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2018.01.08

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トレーナー直伝!愛犬との暮らしに役立つワンポイントアドバイス vol.7

首輪の話し

こんにちは。ドッグトレーニングインストラクターの三井です。今日は愛犬には必ず必要な首輪についてのお話しです。

#Activity / #Lifestyle

Author :写真・文=三井 惇

なぜ首輪が必要なのか

「ネコに首輪」という人は少ないかも知れませんが、「犬には首輪」と当たり前のように思う人がほとんどではないでしょうか。鈴を付ける習慣のある人はネコにも首輪を付けているでしょうが、家ネコの場合、首輪のことはあまり考えない人が多いように思います。

 では、なぜ犬には首輪を付けなくてはいけないのでしょうか。理由は簡単。リードを付けて、外に連れ出して一緒に歩くからですよね。ネコやフェレット、サルやミーアキャットなど、犬以外の動物でも、外に連れ出して一緒に歩くときは必ず首輪を付けています。当然首輪にはリードや紐が結び付けられていて、動物が他人に迷惑をかけたり、危険な目に遭ったりしないように飼い主はきちんと管理をしなくてはいけません。

 ということは、外に散歩に出ることのない犬には首輪の必要がないのでしょうか。

 私が子どもの頃はよく「迷い犬」と遭遇しました。東京23区内でのことです。そんなとき、首輪が付いていれば誰かの所有犬だと判断し、近所に声をかけたりして飼い主を探そうとしますが、首輪が付いていなければ「野良犬」と判断されて、いわゆる「保健所」(現在は動物愛護センターと名称が変更になっています)に連絡するのが通例となっていました。つまり、首輪のあるなしで、飼い犬なのか野良犬なのかの識別をおこなっていたのです。

 家から出さない犬というのはあり得ないことですが、ほとんど散歩に行かないから首輪の必要性が無いというご家庭もあるかもしれませんし、家の中にいる時は首輪を付けないという方もいらっしゃるでしょう。しかし万が一という状況で、犬が逃走することが無いとは言えませんよね。

 外から家族が帰ってきてドアを開けた瞬間にすり抜けて外に出てしまったり、抱っこやバッグに入れていた犬が飛び出して逃げてしまったりするなど、何が起こるかわかりません。たとえきちんとトレーニングが入っていたとしても、犬が「逃げる」ときはパニックになっているときなので、トレーニングの有無にかかわらず、飼い主の声が聞こえないことが多いものです。例えば音にびっくりして逃走したり、一瞬飼い主を見失ってあらぬ方向に走りだしたり。こんなときは、後ろから呼んでも聞こえていないことが多いものです。

 そんな「万が一」を想定して首輪を付けておくということは、愛犬の安全を守るためには必要なことではないでしょうか。

首輪の意味

 首輪が付いていることで飼い犬であるという判断がされれば、見つけた人によって飼い主を捜すという作業が行われます。もちろん最近では動物愛護センターに届けられても、すぐに殺処分されるわけではなく、保護犬団体に譲渡対象犬として引取り依頼されたり、センターから直接一般譲渡されたりという可能性がありますが、飼い主としてはすぐにでも愛犬を見つけて手元に戻ってくることを期待しているはずです。

 では、所有者を特定するために、首輪は役に立たないのでしょうか。

 かつて我が家の犬と近所を散歩しているとき、大型の放浪犬を保護したことがありました。幸いとても大人しい犬でしたので、我が家のハスキー犬のリードでその犬の首輪を結んで家まで連れて帰って来ました。

 ここで第一のポイントとなるのが、首輪があったので飼い犬と判断し、手元にあったリードを繋ぐことができたということです。これは30年くらい前のことですから、首輪が無い大型犬であれば、ちょっと怖くて傍に寄れなかった可能性もあります。しかし首輪があることで、飼われている犬だろうからある程度は安全だと考えて近寄り、とりあえず一緒に家まで連れて帰ることができたのです。また万が一私が自分の犬を連れていなかったとしても、首輪が付いていれば、首輪を掴んで歩いてくることもできます。愛犬の安全のために、私はパピートレーニングの過程でも、首輪を掴まれることを嫌がらないように、犬たちに馴らす練習をしています。

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首輪がついていれば、リードがなくても首輪を掴んでホールドすることができます

 第二のポイントは、首輪に電話番号が書かれたタグが付いていたことです。携帯電話が無かった当時は、とにかく家まで連れて帰り、そこで書かれていた電話番号に連絡を取ることができました。あいにく先方は不在で夜まで連絡が取れませんでしたが、夜にはようやくお迎えが来て、犬は無事に飼い主の元に戻ることができました。逃走の原因は、飼い主が出かけるときにどこかのカギを閉め忘れたとかで、犬が勝手に外に出てしまったのだそうです。
 最近は個人情報の問題などで、首輪に電話番号を付けることにためらいを持つ人もいるでしょう。首輪自体に犬の名前や連絡先を付けた首輪や、タグとして首輪に付けるものも販売されています。よく動く犬の場合タグは外れてしまうこともあり、それこそ個人情報が漏れてしまうと心配されるかたもいらっしゃるでしょうが、犬と連絡先がセットになっていれば、万が一のとき犬が戻ってくる確率が上がることは確かです。しかも早い時点で。

 30年前はチェーンの首輪でしたが、それでも鑑札と連絡先が入ったタグを付けていました。15年ぐらい前からは、フラットの首輪に鑑札を付けています。チョークタイプの首輪は、犬が下を向いていると外れる可能性があるので、できればきちんと止まるバックルタイプのものが安全ですね。

 首輪のゆるみの確認も必要です。最近ではあまり見かけませんが、以前は庭などに係留されているとき、首輪を抜いて逃走した犬もいました。

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先住の首輪には鑑札と自作のネームタグ、タグの裏には電話番号を彫っていました

愛犬が迷子になってしまったときのために

 犬と暮らしていれば、いくらきちんとリードを持っていても、何かの拍子に離れてしまわないとも限りません。万が一迷子になっても、人間の子どもであれば、名前や連絡先を言えるかもしれませんが、口がきけない犬にはネームタグなどが必要になってきます。

「我が家はハーネス派だから」とおっしゃる方が増えていますが、ハーネスは家に帰れば外す方が多いので、首輪を個体識別のために付けておいた方が安全ではないでしょうか。

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リードはハーネスに繋いでも、首輪に鑑札やネームタグをつけておくと安心

「うちはマイクロチップが入っています」。これはとてもいいことです。万が一どこかで保護されても、自治体や獣医師がリーダーを使ってマイクロチップを読み取れば、飼い主の情報を確認することができます。ただし、マイクロチップが入っているだけではだめです。そのマイクロチップの番号と飼い主自身の情報をきちんと自治体に登録しなくては意味がありません。

 しかし、犬を飼っていない人にマイクロチップのことがまだまだ浸透していないため、万が一マイクロチップが入っていたとしても、首輪が無いことで「野良犬」と判断されてしまった場合、見つけた人がそのまま自宅で飼い続けるという可能性が出てきます。

 20年ほど前のこと、もちろん当時はマイクロチップもまだ無いころでしたが、店の前に待たせていた犬を連れて行かれてしまったり、何かの音に驚いて逃げてしまったりした犬を通りがかりの人が見つけて、しばらく自宅で飼っていたということがありました。幸い2件とも連れて帰った人の家族や知人が、「どう見ても飼い犬だから届けた方がいい」とアドバイスしたことで、自治体経由で見つかり無事飼い主の元に戻ることができました。

 目に入れても痛くないほどのかわいい愛犬ですから、知らない人が見たら連れて帰りたくなってしまう可能性もあります。でも、誰かの所有物であることが明らかであれば、常識ある人は必ず飼い主の元に帰れるように行動してくれるでしょう。

おわりに

 小型犬の場合、鑑札やタグ自体が大きすぎて煩わしさを感じてしまうかもしれませんが、首輪が付いているだけでも飼い犬であることをアピールすることはできます。

 お洒落な被毛が擦れてしまうからと、日常的に何も付けない方もいらっしゃるかもしれませんが、健康上ハーネスを装着する場合であっても、首輪はリードが付いていないときでも犬をホールドしやすくするので付いていると安心です。

「呼び戻し」や飼い主の傍にいることを犬に教えることはとても大切なことですが、たとえそれができていても、飼い主の傍を離れてしまった時点で今の時代犬が自力で飼い主の元に戻ることはとても難しいことです。

 飼い主としては、愛犬が戻ってくる確率を上げるためにも、手掛かりとなるものを愛犬に装着しておいてはいかがでしょうか。

◎プロフィール

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三井 惇
CPDT-KA(国際資格)ドッグトレーニングインストラクター。1997年に迎えたボーダーコリーと始めたオビディエンス(服従訓練)をきっかけに、犬の行動学や学習理論を学ぶ。2004年にドッグダンスをと出会ってその奥の深さに魅了され、愛犬家に広めたいと2006年からインストラクターとしてドッグダンスを教え始める。自身も一競技者として、オビディエンスやドッグダンスの競技会に参加。

●ブログ: Dance with Dogs
●HP:http://wanbywan.com/
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●主な著書:『ニコルとドッグダンス』/エー・ディー・サマーズ




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