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2018.07.06

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順風満帆?!あおとの暮らし【柴犬生活航海記 vol.10】

白柴・あおの交友関係

2015年・秋から「あお」と名付けた柴の仔犬と暮らし始めた「犬の新人飼育員」の「僕」と「もうひとり」。あおのおかげで知り合いがやたらと増えたそのわけは......。

#Lifestyle

Author :写真・文=舘川範雄 協力=(株)浅井企画

あおの長所?

「あおちゃんのいいところは人が好きなところ」

 他の犬にガウガウ言うようになって、叱られがちになっていたあおの長所を、ドッグトレーナー川野輪さんはそう言った。確かにあおは小さい頃から、人が好き。これはずっと変わらない。

 散歩を始めた頃大好きだったのは、"制服男子"。見つけると必ず駆け寄っていた。制服を着た男子中・高生ではない。いろいろな制服を着た"THEおじさん"たちに、である。

 工事現場のおじさん、警備員のおじさん、宅配便のおじさん、などなど、制服姿のおじさんにはなぜかシッポを振って、片っ端から挨拶していた。これが個人的にはキツかった。小さい頃のあおは遠慮知らずに、「わ~~~おじさ~ん!」と、飛びかかっていく。制服を着て外にいるおじさんたち、大体仕事中である。
「すみません!」いきなり謝罪である。

 リードを引いてもあおはグイグイと「おじさ~ん!おじさ~ん!」と寄っていく。「あおダメだよ!お仕事中なんだから!ほら行こう!」と、通じるわけのない説明をあおにしながら、制服おじさんに対して、(仕事中お邪魔してすみません!でも僕はなんとか離脱しようとしているんですよ!)アピール。

 当然、犬に関心がなく無視する人もいたが、あおが子犬だったこともあってか、意外とかまってくれる人が多かった。かまってもらえると、あおの嬉しさは倍増してさらにはしゃぎ始める。「おじさん、おじさ~ん!」と飛びかかっていく。向こうは、かわいいな~の笑み、こちらは困惑の笑み......。

 俯瞰で見る......。

『見ず知らずの男と男が子犬を間に挟みながら、なんとなく笑っている』

 道ばたで、ミッキーのぬいぐるみを一緒に持ちながら男ふたりがニヤニヤしているようなものである。相手が女性ならまだしも、男同士はちょっと絵にならない。

「まだ小さいんでしょ?」「名前は?」などと聞いてもらえれば会話になるのだが、ただはしゃぐあおをおじさんが無言でなでているだけの空間はなかなかキツかった。

 あおの"制服のおじさん、好き~!"は、いつしか公安職の公務員にも向けられた。つまり警察官、ポリスに、である。

 交番のおまわりさんや、交差点や道路の影にこっそり隠れて取締りをしている白バイ隊員など、仕事中の警察官にも「こんにちは〜かまってくださ〜い」とやり出したから困った。けれど仕事中にも関わらず、かまって〜かまって〜とアピールするあおの相手をしてくれる人はけっこういて、中には時間を忘れてしばらく触れ合ってから「あ!仕事中だった!」と、慌てて持ち場に戻る人もいた。

 こちらとしては、交番に行くことなんてめったにないし、白バイ隊員と間近で会話することなんて、飲酒検問と違反切符を切られている時ぐらいだったので、この交流はけっこう新鮮。あおを介してちょっとした取材をしている感覚であった。

 ちなみに宅配便の方とは、それまで荷物の受け取りの時に何度も会ってはいたが、なかなか会話することもなく、道であおをかまってもらうようになってから、荷物を運んでもらった時だけでなく、配達中、道ですれ違った時でも会釈や会話をするようになれた。これもあおのおかげである。

あおの挨拶

 成長したあお。いつしか制服男子ブームは(制服おじさんから、制服中学生男子に一瞬移行した後)去ったが、かまってもらいたい人は近所にたくさん増えた。

 時々あおと歩いていて「お!あお!!」とか「あ、あおちゃん!」と会ったことのない人に声をかけられることがある。その場合はもうひとりの飼育員との散歩中にあおをかまってくれたことのあるご近所さん。あおは僕らよりも知り合いが多いのだ。

 あおは近所付き合いを大切にしたい派。毎日必ず挨拶したい人がいる。

 毎朝会う、パン工房の警備員Kさん。あお3カ月の頃、抱っこ散歩の時に初めて会ってからずっと大好き。姿を見つけると、クウぅウンと聞いたことのないような甘え声を出し、次の瞬間猛ダッシュ!後ろ足で立って前足かけて好き好きアピール!「あおちゃんおはよう」と、かがんでくれたらジャンプして顔にチュッチュッ。でも勢いがありすぎてチューというより鼻アタックになっているので当たるときっと痛いはず。乳歯の頃は愛情を伝える方法の中に、まだ甘噛みが入っていたので、嬉しい嬉しいガブガブガブで、これまた痛かったはず。こんな激しい行動も受け入れてくれる寛大なところも、あおにはたまらない。

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さんざんじゃれついた後。すっかり愛犬気取り

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 いつもの公園でいつものメンバーと遊んだあとは別の公園で子どもたちと一緒にいる、3人の保育士さんたちに会いに行く。先生のひとりも散歩し始めた頃のあおを覚えていてくれて、今もかわいがってくれる。あおは保育料も収めていないのに、しょっちゅう遊んでもらう。その顔のゆるみっぷりといったらない。

ほとんど園児気分

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とにかくそばにいたい

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ずっとここにいようとするので
いつも最後は抱っこで強制退場

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公園を出たあとは、青果店のおばあちゃんにご挨拶。これでやっと朝の散歩は終了となる。
(みなさん、いつもすみません)。

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 昼寝をたっぷりして、フル充電となった夕方からの散歩。我々飼育員が目指すのは公園なのだが、あおはその途中に挨拶である。まず近所の美容院のみなさんに挨拶。これがほぼ毎日。店の前で立ち止まり、お店の中をのぞく。もうシッポが止まらない!
(速すぎて見えない)

「気づいてください...... 気づいてくれたーーー!」

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出てきてもらえると喜びの声を漏らしながら
毎回小躍り(あおダンス)

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 わざわざ毎回出てきて頂くので、こちらは恐縮。いくらなんでも毎日は迷惑だろうと、散歩コースをお店の反対方面に変えようとするのだが、途中であおに気づかれて「お店行く!」と、結局立ち寄ることになる。

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 美容院の次に寄るのは行きつけのカフェ。毎日のように入り浸っていた、カフェデビューしたお店は少し離れたところに移転してしまい、最近はなかなか行けないが、あおは他にも数軒、犬も入れるカフェを見つけ、常連になっている。

 行けば「あおちゃん!」「かわいい!」と言ってもらえるので、あおは寄らずにいられない。いつも公園に行く前に寄ろうとするので、さすがに「あとにしてよ!」と言うと、(わかった!)と、すんなり公園へ向かい、公園の隅でちゃっと仕事を済ませると(さ、いこう!)と、いま来たばかりの道をぐいぐい戻って店へと向かう。

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 我々も何か一杯飲んで、一息つくこともあれば、挨拶だけで失礼することもある。
(そんなお客ですみません)

 店を出た後は、近くの雑貨屋さんにも寄る。
ここでも「あおちゃ~ん」「かわい~い」と言ってもらえてご満悦。

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 これでやっと家に帰るのかと思いきや、少し離れたパスタ屋さんにも寄る。

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あおのスタンプ集め

 他にもあおには寄りたいお店が数軒ある。それに全部付き合っていたら我々の夕食は一体何時になるのか......。時にあおの術中にハマり、近所の挨拶回りとカフェのはしごに付き合わされた事もあり、その時は夕食スタート23時という地獄を見たので、さすがに懲りて今は時間で強制終了。

 もうひとりの飼育員といつも話す。もしかしてあおは、我々には見えないスタンプの台紙を持っているのではないか?と。

 あおがその台紙に集めているのは「かわいいスタンプ」。「かわいい~」と言ってもらうたびにスタンプ1個。あおはきっと毎日毎日、かわいいスタンプを集めまくっているに違いないと。その証拠に道行く初対面の人でもかわいいスタンプを押してくれそうな人には寄っていく。

カフェ挨拶あとに道で会った知らないお姉さま方に
「あおです!スタンプください!」

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 ちなみに公園で初めて会う犬連れの人でも見つけるやいなや駆け寄り、犬との挨拶はそこそこに、飼い主さんを甘えた顔で見上げ、おやつをもらい、さらにかわいがってもらってスタンプを集めている。その間、我々飼育員は黒子のように少し離れたところでリードを持ったまま立ち、おやつを頂くたびに「ありがとうございます」「ありがとうございます」と繰り返すだけの役である。

あおが苦手な人

 そんなあおにも苦手なタイプの人がいる。それは「小学生女子」。

 あおがまだ1歳になったかならないかの頃。今考えればすごい確率だが、1日に3回も小学生女子の集団に絡まれたことがあった。

 夕方の散歩。下校してきた3人の小学生女子が背後から駆けてきた。

「わんちゃんだ!」

 その頃のあおは、人に対して警戒心はなし。近寄ってきた3人の女子にもしっぽを振って寄っていった。するとその中の一人が急な動きであおにちょっかいをかけてきた。驚いたあおは後ろに飛び逃げた。その素早い動きがその子たちのツボにハマったのか、さらに素早い動きであおを挑発してきた。あおはスタスタ逃げ出した。小学生女子はそれで許してはくれず、笑いながらあおを追いかけてくる。

「ごめんね怖がってるみたいだから」と言って退散しようとしたが、ヒマなのか、さらに追いかけてくる。めんどくさくなってあおを抱き上げ立ち去った。

 その直後、別の小学生女子(ふたり)が後ろから歩いてきた。あおに特に興味を示すこともなく、横を通り過ぎて行こうとしていたその子達の一人が、学期の終わりだからだろうか、家に持ち帰るために持っていた重そうな荷物を、あおの真横でいきなり(うっかり)地面に落としたのだ。

 バーン!大きな荷物が急にそばに落ちてきて、あおはこれまた飛び逃げた。僕もびっくりしたぐらいだから、近くにいたあおはもっと怖かったはずである。地面につきそうなぐらいシッポを下げながら、その場から退散した。

 その夜、たまにいく小さな公園で夏の縁日が開かれていると聞き、散歩がてら寄ってみた。屋台がいくつも並び、近所の子供達も集まっていた。人が多かったので、我々は少し離れた芝生の上でその雰囲気だけ味わっていたら、背後から「わんちゃーん!」と呼ぶ声がした。その声の感じ、いやな予感がした。

 小学生女子の集団である。5~6人はいただろうか。暗闇から急に声がしたことであおはビビってワン!思わず吠えた。声がする方を振り向くと、縁日で買ったのだろう、なにやら光るヒモのようなものをみんなが手にし、ブンブン振り回していた。見たことのない光る物体が複数、回転しながら迫ってくる。あおにとっては恐怖である。またも飛び逃げた。すると小学生女子たちはあおを怖がらせてしまって悪いと思ったのだろう、「わんちゃん、こわくないよ~」と優しい声を出しながら近づいてきた。光る物体は振り回したまま。「わんちゃーん、こわくないよ~」そう言いながら小学生女子の集団が追いかけてくる。暗闇で姿はほとんど見えず、光る物体だけがブンブン回転しながら追いかけてくるように見える。「こわいよ!」思わず言いながらあおと一緒に逃げた。

 以来、あおは小学生女子が苦手になった。そういえば自転車で突っこんできたのも小学生女子だった。
(詳しくは漂流記vol.20を御覧ください)

 幼児は平気、小学生男子も中学生以上も平気。でも小学生女子だけ苦手。エアー噛みをして威嚇しながら逃げることもある。そういう記憶は消えないのだろう。あおの小学生女子に対する敵対心......実力行使の戦いに発展しないことを望む。

追記:小学生女子以外にあおが苦手とするタイプが増えた。

 それは「黒い服を着た人」。

 夜なら完全に警戒吠え。びっくりして吠えているのだろうが、いきなり声を出されて僕もびっくり、相手もびっくり。誰も得しない。日中でも黒服の人は怪しいと思うようで、この間はベランダ抱っこ中に、10メートルは離れている場所で立ち話をしているふたりの黒服を見つけ、「ワン!!ワン!」と吠えていた。黒ずくめの服で電柱の陰に立っている男たち......。怪しいと言えば怪しいが、あお、お前は警戒範囲が広すぎだ!

(つづく)

◎プロフィール

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舘川範雄 (たてかわ のりお)
1966年9月19日生まれ。1987年4月から作家活動に入る。
「コサキン」「SMAPxSMAP」「ポンキッキーズ」「スクール革命!」「THEカラオケ☆バトル」などテレビ、ラジオで多数の番組構成を担当。また関根勤主宰「カンコンキンシアター」の他、オリジナルコメディーやミュージカルの作・演出など、活動は多岐にわたる。
*本連載の1stシーズン【柴犬生活漂流記】は、こちら
*インスタグラム(ao20150721)で白柴「あお」が毎日、犬の目線で日々の出来事を投稿中! 

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