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2018.07.24

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「Skitter」シリーズのデザイナー、益子悠紀さんに聞く!

犬の体の作りから考えた、靴下のデザインができるまで

docdog(ドックドッグ)オリジナル商品「Skitter」「Skitter PLUS」は、デザインにもさまざまな想いがこもっています。実際、Skitterシリーズのデザイナーの益子悠紀さんは、どんなことを考えながらデザインされたのでしょうか? Skitterブランドの立ち上げから、新作「Skitter PLUS」ができるまでの経緯を、編集部・山賀が聞きました!

#Lifestyle

Author :写真=大浦真吾 文=山賀沙耶

犬の足を美しく見せるパターンを追求

――docdog初のオリジナル商品である、犬の靴下「Skitter」のときからデザインを担当されましたが、犬の靴下のデザインって難しかったですか?

 そうですね、まず人間と犬とでは、足の形状も構造も違いますよね。特に、人間の足にはほぼ毛がないですけど、犬の場合は毛があるので、靴下を履かせたときにシルエットが膨張しやすい。それを色と柄のデザインによってどう解決できるかが課題でした。しかも、犬種によって毛の量や長さ、色、足の形も違うので、どんな犬種にも似合う靴下をデザインするのは難しかったです。

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――具体的には、デザインのどのあたりですか?

 まず、裏返して履かせるときになるべく引っかからないようにと、いちばん糸の出にくいボーダーにすることが決まりました。最初はボーダーの線幅の調整でデザインを考えてみたのですが、等間隔のボーダー柄では足のシルエットが締まって見えませんでした。またボーダーは靴下の定番柄ですが、「Skitter」という新しいブランドで展開するには、商品としての独自性に欠けるなと。そういったことを踏まえ、どういったバランスでボーダー柄をアレンジするのが最適かを考えた結果、ボーダーとブロックを組み合わせた現在のデザインになりました。

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――ボーダーって人間の靴下にも多いですよね?

 そうそう、ボーダーは着痩せ効果や、履いた時のシルエットをぼかす効果もあるんです。特にSkitterでは、ボーダーに使う2色を明るい色と暗い色にして、明暗差をつけることもルールにしてこだわっています。両方明るい色だとボーダー柄の効果が弱まって膨張して見えてしまうし、両方暗めの色だと締まって見えるけれど明るい毛色の犬種には色柄が映えにくく、毛量が多い犬種には靴下のシルエットが目立ち過ぎてしまいます。またブランドイメージに合わせることも考慮しつつ、配色のルールを設計しました。

――そこまで計算されているんですね! Skitterってどの色でも、パッと見てすぐSkitterだとわかるデザインだなと思いました。

 そう言っていただけると嬉しいです。docdogのプロデューサー・廣瀬さんと「Skitterを犬の靴下のスタンダードにしましょう」って話をして、それくらいの気持ちで作りました。人間の靴下ってアイコン的に絵に描けるけど、犬の靴下って描けませんよね。でも、Skitterがスタンダードになれば、描けるようになるよねって。どのサイズでも同じデザインに見えるよう、サイズごとにボーダーの位置の微調整も繰り返しました。

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実際に、人間の靴下と犬の靴下のイラストを描いて説明してくれた

カラーネームにはストーリーを持たせたかった

――Skitterシリーズは色味も特徴的ですよね。

 色のイメージに関しては、廣瀬さんとかなり時間をかけてすり合わせをしました。もともと、ブランドのイメージとして、楽しげな、ポップな感じという方向性は決まっていて。季節感も大事にしたかったので、この季節にきれいな景色とかモノとか、お互いが連想できる写真を送り合ったりして、イメージを固めていきました。色の名前にもこだわって、タンポポイエローとかウーリーネイビーとか、季節感と色を組み合わせたカラーネームにしています。色の名前を見ることで、靴下1足からその背景までイメージできるような、実際の配色とカラーネームが一緒になることで呼応し合うような、そんな雰囲気が出せればいいなと考えました。

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Skitter」は4色展開。左から、最初に発売されたサニーレッド、マリンイエロー、その後に追加されたウーリーネイビー、ブランケットオレンジ

――しかも、犬の毛色も考えないといけないですよね?

 そうですね、ただ毛色は本当にさまざまなので、どのカラーがどの色に合うというのは、特に設定していません。楽しさとかポップさを追求しつつ、どんなコにも似合うデザインということを考えました。あとは、カラーバリエーションが徐々に増えていくことによって、春のタンポポ、冬のブランケットがある景色とか、ストーリーができていくように、Skitterというブランドのイメージが展開されていったらいいなと楽しみにしています。

――デザインするうえで難しかったところはありますか?

 犬がいちばんきれいに見えるのって、やっぱり何も身につけていない自然の状態だと思うんです。でも靴下を履かせることで、その魅力をマイナスするのではなく、靴下を履いていてもやっぱり素敵だね、って、犬のもともとの美しさを損ねないようなものにしたい。ここが難しい部分でしたが、いちばん大事なことだと思っています。デザインのお話をいただいたときに、まず頭に浮かんだのはこのことでした。

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開封するときから楽しんでもらえるようにと、かわいいイラスト入りのパッケージも益子さんがデザインした

ラバーの色でポップさを出した新作「Skitter PLUS」

――新作の「Skitter PLUS」は足先が全面ラバーになって、脱げにくいよう長さも長くなりましたが、デザインコンセプトとしては同じですか?

 そうですね、ただ獣医師の方の監修のもとにラバーの形があらかじめ定まっていました。これがけっこう難しくて、ラバー部分が足先をどうおさめるのか、糸でできたボディとのバランスはどうなるかなど、骨格の構造をチェックしながら、デザインを改めました。Skitterの場合は滑り止めのラバーをグラフィックで自由に作ることができて、それがデザインのアクセントにもなっていたのですが、Skitter PLUSではそれができませんでした。でもSkitterに負けないようなポップさを保つにはどうしたらいいかと考えた結果、ラバーにかなりポップな色を使い、あえて素材感を生かした、プラスチックな質感をプラスすることができたなと思っています。

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大学院の博士課程から、医学の解剖を学んでそれを美術に生かすという、美術解剖学を専門に研究してきた益子さん。その経験もSkitterのデザインに生かされている

――カラーは「タンポポイエロー」と「フラミンゴピンク」の2色ですね。

 はい、春夏をイメージした色です。ピンクはリクエストがあって、難しいかなと思ったのですが、フラミンゴからイメージをもらって、ハッピーな可愛さが出せました。年内には秋冬の新作が出ます。ダークトーンのリクエストがけっこう多いのですが、Skitterシリーズでは足先を明るく楽しくするというテーマがあるので、暗くするとしたらどう持っていこうかな......。また新たなSkitterの側面が生まれてきそうですね。アイデアをたくわえておきます!

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Skitter PLUS」は、足先の全面をラバーにすることによってSkitterよりも丈夫になったため、室内を中心にちょっとした散歩など屋外でも着用できる

――実際、Skitterシリーズをデザインしてみて、いかがですか?

 すごく楽しかったです(笑)。犬の靴下は歴史が浅くて、スタンダードといえるデザインがまだないんです。そんな中、たくさんの人に長く愛されるものをどうデザインするか、どういったデザインが正解なのかを見つけ出すのはとても難しいけれど、楽しい仕事でした。でも、実際に良いものが出来上がって、発売されてからも、docdogのインスタグラムを見たりして、廣瀬さんと「かわいくない?」とか「似合ってる」とか、自分たちで作っておきながら、電話で言い合ったりして(笑)。単純な女子の喜びみたいなものを反映できているのかも。

――今後やってみたいデザインとか、ありますか?

 ご当地カラーとか(笑)。メキシコとか国でもいいし、東京、京都とか日本の都市でもいいですね!

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――お客様には、Skitterシリーズをどんなふうに使ってもらいたいですか?

 Skitterというブランドと、お客様の愛犬との日常が、徐々に物語として形作られていくようなものであったらいいなと思います。機能性や快適さはもちろんですが、季節や天候、気分に合わせて服を選ぶようにSkitterを選ぶとか、日常の中に溶け込めるようなものになったら嬉しいです。

◎プロフィール

益子悠紀さん

益子悠紀さん
デザイナー/イラストレーター。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。明治×Yoplait「グルト!」でのキャラクター制作や、木村カエラ「Sunshower」PVへのイラストレーション制作及び出演、everlasting sproutのテキスタイルデザイン、川村元気との共作絵本「ムーム」(白泉社刊)での作画、布施英利の書籍装丁デザインなど、幅広い分野で活躍している。
デザイン、イラスト関連のほか、那須中央中学校校歌の作詞や、 乃木坂46ショートムービーでの楽曲提供など、多岐にわたって活動中。

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