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2018.02.01

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クパメル隔週レポート「笑う犬には福てんこ盛り」vol.14

雪だーーー♪ そして肋骨骨折......

1月下旬、大寒波が来ましたね〜。東京なんて48年ぶりの寒さだって。北国の人には笑われちゃうと思うけど、大都会東京はほんとに雪に弱い。電車もストップか間引き運転、道路ではタクシーすらスタックし、交通機関が麻痺しちゃう。しかし私も、偉そうなことは言えない。自分が雪道に弱いことが今回証明されてしまった。そう、転倒して左の肋骨が折れちゃったのよぉ。

#Activity / #Lifestyle

Author :写真・文=白石かえ

都心で23cmの積雪だーい! と喜ぶ犬と私

 いやはや、今年は寒い。東京都心では1月23日、午前6時すぎに氷点下4度を観測。氷点下4度以下となるのは1970年以来、48年ぶり(正確には東京の気温の観測は2014年12月に大手町から北の丸公園に移転しているから、多少の誤差はあるかもしれぬ)。とにかく今年は、私の人生で1回目の大寒波のようだ。クパメルと山遊びするときにいつも中央道で通過する東京都府中市(普通の住宅地よー。有名な東京競馬場のあるところ)では、同日、氷点下8度4分を観測したそうな。東京でマイナス8度! 信じられない寒さだ。

 そして、前日22日の昼くらいから降り始めた雪。私はちょうどそのとき西新宿の高層ビルの41階で仕事していたのだが、大きな全面ガラス窓から、街全体が白くなるほど渦巻くように舞う雪が見えた。東京とは思えぬ光景で私はワクワクしていたけど、お仕事関係者のみなさんは、帰り道の交通機関のことを心配して、違った意味でソワソワしていた。そうなのよね、東京ってほんと自然災害にへなちょこな街なのです。

 夕方からさらに雪は強くなった。私は絶対に、散歩に行くんだーーとやる気満々。しかし2年前に背骨の手術をしている私は、本当は転倒してはならない体。なので、オットはクパメルの散歩なんてもってのほかで、外出禁止だ!と厳しいことを言う(心ある友人みんなからもそう諭された)。にもかかわらず、私は、我慢できず、娘を迎えに行くという口実をつくり、お散歩へ♪

 ワーーーイ、ワーーーーイ、雪だーーーーーっ! メルもアホみたいにスイッチが入っていた。クパは放牧してくれないのなら「サムイーーーー」とブルブルしていたけど。笑。今回の雪は、東京にしては珍しく、踏むとキシキシと音がするいい雪。楽しい〜♪(私は犬と同じで「い〜ぬはよろこび、に〜わか〜けまわり♪」状態になる)。

 雪は21時くらいまでガンガン降っていたけれど、夜中の0時過ぎる頃にはほとんどやんでしまった。でも、けっこう積もったぞ。翌朝のニュースでは「東京都心では22日午後22時に23センチの積雪を観測。東京都心で積雪が20センチを超えたのは4年ぶり」と言っていた。

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黄色いのは、500mlのビール缶。うちのベランダでも積雪20cmを超えている

新雪より怖いアイスバーン!

 大雪が降ったのはその日だけだが、道路にはたくさん雪が残った。それもそのはず、22日から29日にかけて、34年ぶりに8日連続で最低気温が氷点下だった。そのせいで22日に降った雪が29日まで8日間も残ったそうで、これはここ50年間で初めてのことなんだって。

 とまあ、こんな状況だったので、日当たりの悪い道路や歩道にはまだ雪が残り、昼間、中途半端に溶けた雪が夜中にまた凍るのを繰り返し、踏み固められた氷になっていた。そういうのが危ない。めちゃくちゃ滑る。スケートリンク状態だ。さらに怖いのは、一見雪も氷も見えない部分。検索すると「ブラックアイスバーン」と言うらしい。黒いアスファルト路面のまま、よく見るとぴかぴか光っているとこ。つまり道路の上の水がそのまま薄く凍っている。よーく見ると、氷の結晶みたいなのが見えたりするけど、日が暮れた暗い時間ではほぼ判別不能。

 そーんな状況だったから(←自己弁護)、はい、そこで、こけました。見事にすっころびました。

 クパメルの夕方(18時すぎ。もう暗い)の散歩中のことだけど、犬のせいではない。私のせい。オットに「2頭引きはするな!」とさんざん言われていたのに、仕事から帰り「オカエリナサーーイ!」と大喜びする(vol.13参照)クーパーを残して、膀胱炎になりやすいメルだけ散歩に連れ出すことができないバカ飼い主。でもオットは最近残業続きなので、彼の帰りを待っているとメルがオシッコ垂れになる。夕方のこの時間は、犬の散歩の人が多い時間だとわかっていたが、リスクを犯してしまう。

 でもみんなにたくさん厳重注意されていたので、一応私なりに、転倒しないように気をつけて、路面をよく見ながら、そろそろと進んでいたのよ。でも、つまりは下ばかり見ていて、周辺を見る余裕がなかったのよね。いつもは全方位見ながら、注意して、ほかの犬が来ないか、自転車が通過しないか、警戒態勢を敷いて歩いているんだけども。このたびは「あ!」と思った瞬間には、ちゅるちゅるリードのチワワさんが、こっちを真っ直ぐ見て向かってきており、射程距離内に入ったためメルがワッと飛びかかった。私はとにかくメルとチワワさんを接触させてはならん!と必死だが、すべてが瞬間の出来事。気がついたときには派手にすっころんでいた。

 ただとにかくリードはギュッと握っていて(大型犬飼い主の習性)、うちの2頭はチワワさんには接触はしなかった。ああ、よかった。チワワの飼い主さんは「大丈夫ですか」と言ってくれたので、それも安堵した。デカい犬に襲われた!と思うタイプの人でなくて、よかった。自分が転倒したことより、そっちの方が気になる大型犬飼い主の悲しい性。「ごめんなさい!すみませんでした!」と、とにかく謝る私。

 でも、なんかすぐに立てなかった。恥ずかしさも痛さも感じなかったのだけど(今を思えば、そのとき軽い脳しんとう状態だったみたい。頭がふわふわして、軽い頭痛で、正常な感覚がなかった。でも頭は打ってない)、下半身に力が入らない。それは持病のある背骨のせいなのか、路面が凍っていたからなのか、腰が抜けていたからなのか。仕事帰りの人がたくさん通る広い歩道で、本当だったら非常に恥ずかしいはずなのだが、不思議とその感覚もない。ようやく私は立ち上がり、へろへろしながらおうちへ帰った。

 帰宅後、少し冷静になって、自分の状態を観察すると、左に回転レシーブもどきで転んだらしく(持病の背骨をとっさにかばったのか?)、左手の指や甲に擦り傷、あと左足の膝小僧を擦りむいていた(ズボンの膝が破けなくてよかったー)。あとは頭が軽く痛いだけ。意外と大丈夫そうだ。

しかし、肋骨は折れていた(苦笑)

 と、思ってたのに、1時間くらいすると、左のあばら骨が痛い。もしかして、やっちまったか。でも肋骨って、どうぜギブスもできないしー。私は持病のため、鎮痛剤は常用しているから、病院に行くほどではなかろう。肋骨は、自然治癒を待つしかない。

 んで、翌日も朝から仕事に行き、翌々日も仕事に行ったが、だんだん痛みが増してくるので、さすがにまずいと思い、諦めて整形外科に行った。レントゲン撮ったら「肋骨骨折ですね。でも肺はちゃんと膨らんでいるので大丈夫」だって。ヒビじゃないんですか?「肋骨骨折です」。涙。そんで肺を破くこともあるから、肋骨骨折を甘くみちゃいけないのね(そりゃそうだ)。それと面白いことを教えてもらった。肋骨の骨折は、最初は痛くなくて、だんだん痛みが強くなるそうだ。痛みのピークは5日目(へーっ!)。それから徐々に治まり、5〜6週間後には気にならないくらいになるって言われた。

 と、のんきに言っている場合ではない。先生の言うとおり、だんだん痛みが強まってきた。笑うと痛い、喋ると痛い、咳払いはかなり痛い、くしゃみは死ぬほど痛い。重たいものは持てない、寝返りも地獄。寝ている体勢を起こすとか横になるタイミングもグエエッと妙な声がでる。さらにはとんだ伏兵が。猫ーーーーっ、私のあばらの上を踏むなーーーっ! 猫の小さな足の裏攻撃は、ピンポイントで秘孔を突かれたみたいに激痛。号泣。

 はぁー。とにかく安静に。しかし、毎日の犬の散歩がございます。ま、22kgのメルくらいなら散歩できちゃうもんね。でも、32kgのクーパーは瞬発的な馬鹿力があるので自粛。さすがにしばらくは2頭引きをする勇気はない。よそ様にも迷惑がかかる。

 いやー、ほんとにもうアイスバーンは怖いねっ。だけど、わかっちゃいるけどやめられない犬の散歩。これも犬飼いのジレンマというか、意地というか、責任というか。雪だからって、今日は散歩なし!って言えないもの。24時間、家の中でずっと過ごすなんて、動物として退屈だろうから。とはいえ、転倒して、骨折して、犬や家族に迷惑をかけるのもいかん。相も変わらず、ダメ飼い主、ダメ母街道まっしぐらの自分を反省しつつ、大寒波中の東京から、クパメルレポートをお届けしましょう。

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なんて幻想的なのでしょう。西新宿とは思えません

【1月21日(土)】
 相変わらず、猟犬スペシャル記事を、一球入魂で書きまくる。今回は、セント・ハウンド。大物猟の真打ち登場なだけに、力が入る。シカやイノシシ猟は、有害鳥獣駆除の一面もあること、ジビエ食材産業のよい側面(命の有効利用、地元産業の活性化など)と心配な側面(営利追求のために獲りすぎてしまう懸念。全体の捕獲数の管理は誰がするのか)、かたや現代では野生動物を撃ち殺して食べなくてもよかろう、可哀想だという意見、犬が迷子になったりケガしたりする心配、悪い猟師は猟期が終わったら犬を捨てている(としか思えない)事実、保護犬となった元現役獣猟犬を家庭犬として迎えるのは相当の犬種への理解と愛と、吠えてもなんとか許してもらえる飼育環境などが必要......などと、いろいろな価値観、さまざまな問題や事情が絡み合うので、書いていて、頭がグルグルしてしまった。とにかく間違って伝わらないようにと思うと文字量が増える。そして、犬の立場を代弁できるようにと気持ちを込めすぎてしまい、これまた文字量が増える。

 結局、編集Mさんに泣きつき、どこをカットすべきか相談。そんで泣く泣くバッサリカットして、23日に公開された。でも、いずれ敗者復活戦の番外編として、カット分も公開してくれるって。セント・ハウンドLOVEなクンクン犬オタクのみなさん、待っててください。

【1月22日(月)】
 昼から、東京は大雪。雪だーーーーー♪ 夕方にはもう銀世界だーーーーー!

 オットの反対を押し切り、娘を迎えに行くという口実のもと、雪上訓練かの如く、お散歩へ。新宿の街も真っ白で、別世界のように美しい。メルも、めちゃくちゃ楽しそう。娘に途中で合流できたことも相まって、悦び爆発! やっぱり雪は楽しいわー(健全な心身ならね。老犬とか循環器に持病があるとか、関節痛があるとかの犬は無茶はやめておきましょう)。

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犬もムスメも私も、雪を見るとはしゃいでしまう

【1月24日(水)】
 夕刻の散歩にて転倒。回転レシーブぶって、華麗に転んだ(つもり)。左手の擦り傷もたいしたことない。きっとたいしたことない、たいしたことないに違いない、そうであってほしい......(懇願)。

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「カーチャン、コロンダノ? イタイ?」

【1月25日(木)】
 連日の氷点下で、道路の雪がなかなか溶けないで残っている。もう、転ぶのは勘弁だ。だんだん左のあばら骨が痛み出したし......。うーーーーむ、さすがにもう無茶はできない。しかし、最近オットも仕事が忙しくて残業続き。犬の運動の絶対量が足りない。

 そこで、せめてもの償いでジャーキーを作る。今回は、北海道よりいただいたエゾシカ。そしてリビングで、ジャーキーを隠すノーズワークごっこをした。クーパーは、ちゃんと私が通った足跡どおりに辿っていき、最終的に強いニオイがするであろうジャーキーを発見する。さすがだね。クーパーは、セント・ハウンドではなく、HPR犬種だけど、しっかり嗅覚での探索ができる。犬って、すごいわー。

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エゾシカでジャーキーを作った。シカ肉もイノシシ肉と同じく黒っぽい仕上がり。鉄分が多いのだろうか

【1月26日(金)】
 整形外科に行き、レントゲンを撮る。「肋骨骨折です」と言われた。たぶんそうだと思っていたけど、ハッキリ言われると、ガックリした。うーむ、飼い主たる者、体が基本。凹んでいてもしょうがない。早く治そう。

【1月27日(土)】
 今日はずいぶん前から決まっていた、クーパーの整体の日。オーストラリアから来日中の、本業は馬の整体師に、クーパーもついでに診てもらえることに。半年前には仙骨のゆがみを指摘されて、グイグイッと整えてもらったのだが、さあ、その後、どうなったかな。また痛めてなければいいな、と願っていたところ、今回は「ほぼ問題なし。いい筋肉もついていて、左右のバランスもよいね」と言われて、嬉しかった。ちょこっとだけ最終仕上げで、仙骨をまたグイッとされて、ついでに頚椎は問題ないけれど、血流をよくするためにコンッと軽く叩かれた。面白い。

 やはり馬が身近にいる国は、大型動物の獣医療やホリスティック・ケアが進んでいるね。それを応用した犬へのケアもバラエティーが豊富。日本でも、壊れたときの獣医療だけでなく、完全に壊さないための予防医学や予後のリハビリを扱うケアがもっと進むといいなー。たとえばヒト医療には、医師以外に、国家資格の鍼灸師や柔道整復師、理学療法士があるみたいに、獣医療にも獣医師以外のボディケアの資格があってもいいなーと思う。まあ、これまたレベルの確保は大変とは思うけど。でもとにかく予防できるならその方が動物に苦しみを与えることが減るし、また術後の「あとはリハビリしてねー」と言われても、「リハビリって、どうすりゃいいんですか?」というケースも多いから(ニンゲンですらそうだけどさ)。専門家が教えてくれると助かる。

 ともあれ、クーパーの背骨、仙骨は大丈夫、とお墨付きをいただき安心した。私の背骨や肋骨が痛いより、クーパーが痛くない方がいい。犬は「なんか痛いよ」って言えないからね。元気なのがいちばん。

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クーパー、整体を受ける。仙骨のズレを治してもらった

【2月1日(木)】
「笑う犬には福てんこ盛り」 vol.14公開。
 また寒波がやってくるそうな。みなさまもこけないように、気をつけてね〜。

◎新コーナー
「そうだ、かえさんに聞いてみよう!」

こんにちは、担当編集Mです。
お便り(ラジオっぽくて好きな表現なもので......)いただいております!!早速ですが、ご相談第1号の方からのメッセージいってみましょう♪

友人からの勧めでdocdogさんの記事を読み始め、いつも楽しみにしています。とはいえ、私はこれまで犬を飼った経験がありません。犬大好きなのですが......。しかし、マイホームを手に入れ飼える環境も整ったこと、また夫や子どもたち(小6、小4)の強い要望もあり、飼い始めてみようと思っています。そこでかえさんに質問です。

「どんなことを基準に、パートナー候補を決めていけばよいでしょうか?」
(神奈川県在住 38歳主婦)

【お返事】
栄えある第一号のご質問、ありがとうございます。 このテーマは非常に重大なテーマなので、いくらでも書けちゃいますし、また言葉足らずで誤解を受けるのも心配ですが、ザックリ言うと、犬選びは見た目だけでなく、その犬種の中味、昔やっていた仕事からくる性格や習性、運動量、トリミング代などの必要経費などをよく調べて、勉強し、中味を納得した上で選ぶことかと思います。容姿も大事なポイントであることはよくわかります。が、どんなイケメンでも、1回や2回デートする(散歩する)ならともかく、結婚となるとそうはいきません。すぐ噛んだりぶったりする乱暴者のDV夫は厄介だし、家庭内予算以上に散髪に行きたがる夫は困るし、性格の不一致、たとえば自分はそれほどアウトドアが好きじゃないのに、やたらマラソンや冬山登山に誘われてもつらいでしょ。犬選びは、結婚相手を決めるのと似ています。15年以上、一緒に生活し、養い、連れ添う伴侶です。結婚相手を選ぶくらい、慎重に考えてほしい。しかもニンゲンのオトコならいざとなったら離婚もアリですが、犬との離婚はナシ(自分から一方的に求婚したんだし)。オトコは捨てても、犬は捨ててはいけません。
それから、5年後、10年後、15年後、暮らしぶりや家族構成は当然変化していくけれど、犬は変わらずいつも隣にいますから、その間、ずっと変わらぬ気持ちで犬を大事にできるか。その心の準備をして迎えてほしいと思います。

引き続き、素朴な疑問やお悩みなど、気軽にお送りください♪
質問・相談の送り先は、こちらのアドレスまで。
↓↓↓
docdog_media@delightcreation.co.jp

*メールタイトルを「そうだ、かえさんに聞いてみよう!」と入れていただけると助かります。

◎プロフィール

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白石かえ
犬学研究家・雑文家。家族は、ジャーマン・ショートヘアード・ポインターのクーパー、ボクサーのメル、黒猫のまめちゃん、夫1、娘1。前職は、自然環境保護NGO・WWFジャパン。犬猫と暮らして30数年。彼らの存在は可愛いだけでなく、尊い。犬が犬らしく生き生きと暮らせる、犬目線の原稿を書くのがライフワーク。

●執筆サイト: dogplus.me 犬種図鑑 ほか多数
●ブログ: バドバドサーカス
●主な著書:
『東京犬散歩ガイド』、『東京犬散歩ガイド武蔵野編』、『うちの犬 あるいは、あなたが犬との新生活で幸せになるか不幸になるかが分かる本』、『ジャパンケネルクラブ最新犬種図鑑』(構成・文)

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噛むな、あお

日本における古代からの狩猟のお供。北海道、紀州など

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