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2018.05.11

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順風満帆?!あおとの暮らし【柴犬生活航海記 vol.2】

あお夢中

2015年・秋から「あお」と名付けた柴の仔犬と暮らし始めた「犬の新人飼育員」の「僕」と「もうひとり」。楽しいはずの愛犬との散歩に、またも新たな問題が発生......。
*1stシーズン【柴犬生活漂流記】をお読みでない方は、こちらからどうぞ。

#Activity / #Lifestyle

Author :写真・文=舘川範雄 協力=(株)浅井企画

「ネコ」

 あおが気になって仕方のないもの、「ネコ」。

 自分と同じぐらいの大きさ。でも犬じゃない。じゃあなに?......知りたい......鼻を近づけてニオイを嗅ぎたい......近くでもっと見てみたい......。けれど我々はそれを許さない。うかつにあおを近づけて、あの鋭い爪で目なんかを引っかかれでもしたら、一生後悔する。だからあおがネコを見つけて近づこうとするたびに、「見てるだけ」と、言い続けている。

 ネコは大抵、犬など好まない。姿を見たらすぐ逃げる、または(向こう行きな!)と、睨みをきかせ、カラダを膨らませて威嚇する。

「あお、向こうはお前に興味なんてないんだよ。見てるだけ」

公園でネコ発見。気分が高まるあお

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そっと近づき

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まさかの「あそぼう!」

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無視、または威嚇されて退散(いつもこのパターン)

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よく会うこの「倉本聰顔のネコ」には毎度叱られる

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「小娘来るな!」

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 ネコの迫力に負けるのか、見つけても飛びかかろうとすることはほとんどないが、それでもやっぱり気になる存在であることには変わりがない。

「カエル」

 あおがネコよりも夢中になってしまったもの、「カエル」。

「お前さ、カエルのことどう思ってんだよ?」と聞かれて、「いや実は、ずっと前からあいつのことが好きでさ......」とは言えない。ミミズやゴキブリ同様、いきなり目の前に現れたら思わず「どえぇ!」と、けっこう声が出る。僕はこの程度だが、"もうひとりの飼育員"はこの数万倍カエルが苦手だ。詳しくは聞いていないので知らないが、子どもの頃、とてつもなくカエル嫌いになるきっかけがあったらしい。

 彼女は時々、夜中にいきなり「うわーー!!!」と大きな声を出して飛び起きることがあり、こっちはその声と振動に驚いて跳ね起きるのだが、「なに?どうした?!」と聞くとほぼ100%、「カエルが出た......」と、夢の話をされるので「知らんがな!」である。

 道の真ん中にカエルがいて、怖くて通れないから回り道して帰ってきた、という日もあったり......。なので、彼女に目を閉じて口を開けてもらい「想像してください。今、口の中にカエルの足が入ってきました」と言うと、「おえぇ〜〜〜!」と毎回叫ぶので面白い。

 まあそれぐらいカエルが大嫌いなのだが、あおはその反対、まさかの超がつくほどの"カエルLOVE"だった。

 ある時、小学校の校門近くを歩いていた。あおは壁伝いの植え込みのそばを、花や葉っぱのにおいを嗅ぎながら歩いていたが、いきなり植え込みに突進し、顔を突っこんでゴソゴソやり始めた。最初はなにが始まったのかわからなかった。

「ネコがいる!?」

 しかしその植え込みはネコが潜むには狭く、次に思ったのは
「もしやネズミ!?」

 とにかく植え込みに顔からグイグイ入っていこうとするあおを必死に引き戻しながら、ライトを出して奥の方を照らしてみた。するとそこにいたのは、土の色と同化した黒い物体......カエル!!

「うえ〜〜!」思わず声をあげてしまった。なんでカエルがここに?川も池もないよ!なんで?

 あおはグイグイ顔ごと突っこんでいく。目の前にいる謎の物体、その正体を解明せずにはいられないらしい。

カエルから見たあおはこんな感じ?(カエルにとってはいい迷惑)

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 確かカエルは、皮膚から毒を出す種類もいるという情報を読んだことがあった。接触は避けなければ!と、激しくもがくあおを抱きかかえながら退散した。

 翌日。まさかと思ったが、あおは昨日とまったく同じ散歩コースを歩き始めた。気になるモノは徹底的に......あおのポリシーである。予想通りあおは、昨日の植え込みをチェックし始めた。すぐに引き戻す準備をしつつ、ライトで植え込みの奥を照らすとカエルはいなかった。

「ほら、いないよ」

 あおにも見せたが納得しない。

「おかしい。昨日いたんだから今日もいるはず!」と、あおは10mほどある植え込みを自分なりにブロック分けして、右から順番に丁寧にチェックし始めた。そして最後まできっちりチェックすると、なんとまた最初の地点に戻って再チェックを始めた。しつこい......。

「いないって!」と言いつつ、あまりに懸命なあおに、優しさでもう一周付き合ってやったが、終わると3周目に入ろうとしたので、さすがにやめさせた。 (ホントにしつこい)

カエルを探すあお(※イメージ)

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 散歩コースを変え、カエルがいそうなところには夜、できるだけ近づけないようにした。

 

 ある日。広い公園に遠征しての散歩。リードにいきなり「ガッ!」と、いつもの衝撃。見ると......いたー!カエルーー!!

 こんなところにもいるのか!そしてここでも見つけるのか!あお!

「カエルはダメだから!」

 場所を変える。するとあおはハイスピードで地面のにおいを嗅ぎながら歩き出した。(もしかしてカエルとの遭遇で催したってこと?)

 見るとお尻が"お仕事"しそうな気配を出している(ように見えた)。しかしあとで思えば、この時のあおの目的は"お仕事"なんかではなく、「カエルの居場所を見つけ出す」ことだった。

 そこから30分、大げさでもなんでもなく、ずーーっと、ずーーーーーーーーーっと、あおは「大」をする場所を探しているように見せかけながら「カエル探し」を続けた。

その時の様子。真剣な目であちこち調べ回った

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「またいた!」「そこにもいた!」その度にリードを引いて移動させる。途中で何度もやめさせようしたのだが、"お仕事モード"かもしれないと思うと、ギャンブルのように「次はくる!今度こそ出る!」と、引くに引けなくなっていた。結果は4匹のカエルを見つけ出しただけで終了。"お宝"は出なかった......。『出そう出そう詐欺』に注意である。

 こうなってくると、こちらもさらにカエルがいそうな場所は避けなければならない。けれど都会のカエルは、いそうじゃないところにもいるから困る。

"もうひとりの飼育員"は夜の散歩を嫌がった。それでもたまにひとりで行くことがあるが、カエルのような物体(例えば大きな石)を見た瞬間、お構いなしにリードを引っ張りその場から逃げ出すらしい。

 僕はそこまでではないので、怪しい場所をライトで照らしながらあおと一緒に進むのだが、あの日はライトで照らす間もなく、いきなり公園の小さな植え込みに飛び込まれた。

「あお!まさか!!」

 リードを引くと、同時にカエルが飛び出してきた!

「もしかして、あおが咥えて引っ張り出した?!」

 だったらまずいぞ!!あおを抱きかかえ、慌てて公園の水道に走った。だが、そこにあったのは人が水を飲む用の「上に出るタイプ」だけ!あおは下から飛び出てくる水を飲んだことなんてない。ないのだが、軽く動転しているので「ほら!ほら!!」と、噴水のように出てくる水にあおの顔を近づけた。

「ムリ!」とあおは暴れ、僕の手はビショビショ。タオルを濡らして拭くしかない!と、バッグを探ると、いつも入れているあお用のタオル地ハンカチがない!(あ〜新しいの入れるの忘れてたー!)こういう時に限ってが続くー。

 どうしよう......ズボンのポケットに普通のハンカチがあった!それを濡らしてあおのマズルをとりあえず拭いた。結果、濡れてビショビショになった僕の手を拭くモノがなくなり、その手は......服で拭いた。(小学生......)

 あおを膝の上でひっくり返し、さらに濡れハンカチで口の周りをもう一度拭いたあと、カエルに触れた場合の症状をスマホ検索した。

「嘔吐、震え」などの怖い言葉がならぶ並ぶ。毒があるカエルの種類が写真とともに紹介されているのだが、さっきのカエルが何ガエルなのかわからない。

「症状はすぐにでない場合もある」との記述もあり、あおが咥えたかどうかもわからないので病院に電話するのはやめた。とりあえず帰宅して様子をみよう。

「あお、いくぞ!」

 なぜひっくり返され、濡れたハンカチで顔を念入りにこねくり回されたかわからないあおは、地面に降ろされると、何もなかったように、カエルがいた場所へ戻ろうとした!

「バカかお前は?お前はバカか?!」

 再び抱き上げ、その公園を出た。

 その夜、あおの体調に変化はなかった。おそらく咥えてはいなかったのだろう。あの飛び出してきたカエルは、いきなり犬に突進されてびっくりし、自分から植え込みから飛び出したのかもしれない......。

 

 カエル騒動、これで終わらないのが あおである。

 ある日の夜散歩。今まで一度もカエルを見たことのない公園に行った。ほぼ一面、芝生ゾーン。カエルが隠れる場所などない。

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 ここなら安心と、ロングリードに付け替えた瞬間、あおはいきなり走り出した。その先には!わ!大きな黒い石みたいなのが見える......うそ!なんでここにいる!カエルーーー!

 隠れる場所がないからモロに姿が見えているー!

 慌ててリードを引いたが、それより一瞬早くあおはカエルに突進した。

「あ〜!絶対接触したーー!」

 あおを引き戻し、あおを抱えて水道へ向かった。ここは普通の蛇口もあった!水を出し「あお!飲め!」と指示する。飲むはずない。そんな練習していない。

 手で水をすくい、あおの口を直接洗った。そんなことをされたのは初めてのあおは目をしょぼしょぼさせて戸惑っている。

 公園を出て、改めてスマホで「犬・カエル」で検索。出てきたのは『嘔吐、ヨダレ、もし食べてしまったら死に至ることも......』。

 ふと見ると、あおの様子がいつもとどこか違う......。歩き方がなんか変。それに顔色も悪く見える。目はうつろ、口元を見ると、うわぁ!ヨダレ垂れてるぅぅーーわかりやすいーー!完全にカエルにやられちゃってるじゃないかーー!!

 大慌てでかかりつけの先生に電話した。診療時間は過ぎてはいたが、あおが誤飲した時も、深い時間にもかかわらず出てくれた......今回も出てください!

 ......呼び出し音が2回、3回......

「もしもし」

 出たーー!

「先生〜!あおがカエルを!」
「食べてはいない?」
「食べてはいないです」
「ヨダレ出てます?」
「出てます出てます!」
「あー、触れちゃったかな」
「もし猛毒を持つカエルだったらマズいですよねー。ネットに死に至るって書かれてて......」

 電話の向こうで先生は少し笑いながら 「東京にいるカエルで死んだ話は今まで聞いたことがないので、大丈夫だと思いますよ」

 たしかにここはアマゾンの奥地にある公園じゃない。先生の言葉で少し安心。

「ご飯を食べさせて、水を飲ませて毒素を出すようにしてください」
(カエルが出すのは神経毒だそうだ)

 帰り道。さっきまでヨダレを垂らしていたあおの顔も、段々普通に戻っていった。よかった〜。

 こんな目に遭ったのに、あおのカエルブームは終わってはいない。

 この間も、もうひとりの飼育員と散歩している時にカエルを見つけ、近づこうとしたらしい。

 カエルの夢を見ただけで、夜中に叫んで飛び起きる人である。生で本物を見た瞬間、ぎゃー!!と叫び、まるで荷物を引っ張るようにあおを引き寄せ、その場から走り出したらしい。あおにとって、生まれて1番強くリードを引かれた瞬間だったに違いない。あお、首をもがれたくなかったら、彼女との散歩中にカエルを発見しても、見て見ぬふりをするように......。

「これはカエルじゃないよね?」

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(つづく)

◎プロフィール

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舘川範雄 (たてかわ のりお)
1966年9月19日生まれ。1987年4月から作家活動に入る。
「コサキン」「SMAPxSMAP」「ポンキッキーズ」「スクール革命!」などテレビ、ラジオで多数の番組構成を担当。また関根勤主宰「カンコンキンシアター」の他、オリジナルコメディーやミュージカルの作・演出など、活動は多岐にわたる。
*本連載の1stシーズン【柴犬生活漂流記】は、こちら
*インスタグラム(ao20150721)で白柴「あお」が毎日、犬の目線で日々の出来事を投稿中! 

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