
自宅で愛犬のムダ毛処理、ちゃんとしていますか? トリミングの必要な犬種でなくても、伸びてくると気になるのが、肉球の間や肛門まわり、お腹、耳の前などのムダ毛。見た目だけでなく、愛犬の健康や衛生にもかかわるので、定期的にケアしてあげたいものです。JKCトリマー教士であり、東京愛犬専門学校の講師でもある渡辺まゆみ先生に、自宅でのムダ毛処理の仕方を教えてもらいました!
今回も、渡辺先生やdocdogのおすすめアイテムにはリンクを張ってあるので、まだ手元にない方はチェックしてみよう。
◎パナソニック ペットクラブ 犬用バリカン 全身カット用
飼い主がケアするなら、ハサミより扱いやすく、安全性が高いのが、このバリカン。愛犬家の一家に一台持っておくと便利。すき刈り用の付属アタッチメントつき。
□ポイント①:事前にバリカンの震動に慣らす
愛犬のムダ毛処理には、主にバリカンを使用する。バリカンの震動が苦手な場合は、刈り始める前に、電源を入れたバリカンの刃ではなく本体を愛犬の肉球に当てて、慣らしてから行おう。
肉球の間の毛が伸びっ放しだと、見た目がすっきりしないだけでなく、フローリングの床などで滑りやすくなる。肉球から毛がはみ出し始めたら、バリカンでカットしよう。
□ポイント②:脚のケアは、後ろ脚から先に始める!
肉球の間のムダ毛処理だけでなく、爪切りや肉球クリーム、靴を履かせるときなど、何でも前脚より後ろ脚から始めるほうが、嫌がりにくい。
手入れする脚の、足首だけをつかむのではなく、腕全体を使ってカラダを安定させるようにして持つ。このとき、脚を横に持ち上げるのは、関節の構造上無理があるので、後ろに持ち上げること。
毛の流れに逆らって、肉球の表面をなでるように毛を刈っていく。
□ポイント③:肉球の間の筋を切らないように注意!
実際に愛犬の肉球を触って確かめてほしいのだが、下の写真に赤線で示した部分には筋があるので、ここにバリカンの刃を当てると切ってしまう恐れがある。特に真ん中の筋を切らないように、左右に分けて刈るようにする。
トリミングサロンや動物病院では、肉球の間を奥のほうまできれいに刈ってくれるが、自宅ではそこまでやろうとしなくてOK。下の写真ぐらいで十分だ。
同様に、前脚も手入れする。
肛門のまわりの毛をカットしておくと、ウンチがつきにくくなって衛生的。シッポを持って、肛門を傷つけないように注意しながら、まわりの毛を刈る。
もしあれば、すきバサミでまわりの毛を切って整えておくと、自然な仕上がりになる。
カットした毛をコームで取り除いて、完成。
お腹の毛を刈って整えておくと、散歩中やオシッコをしたときに毛が汚れなくて済む。毛が密集しておらず皮膚が見えている部分に生えたムダ毛を、バリカンで刈っておこう。
飼い主の両足の間に仰向けで寝転ばせるか、両前脚を持ち上げてバンザイのポーズでケアすると、やりやすい。2人組で行うと楽だ。
□ポイント④:ペニスの先端の毛を少し残すと、オシッコが飛び散らない
ペニスの先端の毛もバリカンで刈っていくが、最後に少しだけ毛を残しておくと、オシッコが飛び散らなくて済む。また、ペニスの根元は出っ張っているので、皮膚を傷つけないように注意しよう。
完成!
耳の穴の前の毛を少し刈っておくと、耳の中が蒸れにくく、耳掃除も楽になる。
バリカンの震動を嫌がるようなら、すきバサミでカットしてもいい。
完成!
渡辺まゆみ先生
JKCトリマー教士。東京愛犬専門学校講師。東京都江戸川区にてボランティア活動を行う、ペット共生ネットワーク「わんず・どりー夢」代表。著書に『ドッグ・グルーマーズ プロフェッショナル・ワークブック』(インターズー刊)などがある。
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