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2018.08.31

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順風満帆?!あおとの暮らし【柴犬生活航海記 vol.18】

白柴・あお「ガウガウからの卒業?」

2015年・秋から「あお」と名付けた柴の仔犬と暮らし始めた「犬の新人飼育員」の「僕」と「もうひとり」。1歳を越えた頃から、だんだん知らない犬にガウガウやり始めたあお。それも個性と一度は諦めかけていた飼育員だったが、最近あおに変化が......。

#Activity / #Lifestyle

Author :写真・文=舘川範雄 協力=(株)浅井企画

スケバンあお

 しばらく見ていなかった、『犬の夢』を立て続けに2回も見た。どちらも、あおがよその犬を噛んでしまう夢だ。
 一度目は、あおが突進して行き、そのまま噛んでしまう夢。あおの顔を両手でホールドして「なにしてるんだ!」と叱ると、あおの鼻から血が流れ、顔が真っ赤に染まっていく。それが叱られたショックからなのか、相手の犬の血なのか、わからないまま目が覚めた。
(ヤな夢~)

 二度目は、初対面の柴犬と会っていきなりガウガウやる夢。
 いきなりあおが相手の胸元にガシッと歯を入れ、小さな穴がぽっかり開いて、あおのマズルはうっすらと血の色に染まっている!あおを叱りつけながら、飼い主さんに「本当に申し訳ございませんでした!」と深々と頭を下げた。人生でここまで大声で謝り、頭を深く下げたことなどない。
 病院に行かれますよね?連絡先の交換を!今、こちらの番号を書きます、お待ち下さい......と、白い紙を探すが、どの紙にも何かが書いてあってどれも使えない。白紙が見つからない!ない、ない、ないと探しているうちに、飼い主さんを待たせまま日が暮れてしまった。
(さすが夢、オーバー)
 そこでやっと夢だと気付き、じゃあもう、紙探さなくていいんだ!と、ホッとしたところで目が覚めた。

"あおが犬を噛んじゃう夢"どうして見たのか?
 それはその頃の、あおの荒ぶれた行動のせいである。

 その頃あおは、いつもの公園で時々会うシェルティー(あおより年下)の後ろから、何食わぬ顔でそっと近づき、いきなりガウ!とやることがよくあった。「あお!なんでだよ!」と取り押さえて問いただしても、当然理由は語らないので真意はわからない。

 他にも、遠く離れていてもガウガウ!近くにやってこようものなら飛びかかろうとする相手もいて、「気にするな」とか「見るからガウガウやりたくなるんだよ」と、目を手で覆って落ち着かせようとするのだが、あおは指の隙間からその相手を睨み続ける。
「スケバン」......古いが、そんな呼び名がぴったりくる。

知り合い犬(マーニ)にガウ顔(この時の気持ちは「わたしはぶつかり遊び苦手だから誘わないで!」でした)

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 オヤツを食べている時に近くに来られたり、顔を近づけられるとムキー!またはガウ!!も時々やり始めた。よくある話だとは思う。が、それでもつい言いたくなる。

「小さい頃はそんなことなかったのに......」

あおがガウガウやり始めたのはいつ頃だったか......。

犬同士の聞こえないやりとり......

 思い出すと、あおのガウガウ開始は1歳を越えてからだった。それはちょうど犬の幼稚園への登園ペースが週3回から2週に1回ぐらいに減った頃でもあった。幼稚園ではいろいろな犬と触れ合っていて、その頃のあおはそれほど他の犬に警戒心を持たない、おとなしいタイプだった。

 または相手もあおがパピーということで寛容に接してくれたのだろう。でもいつしかあおはパピー枠から外れた。同時に警戒心も芽生えた。
衝突が起き始めた。

 ある時、公園ですれ違ったテリア(あおよりかなり年上の♀)にあおがガウガウやった時、その様子を見ていた他の犬の飼い主さんに言われた。

「テリアはああ見えてけっこう強気の子が多いから、あおちゃんとぶつかるのかもね」

 

 僕は、あおの好き嫌いでガウガウやり始めたのだと思っていたのだが、もしかすると、向こうから何か言われている可能性もあるのかも、と思い始めた。
 その時想像した、あおと老犬テリアとのやり取り......。


テリア「おまえ誰じゃ」
あお 「あおですけど」
テリア「しらん!向こう行け。ここはわしの公園じゃ」
あお 「違います。みんなの公園です」
テリア「生意気な口きくんじゃないよ小娘!」
あお 「あおです!」
テリア「おまえ、顔が地味なんだよ!」
あお 「なんだとババアー!」
ふたり「ガウガウガウ!」


 イッパツかましてきた先輩のテリアに、あおが生意気に突っかかっていった説。

 初対面のかわいい系に向かってガウガウいく時はこんな感じ......。


プードル「わー、みすぼらしい和犬」
あお  「なに?いきなり」
プードル「わたしたちフワフワ。あんた毛がまっすぐ、ダサっ」
あお  「ダサくない!」
プードル「じゃあブス!」
あお  「なによ~!ガウガウガウ!!」


 人間には聞こえない、こんなやりとりがあるのではないか?(ない?)

 すべての犬と挨拶させる必要はないと言われて、衝突しそうな雰囲気の相手と会うと、素通りさせたり、抱き上げて回避したり......。
(※悲しいかな、オスワリ、マテは全然できない)
 まさか自分が「うちは挨拶苦手なんですよ」と言うようになるとは思ってもみなかった。誰とでも挨拶できる柴もたくさんいるのに、ショック......。

 そんなあおに、なぜか3歳を目前にしたある時から"ガウガウ卒業"の兆しが少見えてきたのだ!

ガウガウ卒業試験、開始!

 3歳まであと2カ月ぐらいのある日、あおをドッグランへ連れて行った。

 以前、トレーナーさんに「ドッグランではガウガウしないんですよね」と話すと、犬はリードでつながれていると、何かあった時に動けないのでガウガウやってしまうことが多いが、ドッグランではノーリードなので動きが自由になる分、挨拶上手になる子が多いと教わった。

 この日のあおも、ドッグランでは小さい頃のように、誰とでもおだやかに挨拶。周りの人からは「おとなしいわね~」「まだ2歳?落ちついてますね」と言われ、「そうですね、おとなしめですね」と答えながら心の中で(今だけです)と言っていた。

ドッグランだと初対面でも平気

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「そろそろ外に行きたい」とあおがアピールし始めたので、(ドッグランに飽きると自分から出口の方へスタスタ歩いてこっちを見る。リードを出すと「それそれ!」と近づいてきて装着される)ドッグランを出ると、3人の、それぞれがシュナウザーを連れた飼い主さんが輪になって談笑していた。

 あおはその飼い主さんたちに「かわいいスタンプ」をもらいたいのか、どんどん近づいて行った。シュナウザー軍団はあおを見つけて警戒。こちらも、あまりあおを近づけないようにした。少し離れたところから飼い主さんたちをじっと見つめるあお。そのうち「あら、白いお友達がきた」と、フレンドリーな飼い主さんたちに気づいてもらえた。呼ばれてあおは近付こうとした。いつもなら初対面犬の集まりの中にあおを入れることはあまりしないが、この時は、(ちょっと試してみようかな)とふと思った。ドッグランに入る前に、初対面のフレンチブルドッグとなぜか穏やかに挨拶ができたことも頭のどこかにあった。

「ドッグランでも挨拶できていたし、今も警戒して飛びかかろうとしていないし......いくか?」

 ひとり心を決め、あおをゆっくり近づけた。あおもグイグイ行かずにゆっくりと。僕もリードを緩めてリラックスながら。
「こんにちは〜。かわいい〜」
 なんて言われてあおは嬉しい。顔が緩んでいる。
 すると、シュナウザー軍団のひとりがあおの顔に近づいて激しく吠えだした。
「ワンワンワンワン!」
(来た......!)

 あおが苦手な「顔近い」+「ワンワンワンワン!」。あおも絶対反撃に出る!リードを引く準備をした。
 しかしあおは誘いに乗らなかった。それどころか、耳元でけたたましくワンワン吠えられても、耳をシュナウザーから少し遠ざけながら、困ったなぁという顔で(目を細めながら)耐えていた。人が、耳元で大声を出されて(うるさいな~)と首をななめにする、まさにあの感じ。
 飼い主さんは吠えるシュナウザーをたしなめつつ、じっと耐えたあおに
「おとなしいね~えらいね~」と、お褒めの言葉。
 それに反してシュナウザー軍団はあおを囲んでみんなで吠えだした。
「お騒がせしました。〜あお行こう」

 離脱したあと、僕もあおを褒めた。
「あお偉かったね〜やればできるね〜さすがドギーステップ卒園生!」

 それから何度か、「これはいけそうかな」と思える犬で「柴犬に寛容そう」に見える飼い主さんの場合に限って、「初めまして」の挨拶をさせてみた。

 あおと一緒にゆっくり近づいていく。おっかないけど、リードをゆるめながらそっと......。あおと相手の犬が近づく。そっとあおの顔を見る。いけるか?いけそうか?
 あおが鼻にシワを寄せ始めた......。声にならない声「ウゥゥ」。緊張してる......まずい......思わず声をかけた。
「あお がんばれ!あお がんばれ!」
 するとあおは、鼻のシワを消し、落ち着きを取り戻して挨拶に成功した。

 言葉の意味を理解しているのか、いないのかわからないが、「がんばれ!がんばれ!」と言われて、いい意味で気が散ったのか、正気に戻ったのか、とにかくうまくいった。

 散歩から帰ってきたら待っている「足洗い」。嫌がるあおに「がんばれ、がんばれ」と声をかけながら足を洗っていたのだが、もしかしてこの「あお がんばれ!」には効果があるのかも? しばらくやってみることにした。しかし、挨拶チャレンジは初対面の相手がほとんど。いかんせん恥ずかしい。
 初対面の人の前でいきなり「がんばれがんばれ!」と自分の犬を応援する人に会ったことがない。けれど腹をくくった。恥ずかしいなんて言っていられない。説明することにした。

「今、ガウガウ卒業の兆しが見え始めているんです」
素直に伝えた。
 犬との暮らしをされている皆さんの共通の夢は【ガウガウのない平和な世の中】多くの人が「そうなんですか~」と聞いてくれ、あおが鼻に小さくシワを寄せたら「あおちゃんがんばって!」と、僕と一緒になって声をかけてくれた。あおがその声援?を受け、ガウることなく挨拶を終えると「あおちゃんえらいね~」と褒めてくれる人もいた。

「本当にガウガウしなくなれるかも」
 あおの「ガウガウ卒業試験」が始まった。

 夏の早朝散歩。わざわざクルマで、普段足を運ばない公園に行ってみた。
 広いグラウンドもあるこの公園、ラジオ体操が終わった頃、飼い主に連れられ、初対面犬が次々とやってきた。
「あお、きたぞ。がんばって」
 リードを「しの字」に垂らしながら内心ドキドキ......。
「おはようございます」
 怪しい者ではないことを明るい挨拶でアピール。あおの表情に不穏な空気を感じたら、恥も外聞もなく「あおがんばれ」を連呼、うまく挨拶できたらその場で褒めた。
 この時の成績。8戦8勝!やった!!あお、がんばった!

挨拶が終わり、初対面犬たちとくつろぐあお

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うまく挨拶できたら、たっぷり褒める

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 あの、誰とでも挨拶できるあおが帰ってくる予感! ついに念願のガウガウ卒業か!?

 期待に胸をふくらませながら、その後も時々、普段行かない公園に足を伸ばして試験を続けた。
「あお がんばれ!あお がんばれ!」
 うまく挨拶できると、相手の飼い主さんも「あおちゃんがんばったね~」と、いっしょになって褒めてくれるのがありがたかった。

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(ちなみに、先日初対面の飼い主さん(女性ふたり)に説明することなく「あお がんばれ!あお がんばれ!」を連呼していたら「どれだけ"がんばれ"言うんですか?」とツッコまれて、思わず「もうすぐ免許取れそうなんで」と、わけのわからない説明をしたら「は?」という顔をされてちょっと恥ずかしかった......)

 あおが持っていたはずの「誰でも挨拶免許」。いつの間にか失効していたが、再教習で仮免までは取得した。あとは本試験に合格するだけ。しかし、あとちょっとのところでなかなか受からない。
 合格かな~と思ったら最後にガウ!
 いけるかな~と思ったら全部にガウ!
(※知り合い犬がひとりでもいると、どうも強気になってガウる傾向(ToT))

 無理に、誰とでも挨拶する必要はないだろうが、近頃はあおもなんとなく、自ら初対面犬への挨拶に挑戦しているような気もする。
 あおがおだやかに挨拶できる日は戻ってくるのだろうか。
 あおのチャレンジは当分続く......。

しつこいですが、ドッグランでは平気です

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(つづく)

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◎プロフィール

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舘川範雄 (たてかわ のりお)
1966年9月19日生まれ。1987年4月から作家活動に入る。
「コサキン」「SMAPxSMAP」「ポンキッキーズ」「スクール革命!」「THEカラオケ☆バトル」などテレビ、ラジオで多数の番組構成を担当。また関根勤主宰「カンコンキンシアター」の他、オリジナルコメディーやミュージカルの作・演出など、活動は多岐にわたる。
*本連載の1stシーズン【柴犬生活漂流記】は、こちら
*インスタグラム(ao20150721)で白柴「あお」が毎日、犬の目線で日々の出来事を投稿中! 

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