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2018.06.22

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順風満帆?!あおとの暮らし【柴犬生活航海記 vol.8】

白柴・あおの要求あれこれ

2015年・秋から「あお」と名付けた柴の仔犬と暮らし始めた「犬の新人飼育員」の「僕」と「もうひとり」。今まで一緒に暮らした事があるのは人間だけ。「人と犬は違う」とわかっていても、犬との同居生活はその感覚を時折狂わせる......。

#Lifestyle

Author :写真・文=舘川範雄 協力=(株)浅井企画

犬の要求

『犬の要求』......すべてに応えていい訳ないとはわかっている。

 けたたましく吠えるタイプの犬なら、うるさいなぁと冷静に無視できそうだが、幸か不幸か、あおは吠えない。ある時はクンクンと甘い声を漏らす。はかなげなその声、思わず「なに?どうした?」と声をかけてしまう。
(あおの思うツボ)

 またある時は無言でじっと見つめてくる。そのつぶらな瞳に思わず「なに?どうした?」とまたもや声をかけてしまう。
(あおの思うツボ2)

「オヤツ」が置いてある場所に向かって「ク~ンク~ン」。これは「オヤツ食べたい」。

 たっぷり昼寝をした後や留守番をし終わった後、僕の視界に入る位置にやってきて見上げる、「ク~ンク~ン」は「遊ぼう!」。

「犬の要求にいちいち応えない」、「まずは無視する」、「要求を満たすなら、しばらくたってから」。
 そうすれば犬は諦めて他のことをし始める......と聞いていた。

 相手が"もうひとりの飼育員"の時は、諦めるらしい。しかし僕とふたりの時はほぼ『実力行使』に出てくる。

 要求を無視し椅子やソファーに座っていると、声を出さずに口をパクッパクッとさせて強めの主張。それでも無視されると、トコトコ近づいて来て、僕のひざをいきなり「ガブッ!」。
「イテ!やめろ!」

 足を組んで座っているときは、組んでいる方の靴下の先を「ガブッ!」。
「イテ!なんだよ!」

 どちらも本気噛みではない。しかしあおの気持ち、「ちょっと!なに無視してんのよ!」がこもっているからけっこう痛い。さらに不意打ちなので思わず反応してしまうのだ。それでも無視し続けていると、最後は助走をつけて突進してきて、鼻先で僕の足をバン!と叩いて?くる。

「だから!」「ねえ!!」「無視しないでよ!」と訴えてくる。
(ここまできてもまだ吠えないのが面白い)

 僕が床に寝転がって無視(またはうたた寝)している時は、トコトコトコと近寄ってきて、寝ている僕の耳をいきなりかじ......るのではなく、舐めてくる!
(ペロペロ)

「ハハハハハハ耳の穴やめろー」くすぐったくて思わず反応。たまにがんばって無視しようとすると、耳に鼻を突っこんで"クンクンクンクン"とにおい嗅ぎ!

「やめろやめろー」
 さらに(ペロペロペロ......)
「やめろーー」

 その時、あおの顔を仰ぎ見ると、何やら勝ち誇った表情。ここまでくると「わかったよ!」あおに負け、要求に応えてしまう......。
(犬との暮らしの先輩方、不甲斐なくてすみません!)

 ちなみに、オヤツの場合、底なしに食べ続けるかというとそうでもなく、いくつか食べれば満足する。遊びたい!の場合も、ちょっとボール遊びや柴プロレスもどきで遊べばそれで満足、僕はめでたく開放となる。
(以上、言い訳でした)

 そしてもうすぐ3歳を迎えようとしているこの頃、あおの要求にNEWバージョンが導入された。これまで、他の犬がやっているのを見て「かわいいな」と思っていたあのアクション、『前足でちょんちょん』だ。

 食事や仕事をしていると、いつの間にか足元に忍び寄っていて、いきなり僕の足を前足で、「ねぇ、ねぇ」と突付いてくる。控えめな時は軽く「ちょんちょん」。これはまあ、かわいい。けれど要求に応えないでいると段々「ちょんちょん」が「ばし!ばし!」に変わり、最終的には勢いよくアタックしながらの「バンバン!!」となる。もう可愛げもなにもない。

「いてーな!わかったよ」

 結局、あおに敗れてしまうのだ。

 

 これらの要求は割と簡単にわかるのだが、時々あおはよくわからない要求をしてくる時がある......。

あお......なにそれ?

☆合わせて読んでおきたい ~編集部オススメ記事~

あお・謎の要求①「はやく気づいてよ!」

 小さな声で「クーン」と僕を呼ぶあお。大抵、仕事をしている事が多いので、無視、または「もうちょっと待って」と声をかけて対応する。

 それでもあおはしつこく「クーン」と小さな声でこちらの気を引こうとする。普段なら要求が通らないと実力行使に出てくるあおだが、しばらく「クーン」とだけ言いながらその場でじっと待っている。

 ふと見ると、スリッパの片方がいつの間にベランダに持ち出されている。

「あ!お前いつの間に!!」

 こちらが反応するとあおも動き出す。ある時は、少し開いていた洋服ダンスの引き出しから靴下だけを引っ張り出して、別の場所に持ち出していた時もあった。その時も同じように「クーン」だけ。ある時気づいた、これは「ボケ」だ。気を引こう、かまってもらおう、(またはまさかの笑わせてやろう!?)とするための、「ボケ」なのだ。

 力弱い「クーン」は『ほら見て~気づいて~』。笑いとしては「今ボケてますよ」とやるのは粋じゃない。さりげないボケでも見逃さず、的確なツッコミで笑いに昇華させるのがプロである。

「あ~お前~いつの間に~!」
 笑いながらツッコむと、あおは尻尾を嬉しそうに振り始める。

「お前、何するんだよー!」
 そう言いながら追いかけると、あおは嬉しそうに逃げる。あおは、どうやら"ウケたがり"。何かして、ツッコまれるのが好き。「ただかまってもらえて嬉しいだけでしょ?!」と言われるかもしれない。でも、自分のネタ(行動)で僕らが大笑いしているのを見ながら、あおの顔は満足げ、それは僕が今までに間近で何度も見てきた、『自分のネタが大ウケした時の芸人のどうだ顔』そっくりに見えてくるのだ。

 公園でわざと草をかじって「こら!」とツッコまれて、逃げるのが好き。「かわいい~」と言われるのも好きだが、「お前面白いな!」と言われるのも大好きなのだ。

「わたしのネタ、ウケてる!」

 あおはいつも、そんなふうにシッポをブンブン振って大喜びである。人の反応を見るのが好きな犬、きっとあおだけではないはず。犬との暮らし、毎日飽きない。
(疲れるけど)

あお・謎の要求②「ベランダ抱っこ」

 以前も(vo.4)書いたが、小さい頃からベランダに出て、オスワリしながら、柵の隙間の向こうに広がる外の世界をひたすら眺めるのが好きなあお。一体なにをそんなにじっと見ているのか?その背中は時に哲学さえ感じる。

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たまに疲れて床に落ちてる

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 柵の間から見える世界には限りがある。なのでたまに抱き上げて、もっと広い街の景色を見せていたのだが、どうやらこれが気に入ったらしく、それまでは抱き上げようとすると嫌がっていたあおが、このベランダから遠くを見たい時だけ、自分から抱っこを要求してくるようになった。

 この要求が最初はまったくわからなかった。

 ベランダに出ているあおが、何やらこちらをじっと見てくる。「なに?」と尋ねるとあおは、「抱っこして」とは当然言わず、ただこちらを見つめ続ける。(もしかして)と思い「抱っこ?」と聞きながら抱き上げようすると、その気分の時はおとなしく抱き上げられ、その気分じゃない時は逃げた。

 その違いが見分けられず、どういう時が「外見たいから抱っこして」なのか、分かりづらかった。

 あお自身も、これは伝わりにくいと思ったのか、ある時から外を見たい気分の時は自分から近づいてきて、僕の足にピタッとカラダをつけてくるようになった。これはわかりやすい!

 抱き上げると、あおは嬉しそうに手すりに両前足を乗せ(人が両肘を手すりにかける感じ)遠くを見つめる。

180614_04.jpg

 それは朝の景色だったり、夕暮れの景色だったり......。何か特別なものが見えるわけじゃない。いつもと変わらない街の景色だ。でもあおは、いつも街の様子をじっと見ている。その横顔は、なんだか素敵だ。

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 それまで、ベランダから街を見下ろす時間など持ったことはなかった。

 あおが来るまで、何気ない時間の大切さを感じることなく毎日を過ごしてきた気がする。自分が住む街がどんな場所なのか、よく知らずに暮らしていた。仕事で出会う人以外と知り合うことなどほとんどない人生を送ってきた。

 そんな僕の生活をあおは変えてくれた......。少し大げさだが、僕はあおから、流れていく時間を感じる余裕を持てと教えられているような気がしてならない。

 あおがくれたそんな時間に、僕は毎日「抱っこ係」として付き合っている。

 今日もあおは黙って、いつまでも街を見下ろしている。いつまでも......。ほっといたら多分一日中......。春はまだいい。秋もいい。でも冬、寒い......夏、暑い......そして重い!!(あおの体重8.6kg)。

 さらに、オフィスらしき向かいの部屋から、道を歩く人から僕らの姿は丸見えだ。

「なんかいつも、あそこに犬と人いない?」
 噂されていたら恥ずかしい。だからそんなに見ていられない。

「あおさん、おしまいです」
 あおを下ろして僕だけ部屋に戻ると、その数分後、まだベランダにいるあおの視線を感じる。『ク~ン』その声ははっきりと「抱っこ~」と聞こえる。いや、「誰が終わっていいって言った?!」かも......。

 すっかり「おもてなしの心」丸出しのあおとの暮らし。あおにとっての"快適"を常に提供したくなる僕は今、飼育員というよりホテルマンです(-_-)。

(つづく)

◎プロフィール

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舘川範雄 (たてかわ のりお)
1966年9月19日生まれ。1987年4月から作家活動に入る。
「コサキン」「SMAPxSMAP」「ポンキッキーズ」「スクール革命!」「THEカラオケ☆バトル」などテレビ、ラジオで多数の番組構成を担当。また関根勤主宰「カンコンキンシアター」の他、オリジナルコメディーやミュージカルの作・演出など、活動は多岐にわたる。
*本連載の1stシーズン【柴犬生活漂流記】は、こちら
*インスタグラム(ao20150721)で白柴「あお」が毎日、犬の目線で日々の出来事を投稿中! 

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