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2018.08.01

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夏だ!海だ!海水浴だ! でも、ちょっと待って……

犬と海水浴! 行く前の心得と下調べポイント

今年はとくに猛暑。こんなに暑いと、海にでも行って暑気払いしたいよねーっ! そしてせっかくの夏休みに、犬をおうちに留守番はさせたくないなぁと思う飼い主さんの気持ちもわかる。でも、果たして犬を海水浴に連れていってもいいのか? 何をどう準備すればいいのか? ポイントを伝授します!

#Activity / #Lifestyle

Author :写真=大浦真吾、白石かえ、docdog編集部 文=白石かえ

犬目線で、その時、そのタイミングの同伴海水浴がハッピーかどうかを検討

 連れて行きたいなーと思う前に、まず、犬側の目線で、海水浴に同伴することが犬にとっていいことなのか、負担はないのか、じっくり考えてみよう。

☆【プラス面】泳ぐのが好き♪ 水遊びが好き♪ それが最初の判断基準

泳ぐのが好きな犬、水は怖くなくて波打ち際で遊べる犬、海水は浮力が大きいからか浮いているのが気持ちいいという犬(うちの先代のコーギーは、泳ぐのは好きではなかったけれど、四肢の骨関節が悪かったせいか、お風呂に浸かるように海に入るのは好きだった。足にかかる荷重が減るから漂う感じが気持ちよかったのかもしれない。ずっと波打ち際にプカプカ浮いて、ニコニコしていた)など、総じて海に入ることが好きな犬であれば、犬の精神的には、家族と一緒に海水浴に連れて行ってもらうことはハッピーなお出かけだといえる。水に入ることができれば、体が濡れるので、気化熱で体温は下がることになり、熱中症になる危険も減る。

☆【プラス面】海遊びは、筋肉づくり、肥満対策にもよい

海で泳ぐことは、ハイドロセラピー(水を使った治療法)のひとつでもある。水の浮力があるため骨関節に負担が少なく、水の負荷により効果的に筋肉をつける運動法となる。よってリハビリや肥満のコの運動にも適している(ただし、リハビリや肥満治療などはプロの指導を受けて行おう。水の負荷が反対に骨関節や心臓にダメージを与えてしまうこともある。素人には加減が難しい)。

また海に入ることは、江戸時代には、ニンゲンの場合「潮湯治」とも呼ばれ、庶民の間の民間療法だったそうだ。皮膚病、神経痛、老廃物のデトックスなどの効果が期待されていたという。塩泉の温泉と似たような効能があったのかもしれない。けれども、反対に海に入ったあとは、海水をちゃんと真水で洗い流さないと、犬でも皮膚炎になるので注意。

そのほかハイドロセラピーではないけれど、かつてショードッグのハンドラーに聞いたことがあるのだが、砂浜を走ることは、筋肉増強にいいそうだ(ニンゲンと同じだね)。砂に足をとられて走りにくい分、鍛えられるのだろう。ビーチランニングは、健全な筋肉や腱をつくるのによい運動場である。しかし、それだけ負荷が高い地面なので、すでに足腰に異常のあるコには負担が大きすぎる。健全な足腰のある犬以外の犬(成長期の子犬、骨関節に持病のある犬、リハビリ中の犬、関節炎が始まっているかもしれない老犬など)はよけい足を痛める危険があるので、無理はさせないでほしい。

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★【マイナス面】ビーチは暑い、砂は熱い。それでも連れて行って犬はしんどくないのか?

だけどビーチは木陰がないところも多く、直射日光ガンガン。ビーチパラソルやサンシェード、タープなどを設置して日陰を作っても、周囲の照り返しが熱く、風が吹いても熱風が来るばかりという最悪のコンディションのこともある。泳ぐことが好きな犬ならば、水に入れば体を冷やすことができるが、水が怖い犬にとっては暑いばかりでいいことがない。熱中症になる危険性が非常に高い過酷な遊び場であることを認識しよう。もちろん焼けた砂はアチアチの高温になっている。ニンゲンも裸足で歩けなくて、飛び上がるくらい熱い思いをした人もいると思う。犬の肉球が火傷する危険性も高い。犬も靴がないと熱すぎる。

★【マイナス面】年齢、体力、暑さへの抵抗力はどうか?

水遊びが好きな犬なら、飼い主と一緒に海で過ごす時間は幸せだ。しかし、愛犬の年齢、体調などにより、心は行く気満々でも、体がついていかないこともある。若くて元気で体力ある犬なら、一緒に連れていくのは大丈夫だろうが、海辺は暑さで体力を奪われたり、脱水症状になりやすい環境。渓流や湖などの淡水での遊びと異なり、海水を飲むと下痢を起こしたり吐いたりする。また海水に含まれる塩分はそう多くはないものの、水分補給が足りないまま遊び続けていると高ナトリウム血症になる例もある。犬は、喉が渇くから→海水を飲む→よけい喉が渇く→また海水を飲む......という悪循環になっているケースも散見される(うちのクーパーもそうだし、友達の犬も同じ行動をするのがいる。そして下痢や嘔吐する)。
若いときは海遊びに連れて行っても全く問題がなかったとしても、シニアになると、暑さへの抵抗力が落ち、熱中症にかかりやすくなる。老犬、子犬(まだ成熟しきってない犬)、心臓などの循環器に持病がある犬、暑さに弱い短頭種などは、海水浴に同伴するのはリスクを伴うことを理解しておく。エアコンの効いた部屋で留守番してもらう方が犬のためである、という英断も必要かもしれない。

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編集Mさんちのモーフは、暑くなってくるとカラダひとつ分の穴掘ってすっぽり収まっているのが好きなのだとか......。深いとこの砂は湿っていてヒンヤリ気持ちいいからね。ちなみに、こうして砂遊びしているうちに大量に砂を飲み込んじゃうとそれはそれでよろしくないので気を付けよう

ヒト目線でマナーやモラルを遵守する

 愛犬の気持ちを考えたところで、次なるステップは、ヒト目線の事情を考えてみよう。

●犬が嫌いな人もいる、という前提を忘れない

日本全国には、たくさんのビーチや磯がある。人がまったく来ないような穴場ポイントであれば、目くじらを立てて怒られることはないと思うが(その際は水難事故の救援体制がないとか、浜に下りる道が獣道しかなくてマムシがでるとか、携帯が圏外だとか、別の問題をはらむので注意)、ほかの海水浴客がいる一般的な海水浴場(駐車場あり、海の家あり、たまにキャンプ場も隣接、ファミリーやカップルが浮き輪やビーチボールで遊んでいるような、いわゆる普通の、多くの人が海水浴に訪れるビーチ)では、やはりまだまだ犬の市民権は得られていないことが多い。それは無理からぬことだ。動物アレルギーの人がいるかもしれないし、犬の毛が流れてきたら激しく拒否反応を示す人もいるだろう。犬と同じ水に入ることを不衛生だと感じる人もいる(別に現代の室内飼育の家庭犬は、ノミもダニもシラミもついていないし、ちょくちょくシャンプーもしているし、人畜共通感染症のワクチンも打っているし、水の中でウンチやオシッコするとは思えないんだけどねー。それにサルやイノシシやクマやシカも海で泳いでいることもあるのにねー。と反論したくもなるのですが、ここは良識あるドッグ・ラバーとして寛容な心を持ちましょう)。とくにお子様連れのファミリー層は神経質な方が多いそうなので配慮が必要。でもそういう親御さんたちも、自分たちが愛犬を大事に思うのと同じく、自分の子どもを大事に思う気持ちがあるからこそである。相手の心情や事情をおもんぱかる想像力を持ち、譲り合う心を持とう。

●犬OKの海水浴場を探す

ライフセイバーの人がいて、海の家があるような、いわゆる普通の海水浴場の中にも、たまに犬にやさしいビーチがあり、犬連れを許可してくれるところがある(ありがたいね♪)。ネットや愛犬家同士のネットワークを使い、犬連れOKの海水浴場を探してみよう。中には、観光客誘致の起爆剤として、近年では犬OKとしているところも増えてきているようだ。そういう大っぴらに犬連れを公認してくれているビーチだと、気を遣うことも少なくてすみ、心から海水浴を楽しめるのではないかと思う。これからも犬同伴を許してくれるビーチが増えるように、愛犬家の鑑になるべくグッドマナーを心がけよう。

*ドッグフレンドリーな、こんなビーチも!
青井浜ワンワンビーチ(兵庫県竹岡市)

●ローカル・ルールを行く前に必ずチェック

犬OKと書いてあっても、ちょっと待って。よくよく調べると「ビーチへの同伴はよいが、入水は禁止」、「早朝、日没後など、時間を区切ってのみ入場OK」などの細かいルールが決まっていることがけっこうある。入水禁止であれば、犬は水に浸かれないので、つまりは砂浜で1日中待機するということになる。それでは熱中症が心配だ(ポリタンクで犬用の水を持っていく必要があるかも)。ノーリードにしない、ウンチは拾う、などのマナーやルールは当然としても、水に入れるかどうか、時間帯の制限があるかなどは、熱中症になるどうかの瀬戸際の大問題である。装備品にも差がでるので、事前に確認することが不可欠だ。そんなに遠くない距離なら、泳ぎに行く前にドライブがてら行ってみて、現地のライフセイバーの人に聞くと、いろいろ細かいそのビーチでのルールを教えてくれるだろう。遠方の場合は、その海水浴場を管理する役場の観光課や広報課、観光協会などに電話してみると教えてくれるはず。補足だが、去年までとルールが変わっていることがあるので気をつけて。毎夏、行く前に最新情報をアップデートしよう。

●書いていなくても想像力を働かせてマナーを守る

ローカル・ルールだけでなく、犬OKのビーチであっても、想像力を働かせて、ほかの人に迷惑をかけないようにしたい。たとえば、砂浜でオシッコやウンチをさせないようにする。いくらちゃんとウンチを拾うにしても、多くの人が、裸足で歩く場所である。ビーチに入る前に排泄は済ませておく、そして定期的にビーチの外の木や草のあるところに連れて行き、排泄させるような配慮をしよう。

また、よそ様のビーチボールや浮き輪に興奮して、横取りしたくなる犬もいるかもしれない(うちのボクサーがそうです。汗っ)。悪気はなくても、爪であっさり破けてしまうので要注意。自分は近寄らないように注意していても、風に乗ってビーチボールがこっちに転がってくることもある。つねに飼い主は周囲に目を配るようにしたい。

そのほか、ワンワン吠えさせない、犬だけを浜に置いてきぼりにしない、などの基本的なことも忘れずに。ビーチは広くて開放的といっても、鳴き声を不快に感じる人もいるし、そもそも犬が鳴き続けているのは何らかの意味がある(暑いとか、喉が渇いたとか、退屈だとか、初めての環境で不安だとか)。ちなみに、うちもムスメが小さいときは、自分の子どものためにも海水浴に連れて行ってあげたくて海に犬連れで行ったが、タープを張って、ドッグアンカー(犬をつなぐための重石)に犬をつないでいても、犬の見張り役として、オットか自分かが交代で犬のそばにいた。子どもと犬と、両方を連れて行くときは、子どもの監視役(海で溺れたりしないように)と、犬の監視役(よそ様に迷惑をかけないように、および、熱中症など体調異変を早期発見するために)の両方が必要なので、大人は2人以上で行くことをオススメする。子どもも犬も好きな面倒見のいい2家族以上で行くと、飼い主も泳ぐ時間がとりやすい。

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 海水浴に犬を連れていくとなると、熱中症予防も、肉球の火傷も、周囲への配慮も、いろいろと気を遣うことが多い。けれども、そうした苦労をしてでも、海が大好きな犬なら連れて行ってあげたいと思うのが親心。広い海、青い空、予測不能な波の動き、都会では感じられない開放感や高揚感......。飼い主が心地よいと思うものなら、きっとたいていの犬も同調して心地よくなるはず。せっかくの夏休みなんだから、一緒に過ごしたいと思うのも、犬をニンゲン家族と同じパック(群れ)と思っている飼い主なら当然だと思う。それだけに行く前に、リサーチをきちんとして、犬の体調具合もよく見て、熱中症対策の装備品も万全にして、お出かけしてほしい。万が一のことも考えて、海水浴場近くの動物病院の情報も調べておくとより安心だ。事故のないよう、楽しい夏休みを!

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<編集Mの海遊びワンポイントアドバイス♪>

砂浜のコンディション、漂流物は風の吹き方や潮回り、波の大きさによって変わります。うちの近所の湘南海岸も、割れた貝殻だらけになっていたり、ガラスの破片や注射器(!)、針が付いたままの釣りの仕掛けが落ちていたり......。また、磯場の潮だまりなどで遊ぶ際にはフジツボや岩にも要注意! だから絶対に靴を!ということではなく、そういうリスクがあることを理解した上で海水浴を楽しんでくださいね。これは犬だけのことではなく、ニンゲン側も同じです。

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