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2018.07.02

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[Driving with Dogs]犬連れドライブの基礎知識<後編>

犬連れドライブ安心グッズ ~愛犬に優しく、安全に~

前回、犬とクルマでお出かけする基本を書きました。今回は新しい世界へ出発する前に、準備したいグッズを紹介します。目指すのは、犬とともに常にセーフティ・ドライブです!

#Activity / #Lifestyle

Author :写真=白石かえ、益田 香 文=白石かえ

【乗せる前に】心と足腰をいたわる

 車酔いする犬の飼い主さんは、気苦労が多いと思います。気持ち悪くなる姿を見ると飼い主もおろおろしてしまうし、そのあと嘔吐したものの処理もひと苦労(うちは先代の黒猫がめちゃくちゃ吐くし、脱糞するしで大変でした。動物病院へ行こうにも、クルマへの拒否反応で脱水になるんじゃないかというタイプ)。犬の場合は猫より環境適応能力があるので、前回書いたクルマに慣らす練習を忍耐強くのんびりやってみてください。同時進行で、獣医さんにも相談してみるといいと思います。まず何か身体的な異常がないかを健康診断してもらっておいた方が安心ですし、必要があれば薬や動物病院専売品のサプリメントなどを紹介してくれるでしょう。

 グッズでオススメなのは、自然療法、ホリスティックなケアに関心のある飼い主さんの間で注目されているバッチフラワーレメディです。イギリスの医師で細菌学者、病理学者でもあったエドワード・バッチ博士が開発したもので、お花を原料に用いたエッセンスを飲むことにより、心や感情のバランスを保ち、身体の健康へもつなげようというもの。その中でも最も世界で使われているのが「レスキューレメディ」。過度の緊張、ショック、ストレスをやわらげる効果が期待できます。「レスキュー」(救助)用というネーミングもなるほどです。車酔いしやすいコに試してみてはどうでしょう。犬にもヒトにも使えます。

 ただし、薬品ではないので、効果があるかどうかは個体差があります。ちなみに、うちのクーパーは、運動量が足りないとか留守番時間が長い(=ストレスや不安が強い)ときに、足先を舐め続けることがあるので、そういうときに使っています。クーパーによる「犬体実験」では効果がありました。世界中で人気のあるレスキューレメディは、エッセンスタイプに加え、クリーム、ジェル、スプレー、キャンディもあります。効果は同じですが、クルマに乗るときはスプレータイプが使いやすいかもしれません。犬の鼻面か口の中に、2回シュッとしてみてください。

●レスキューレメディ
「バッチフラワーレメディ レスキュースプレー」


 そして乗車の際には、スロープがあるといいです。若い犬ならラゲッジやリアシートに軽々と飛び乗れますが、老犬になると四つ足の宿命で背骨の老化による脊椎症が始まったり、関節炎になったりします。ニンゲンのおじいちゃんが、膝や腰が痛くなるのをイメージするとわかりやすいですね。犬はたいてい従順なので飼い主が「乗って」と促せば乗るでしょうが、だからといって無理はさせない方がいいです。

●乗降用スロープ
「木製ペットスロープ(スライド式)」


 また、若いうちからスロープを使っていた方が、将来の骨関節の症状がでるのを遅らせることもできるかもしれません。それに若いときから使っていると、スロープを怖がることもないでしょう。スロープが1つあれば、クルマに乗るときだけでなく、玄関の段差や縁側など、いろいろな場面で役立つはず。小型犬でも、飼い主のベッドやソファに上がったり下りたりするコは、犬は猫と違って上下の運動に弱い(=毎日毎日ジャンプして着地していると、骨関節の病気を誘発しやすい)ので、普段からスロープを使う方がいいです。

【乗せ方①ケージ】事故のときのシェルター代わり

 最も安全な乗車スタイルは、ケージに入れて乗せること。後部座席かラゲッジに、ベルトでしっかり固定し、ブレーキをかけてもケージが前後にずれたり、左右に揺さぶられたりしないようにします。安定していれば、そこは犬にとって落ち着いて休める巣穴のようなもの。揺れない方が車酔いも減ります。

 ケージは、箱型ならなんでもいいわけではなく、飛行機でも安全・確実に輸送できるIATA(International Air Transport Association:国際航空運送協会)の基準をクリアしたものを選びましょう。万が一の事故の際に、犬の体がつぶれるのを防いでくれます(それでも100%大丈夫とは約束できないけれど)。また、車内でフリーにしたり(これはNGです)、ケージに入れていても(頑丈さによる)、ぶつかった衝撃でハッチやドアが開いてしまい、犬が逃げ出して、そのまま見つからなかったという悲しい例も聞きます。やっぱり、衝突時の衝撃にも耐えられる可能性が少しでも高い頑丈なケージがいいです。メッシュ生地などのソフトケージは、通風性がよく、角が少し荷室に当たっても収納できるのは魅力ですが、安全生を考えると堅牢性・耐久性の高いテストに合格したハードケージが絶対よいです。クラッシュテストを見れば一目瞭然。

 ケージの置き場所は、理想は進行方向に対して横向き。発進時や急停車時に前後に動かない方がベストです。小型犬サイズであれば、後部座席の足元にすっぽりと納めると安定します。ただその際は、ケージ内の温度が高くならないように、冷房を効かすとか凍らせたベットボトルをケージ内に入れるなどの工夫をしてください。

 リッチェルのキャリーケースは、さすが日本製だけあって、細かい配慮がされています。固定するためシートベルトを通す穴がついていたり、持ち手が2つ付いていたり。ラインが直線的で長方形なので、車内やリビングで使うとき収納しやすく、使い勝手がいいです。ただし、同メーカー内でも、IATA基準をクリアしているものとそうでないものがあります。リビングで使うのならどちらでもよいですが、乗車時に使うのであれば堅牢性が高いIATA基準をクリアしているタイプを選択しましょう。

●ケージ
「リッチェル キャンピングキャリー」


 ちなみに欧米では、金属製の備え付けケージがポピュラーに流通しており(さまざまな車種に対応できるほど種類豊富)、愛用者が多いそう。狩猟文化はじめ犬と暮らす伝統があり、またクルマがないと生活できないような生活様式のところが多いからかもしれません。ケージの柵と柵の隙間が広いので、体温がこもらず、エアコンの風が入りやすいのがいいです。プラスチック製のケージだと通風性が悪いのが難点で、とくに蒸し暑い日本の夏場は熱中症が心配になりますが、金属製ケージは通風性がよく、しかもかなり頑丈。クラッシュテストに合格しているのも心強いです。日本でも金属製ケージの選択肢が今後広がるといいなと思います。

 ちなみに友人の話では、メーカー純正のスチール製のケージの中に、小型犬をソフトケージに入れて、乗せている飼い主さんもいるそう。小さい犬は柵と柵の隙間から抜け出してしまう心配があるからとのこと。小型犬だとお膝に抱っこや車内フリーの家庭が多い中、それだけしっかりと安全に乗車させている真面目な飼い主さんがいるんだと感激しました。

 ただ、日本でスチールやステンレスのオリジナル・ケージを製作しているメーカーに聞くと、日本の夏は暑いので、エアコンをつけているときはいいですが、炎天下に駐車したあとなどは、ケージの金属部が触れないほど熱くなるそう。かといってアルミ製だと、冷めるのは早いですが、そのかわりスチールに比べて強度が下がります。ベストなクルマのケージ選びは本当に難しいものです(それ以前に荷室に入るか、というのが最大の難関!)。しかし、交通事故時に犬の体を保護するという点においては、スチール製のケージが最強なのは間違いありません。

●金属製ケージ(海外)
「Variocage Single Crash Tested Dog Cage」

※日本への配送も可

【乗せ方②シートベルトハーネス】安全テストに合格したものを

 セダンタイプのクルマや、愛犬が老犬だったり、短頭種だったり(熱中症になりやすい)、骨関節に持病があり足をたたんでケージに入る体勢が痛そうだったりする場合は、シートベルトハーネスがオススメです。

 事故で怖いのは、急ブレーキを踏んだとき、後部座席にいた犬がフロントガラスに向かって飛んでくること。犬に致命的なのはもちろんですが、運転手や助手席の人の命を奪いかねないということはあまり知られていません。小型犬の大きさでも、前に飛んできて、運転手の頭に当たると、ニンゲンが脳挫傷などで死んでしまうことがあるそうです。愛犬が凶器になるなんて悲しすぎます。犬にもシートベルトハーネスをしっかり装着し、愛犬の命と、自分の命の両方を守りましょう。

 その際の注意点は、くれぐれも安全テストに合格したハーネスを選ぶこと。ただ単に散歩用首輪やハーネスに係留しただけでは、衝撃で犬の首が折れてしまいかねません。あるいはベルトの強度が弱く、ちぎれて、フロントに飛んでくるかもしれません。どうかしっかりとしたクラッシュテストに合格したものを選んでください。

 我が家では、ドイツの友人が教えてくれた、胸部に薄い鉄板が入っている頑丈なハーネスを個人輸入しました。第三者機関が製品の安全性をテストして、合格したTUV認証マーク付きのものです。当時(3〜4年前)は日本でこのハーネスは買えなかったのですが、今回調べるとボルボのアクセサリーで買えることが判明。ボルボの広報の方に確認すると「(ボルボ車のオーナーでなくても)どなたでももちろん購入いただけます」とのことです。

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●ハーネス
「ドッグハーネス(ボルボ)」

※価格、サイズなどはこちらを参照ください。

 ラフウェアの「ロードアップハーネス」もクラッシュテストを行っています。そのクラッシュテストの動画を見ると、いかに衝突時の破壊力が凄まじいかがわかります。

 ドイツのも、ラフウェアのも、クルマ用ハーネスはどちらも、カチッとはめるワンタッチ式ではなく、そのコのボディに合わせてベルトできっちり固定するタイプなので、装着するのは少々手間なのですが、安全のためには仕方ありません。ワンタッチ式は、衝撃が加わったときに「ワンタッチで」はずれてしまう恐れがあるのかも。ちょっと面倒でも、可愛い愛犬の身を守るために頑張るしかありません。

●ハーネス
「ラフウェア ロードアップハーネス」

【乗せ方③ISOFIX】赤ちゃんレベルの安心感

 本来は頑丈なケージかシートベルトハーネス利用がよいのですが「持病があるので、シートに乗せて近くで見守りたい」「シートベルトハーネスのSサイズでもスルリと抜けちゃう」などというやむを得ない事情がある小型犬の場合、ニンゲンの赤ちゃんのチャイルドシートを固定する国際標準規格「ISOFIX(アイソフィックス)」を利用して、キャリーバッグを固定するという方法があります。ソフトケージだと、スチール製またはプラスチック製のケージや、薄い鉄板が入ったハーネスほどの強度はないのですが、車内を自由にチョロチョロ歩かせるより安全なのは間違いありません。しかもISOFIXは、カチッと簡単に取り付けられるのが魅力です。ただしISOFIXを利用して取り付けられるのは、AIRBUGGY FOR PETの製品の中でも「DOME2コット」に限られますので気をつけてください。走行中はちゃんとフタを閉じておくことを忘れずに。

●ISOFIX ベルト
「DOME2 SM/M ISOFIX BELT」


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●コット/キャリーケース
「AIRBUGGY FOR PET DOME2コット」

【汚れ対策】清潔さをキープする

 愛犬と自然の中で遊ぶことは、犬の心の健康のために大事なこと。しかし、そのあとは車内が泥だらけになったり、草の実が入ったりして汚れます。さらに水遊びが好きな犬は、お出かけ先で、喜々と川や湖や海にダイブして「飼い主の心、犬知らず」で濡れ犬になってしまうことも。だいたい普段から抜け毛もけっこう飛び散りますよね。まあ、犬と暮らす以上、汚れるだの、毛が散るだので、いちいち目くじらは立てないで、寛容な飼い主でいたいものです。

 でも被害は最小限に食い止めたいというのが本音。そんなときは後部座席をシートカバーで覆ってしまいましょう。ラフウェアのダートバックシートカバーは、防水生地なので水分を含んだ汚れでもシートまで染み込むことがなく、また裏面は滑りにくい生地を使っているので、カバーがすぐずり落ちるということもありません。ディスクやクマ鈴などのちょっとした小物を仕舞えるポケットが付いているのも犬用ブランドならではの配慮です。

●シートカバー
「ラフウェア ダートバックシートカバー」


 今では犬用のドライブグッズは数多く市販されていて、選ぶのも楽しいですし、目移りもします。でも、その中で、本当に犬のためになる商品なのか、安全へのこだわりは万全なのか、飼い主はしっかり気極める目を養う必要があります。

 安全性を極めた商品は、頑丈にできているので耐久性が高く、結果的に長持ちすることが多いです。初期投資は少し高価であっても、長く使えるから最終的には安い買い物になるかもしれません。愛犬の安全、そして運転手や同乗者の安全、ひいては周囲の歩行者やクルマの安全のためにも、犬をクルマに乗せるときのグッズは最大限安全に配慮したものを選びましょう。今から夏休みの旅行を計画する際に、ぜひ参考にしてください。

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