飼い主がどんなに気をつけていても、体を動かすのが好きな犬たちにとってケガはつきもの。それどころか、ちょっとした生活の変化で体調を崩してしまうこともある。もしもの時に慌てないように、簡単な応急処置ができる「愛犬用救急箱」をぜひ準備しておこう。
お腹を壊しやすい、皮膚トラブルになりやすいなど、愛犬の体質によって、かかりつけの獣医師指導の元、日頃から常備薬を準備しているという家庭は多いはずだ。その一方で、もしもの時のケガに備えて包帯やガーゼなどをセットした救急箱はどうだろう。人間用の救急箱はほとんどの家庭で備えているが、犬用となると普及率はかなり低くなると思う。
ケガをしたり、体調を崩したりした場合には、獣医師に診てもらうことが大前提とはいえ、その場で応急処置が必要となることもあるし、すぐに動物病院に連れていけない状況も起こり得る。そんな時に、必要な処置をすることは飼い主の義務だといってもいいだろう。適切な応急処置を行えるだけの正しい知識と道具を前もって準備しておきたい。
包帯やガーゼなど、人間用の製品と共通するものも多いが、犬用の製品を使うことで、格段に手当がしやすくなるものも少なくない。多少かさばるが旅行先やお出かけ先にもそのまま持っていけるので、愛犬専用の救急箱をこの機会にぜひ準備しておこう。
ペット用救急箱として販売されているものもあるが、docdogではすでに自宅にあるものを生かす"do-it-yourself=DIY"方式をオススメしたい。人間用の救急箱をベースに、足りないものを加えるのも一つの方法だ。我が家オリジナルの犬用救急箱に入れておきたい品々を、アメリカケンネルクラブ、AVMA(American Veterinary Medical Association)のリスト、docdog所属獣医師の意見を参考にご紹介する。ちなみに今回は、災害時などの避難セットではなく、日常生活での使用を前提にしている。
切り傷などの消毒に備えたい場合には、オキシドールなどの消毒液は刺激が強すぎるため使用は避けよう。人間用の消毒用イソジンを希釈して使うのがおすすめだ。他にも患部を冷やすための氷のう、ウェットティッシュ、いろいろな用途に使えるビニール袋、ガムテープなどを備えておくといいだろう。
また、docdogとしては、足先の保護のために靴・靴下も準備しておくのをおすすめする。外傷や刺激物から肉球を守ることができるのはもちろんのこと、トラブルの際、傷の保護やなめ防止にとても便利だ。やわらかな素材なので患部の刺激も少なく、散歩の際も患部を清潔に保てる。また、短時間の仕様に限るが使い捨てのビニール手袋と2重に重ねれば、水分をしっかりブロックすることも可能だ。
注意したいのが、異物誤飲や中毒症状の場合。吐き出させようと何かを飲ませたり食べさせたりすると内視鏡で取り出せなくなってしまうので、症状が出ていなくてもすぐに病院に連れていこう。ちなみに、内視鏡の使用には麻酔が欠かせないことからリスクも伴う。獣医師は確実に異物を食べているのか、食べたとしたらどれくらいの分量だったのか、といった情報から、どういった処置をするのかを判断するので、きちんと説明できるように状況を確認したい。
救急箱を準備した後も、定期的に消費期限などを確認することを忘れずに! その際には、愛犬の年齢や健康状態に合わせて、救急箱の中身を変えておくことも考えたい。救急箱が必要な場面に遭わないのが一番だが、転ばぬ先の杖、準備がまだの方は、この機会にぜひそろえておこう。