。

コモンドールの性格

コモンドールは、牧羊犬として生活していたため仕事熱心であり、物静かで優しい性格をしています。 一方でリーダー気質があるためか、警戒心が強く攻撃的な一面もあります。もちろん性格は個体により千差万別ですが、トラブルを引き起こさないためにも犬の性格の傾向を理解しておきましょう。

物静かで優しい性格

コモンドールは通常、物静かで優しい性格をしています。 牧羊犬として羊などの家畜を管理していたため、飼い主に忠実な犬でもあります。 しかし支配的な面があるため、飼い主と認めてもらうのが大変で、初心者には不向きな犬種と言われています。

警戒心が強く攻撃的な一面も

番犬とて活躍していたため、警戒心が強く、向かってくる人や動物に対し攻撃的になる面もあります。 攻撃力が高く、少し目を離しただけで相手に大怪我を負わせてしまう可能性がありますので、愛犬の行動には注視しておく必要があります。

また、トラブルを引き起こさないためにも、飼い主がリーダーという上下関係をしっかり築き、コントロールできるようにしつけを行なう必要があります。

コモンドールの基本的な育て方

コモンドールを飼育する際には、環境や運動、しつけ、ケアなど様々な点を網羅しておく必要があります。 ちょっとした不満でもストレスが溜まり反抗的になったり、問題行動を起こしやすくなりますので、快適な生活環境を提供できるように心がける必要があります。

環境|高温多湿は苦手。涼しさをキープ

コモンドールはハンガリーの山間で生活していた犬種ですので、非常に寒い環境に耐えれる毛質をしています。逆に日本の高温多湿の気候は、コモンドールにとって不向きな環境となりますので、日本での飼育を検討する場合は、しっかりと対策を取る必要があります。室内での飼育は当然のことで、室温を22度以下に保つことが求められます。

運動|牧羊犬ゆえ運動量は多め

コモンドールは大型の牧羊犬ですので、運動量は多く必要で、毎日の散歩は1日2回、1回1時間程度が目安といわれています。

活発ですので、ドッグランや公園など適度に動き回る事のできるスペースで自由に運動するのも大切です。 運動不足はストレスに直結しやすいですので、しっかり運動の時間を取り入れる必要があります。

しつけ|飼い主さんがリーダーになれるように

コモンドールはリーダー気質のある犬種ですので、相手を支配しようとする性質があります。 上下関係を上手く築けないと飼い主をリーダーと認めてくれない場合があり、指示に従ってもらえません。

賢い犬種ですので、子犬の頃からメリハリのあるコミュニケーションを心がけ、主従関係を築いていく必要があります。運動量の多い犬種ですので、ドッグスポーツなどの運動を利用してしつけを行うのも一つの手段かもしれませんね。

ケア|手指を使ってやさしくケア

コモンドールの被毛のケアは、一般的な犬と違い。ブラシやコームでのケアができません。 日頃のケア方法としては、指でブラッシングするように無駄毛などを取り除きます。

コードがもつれていたら直し、汚れた毛などはカットして清潔な被毛を保つようにします。シャンプーは乾燥までを含めると丸一日かかるといわれており、犬への負担からも臭いや汚れがひどくない限り数ヶ月に1回~1年に1回程度で十分と言われています。

コモンドールと過ごす幸せな時間

コモンドールは日本の高温多湿の環境は負担が大きく、飼育をする際には22度以下の室内で飼育することが求められます。また、しつけも愛玩犬として可愛がるだけでなく、上下関係をしっかり築きコントロールできることが重要になります。 独特な被毛ゆえケアが難しいため、愛情をもって生涯育てられるのかをよーく考えてから迎える必要があります。

不適切な飼育環境は愛犬のストレスになったり、病気を引き起こしたりしますので、幸せな時間を過ごすためにも 必ず事前に検討するようにしてくださいね。

  • 公開日:

    2019.05.09

  • 更新日:

    2020.03.05

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