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犬種図鑑

2020.10.19

犬と過ごす幸せな時間

アメリカンコッカースパニエルってどんな犬種?歴史から学ぶ特徴・性格など|犬種図鑑

ディズニー映画『わんわん物語』で有名になった「アメリカンコッカースパニエル」。とにかく明るくて元気な性格に加え、長い耳を揺らしながら歩く姿は誰もが虜になってしまうはず。ですが、実際のところはどんな犬種なのでしょうか?今回はアメリカンコッカースパニエルの歴史から、犬種の特徴・性格・上手な育て方などをご紹介していきます。

#アメリカンコッカースパニエル

Author :docdog編集部

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アメリカンコッカースパニエルの歴史

アメリカンコッカースパニエルの歴史

まずは、アメリカンコッカースパニエルを語る上で欠かせない犬種の成り立ち・歴史からご紹介していきます。

イギリスからアメリカへ渡り進化

アメリカンコッカースパニエルは、その名前の通り、アメリカが原産の犬種です。先祖はイングリッシュコッカースパニエルという犬種で、1620年にメイフラワー号という船に乗って最初の移民がイギリスからアメリカに向かった際、連れていた2頭のうちの1頭がイングリッシュコッカースパニエルだったと言われています。

そして、その後もイギリスからの移民が同犬種を連れてアメリカに渡りましたが、その中には猟犬としてではなく、愛玩犬として親しまれていた小柄で頭部が丸く、マズルが短い“マールボロー系”と呼ばれるスパニエルが含まれており、そのコたちが土台となって、アメリカ国内で独自の進化を遂げたことにより、アメリカンコッカースパニエルが誕生していきました。

歴史は古く、犬種名は意外な鳥の名前から

アメリカンコッカースパニエル、イングリッシュコッカースパニエル、キングチャールズスパニエルキャバリアキングチャールズスパニエルなど、犬種名の末尾に“スパニエル”という名前が付く犬の歴史は古く、14世紀にはスパニエル系の祖先と思われる犬の存在が確認されています。

“スパニエル”は、スペインを指す中世英語で、スペインを意味する土地で生まれたという意味を持っており、スペインからヨーロッパ各国に亘り、進化を遂げた結果、さまざまなスパニエル種が誕生しています。ちなみに“コッカー”は、ヤマシギというハトくらいの大きさの鳥のことを意味しています。ヤマシギ:英語でwoodcock(ウッドコック)と言います。

イギリス・フランスなどでヤマシギは、ジビエ料理としても大変人気が高く、これらを狩猟する際に犬たちが活躍をしてくれていたことが犬種名に由来しています。

アメリカで一躍人気になった華やかな風貌

アメリカ国内で愛玩犬として交配が続けられた結果、アメリカンコッカースパニエルは、徐々にイングリッシュコッカースパニエルとは異なる顔立ち・被毛タイプ(特に飾り毛)へと進化を遂げていきました。そして18世紀後半以降には、アメリカの華やかなドッグショーで活躍をする犬種となりました。

しかし、ドッグショーが開催された1870年代~1945年もの間、アメリカンコッカースパニエルは、イングリッシュコッカースパニエルと同じ犬種としてみなされ審査をされていました。そして1946年、ようやくアメリカンケネルクラブ(AKC)で、イングリッシュコッカースパニエルとアメリカンコッカースパニエルは別の犬種であると宣言がされたという経緯があります。

その後、ディズニー映画『わんわん物語』で主人公となり、世界中で人気を博しました。日本では1960年代後半から人気犬種となり、現在でも犬籍登録頭数で30位以内に入るほどのファンが多い犬種です。

アメリカンコッカースパニエルの特徴・見た目・大きさ

アメリカンコッカースパニエルの特徴

つづいて、アメリカンコッカースパニエルの体格や毛色などの外見的特徴をご紹介します。

アメリカンコッカースパニエルの体重・体型・体質

アメリカンコッカースパニエルは中型犬に属してはいますが、その中でも小柄な犬種です。愛玩犬として人気がありますが、祖先は鳥猟犬なので、小柄ながらも筋肉はがっしりとしています。運動神経もよく、活発に遊ぶのが好きです。体質は、食いしん坊で太りやすい傾向があります。肥満体にならないよう注意が必要ですね。なお、体高・体重の目安は下記の通りです。

●体高:

・オス:36.8~39.4cm

・メス:34.3~36.8cm

●体重:

・7~14kg

アメリカンコッカースパニエルの毛色・被毛タイプ・抜け毛

●毛色

アメリカンコッカースパニエルの毛色は主に3色に分類されます。「ブラックバラエティ」「単色(アスコブ)」「パーティーカラー」の3種類です。

「ブラックバラエティ」とは、ブラックの単色やタンポイントのあるブラックのことをいい、胸や喉にホワイトが入ることもありますが、少々であればブラックバラエティと呼ばれます。

「単色(アスコブ」)は、ブラック以外の単色の毛色のことを言います。クリームやブラウン、セーブルなどがあり、これもホワイトが胸や喉にあっても許容されています。

「パーティーカラー」はホワイトを含む2色以上で構成される毛色のことです。ブラック&ホワイトやレッド&ホワイト、ブラウン&ホワイト、トライカラー、地の色と白が混在したローンなど、いくつか組み合わせがあります。

主に上記のように3種類の毛色に分類されていますが、様々な色の組み合わせがあるので、毛色のバリエーションは豊富な犬種と言えます。

●被毛タイプ・抜け毛

アメリカンコッカースパニエルの最大の特徴と言っても過言ではないのは、絹のように美しい長毛の被毛で、何よりも耳の飾り毛が印象的ですよね。ダブルコートのため換毛期には抜け毛が増えます。また、毛の量が多くウェービーがかった細い毛質は絡まりやすいため、ブラッシング・コーミングなど日々のお手入れが必要になります。

イングリッシュコッカースパニエルとの違い・見分け方

元を辿ればルーツが同じイングリッシュコッカースパニエルとアメリカンコッカースパニエルは、身体の大きさ・顔つきが異なります。身体はイングリッシュコッカースパニエルの方が少し大きめで、アメリカンコッカースパニエルの方が鼻先が短く、丸っこい顔つきをしています。

アメリカンコッカースパニエルの寿命・かかりやすい病気

アメリカンコッカースパニエルの寿命

アメリカンコッカースパニエルの平均的な寿命は、12~15歳です。中型の犬種の平均寿命は10~14歳と言われているので、中型の犬種の中ではやや寿命が長い方と言えます。また、かかりやすい病気としては、眼・耳・関節の病気が挙げられます。

①耳の病気|外耳炎

垂れ耳の犬種の場合、耳の中が蒸れやすく、外耳炎になるリスクが高まります。耳を痒そうにしていたり、汁が出る症状が出れば早めに病院に行くようにしましょう。

②眼の病気|白内障や緑内障

眼の病気では白内障や緑内障、チェリーアイになりやすい傾向があります。若いうちに発症した場合には、10歳前後で失明してしまうこともありますので、日頃から動物病院で定期的な検診を行なうようにしましょう。

③皮膚の病気|脂漏症

アメリカンコッカースパニエルは、他の犬種に比べると「脂漏症」という病気がよく見られます。角質が過剰に剥がれ落ちて、べた付いたフケが発生する病気で、その結果カビも増殖しやすくなってしまうため、マラセチア皮膚炎にもなりやすいことが分かっています。

アメリカンコッカースパニエルの性格

アメリカンコッカースパニエルの性格

それでは、アメリカンコッカースパニエルはどのような性格をしているのでしょうか?1つずつ傾向を紹介していきます。

明るくて元気いっぱい

アメリカンコッカースパニエルは、とても活発です。陽気で遊び好きなので、子供と遊ぶのも大好き。飼い主の期待に応えるために懸命に頑張る性格でもあります。明るく感受性豊かな性格なので、アメリカでは「メリー・コッカー(陽気なヤマギシ)」とも呼ばれているそうです。

人懐っこくって甘えん坊

アメリカンコッカースパニエルは、人懐っこく、人見知りをほとんどしない性格なので、飼い主に限らず、子供や高齢者のいる家庭でも安心して飼うことができます。

一方、人懐っこさの反面、寂しがり屋な一面もあります。長い時間の留守番をしていると、精神的に弱くなってしまうことがあるので注意が必要です。甘えん坊なのでたっぷりとコミュニケーションをとってあげましょう。

アメリカンコッカースパニエルの育て方

アメリカンコッカースパニエルの育て方

アメリカンコッカースパニエルはどのような育て方が必要なのでしょうか?ここからは飼育環境や運動・しつけ・ケアのコツについて紹介します。

環境

アメリカンコッカースパニルは中型犬ですが、室内飼いに適しています。寂しがり屋なので、家族に囲まれて過ごす環境が向いています。

ただ、室内温度には気を配る必要があります。アメリカンコッカースパニエルはダブルコートの密集した被毛があるので、暑さが苦手な犬種となります。そのため、室温は23~25℃ほどを維持するようにしましょう。室内でも熱中症になる危険性があるので、室温には気をつける必要があります。

また、暑さだけでなく寒さも苦手です。冬の室温は26~28℃ほどが良く、湿度は50~60%ほどを目指しましょう。暖房により部屋が乾燥したら、ウイルスが蔓延しやすくなり、被毛が乾燥してしまうことがあるので、温度だけでなく湿度の調整にも気を配りましょう。

運動

アメリカンコッカースパニエルは運動が好きな犬種です。そのため毎日のお散歩は、朝晩1日2回、30分程度の散歩を心掛けるといいでしょう。

散歩以外にも、ボール投げの遊びや定期的にドッグランなどで走らせてあげることも運動不足防止になります。もともと鳥猟犬であるので、スタミナがあり、トレーニング要素の高い運動を取り入れることで楽しい時間を過ごせます。

ただ暑いのは苦手なので、夏場のお散歩は夕方の涼しい時間帯に行くようにしましょう。体力はありますが、異変を感じたらすぐにクールダウンさせることも大切です。

しつけ

アメリカンコッカースパニエルは、学習能力が高いと言われていて、基本的にしつけやすい犬種です。ただ、賢いがゆえに、何度も叱られたりトラウマができてしまうと、恐怖心が勝り、なかなか前に進むことができなくなることがあります。

そのため、基本的に褒めてしつけることが大切です。陽気な性格をしているので、たくさん褒めてあげるとテンションが上がります。テンションが上がりすぎると注意力が散漫になるので、トレーニングを行う際は、犬のテンションが上がりすぎていないか、様子を見ながら行いましょう。

トイレのしつけでは、興奮してたり緊張しているときは、もらしてしまうことがあります。必要であればトイレのサイズを大きくする工夫も必要です。 陽気で遊び好きな性格をしているからこそ、子犬の頃からしつけがとても大切です。

甘やかしてばかりだと、飼い主との立場が逆転しわがままになることがあります。子犬の時から、メリハリのあるしつけや訓練をしっかり行いましょう。

ケア

アメリカンコッカースパニエルは、アメリカンコッカースパニエルと言えば、足元に向かって被毛のボリュームが広がるスタイルが思い浮かびますが、このコッカースタイルをキープしたいなら、毎月のトリミングが必須になります。手入れを行わないと皮膚病にもつながるので、月1回ペースでトリミングに行くようにしましょう。

背中だけを短く刈り、残りは長くそろえるスタイルが多く見られますが、その場合は自宅でのブラッシングに手間がかかるため、全身を短めに刈り、ブラッシングの手間を省く飼い主さんもいらっしゃいます。

全身を刈った場合でも耳の毛を長く残している場合でも、耳の毛のブラッシングは大切です。上述の通り、アメリカンコッカースパニエルは、耳の皮膚が元々厚いので、通気が悪く、耳の疾患になりやくなっています。食事のときも耳の保護をしなければ、耳の先が食事で汚れてしまい、首や顔などに皮膚炎が起こる原因にも繋がりますので、食事中はヘアバンドを巻くなどの工夫をするといいでしょう。

アメリカンコッカースパニエルは皮脂が非常に多く分泌される犬種で、トリミングだけでなくシャンプーも頻繁に行う必要があります。2週間に1回の目安でシャンプーをしてあげるのが良い頻度と言えます。自宅でシャンプーをする場合は、しっかりと皮膚を揉み込んで洗うようにしましょう。

さらに終わったあとは、必ず全身を乾燥させることが大切。自然乾燥だと、雑菌が繁殖したり皮脂も多く出てしまい、炎症を起こす可能性があるため、ドライヤーでしっかり乾かすようにしましょう。自宅でのケアが大変であれば、お金をかけてでもトリミングサロンなどに連れていくことがおすすめです。

アメリカンコッカースパニエルと過ごす幸せな時間

アメリカンコッカースパニエルの魅力

今回の記事ではアメリカンコッカースパニエルについて紹介しました。アメリカンコッカースパニエルと一緒に暮らしていくためには、性格やしつけなど、何が好きで、何が苦手なのか、少しでも知っておきたいですよね。陽気で愛想も良いので、つい甘やかしてしまいそうですが、犬のためにもしっかりとしつけをすることが大切です。寂しがり屋でもあるので、長い時間ひとりぼっちにさせないようにしましょう。

可愛らしく、フレンドリーなアメリカンコッカースパニエルが家族の一員になるだけで、毎日幸せな時間を過ごすことができるでしょう。よりよい関係を維持していくためにも、正しい知識をもって接していきましょう。

  • 公開日:

    2019.04.17

  • 更新日:

    2020.10.19

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