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2017.12.13

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[Driving with Dogs] 年末年始の犬連れ帰省ドライブで、押さえておきたいこと

冬の犬連れドライブ、備えあれば憂い無し!

師走っ。今は年末駆け込みで忙しい時期だけど、その先には楽しい楽しい冬休み&お正月が待っている! 犬と一緒にクルマで帰省や旅行に行く計画を立てている人も多いのでは。そこで冬休み直前企画♪ 安全に安心して犬との冬ドライブを楽しむために知っておくとよいこととは?

#Activity / #Lifestyle

Author :写真=白石かえ、山崎睦 文=白石かえ

「よく犬を観察」「ジェントルな運転」「無理させない」が3原則

 クルマに慣れていない犬はもちろん、普段よくクルマに乗っている犬でも、その日の体調、温度、飼い主の心境(犬は飼い主の気持ちに同調する動物だから、飼い主が焦っていたり、イライラしていると、そういう飼い主の心の機微を敏感に察知し、犬も緊張したり不安になりやすい)、老化の進行などにより、今までは平気でも「今日に限って吐いたっ!」ということがある。

 ニンゲンでも風邪気味だったり、飲み過ぎたりしたら、クルマに酔いやすいとか目眩がするなどがあるのではなかろうか。犬でも、そういう日々刻々と変わる体調や精神状態などをよく観察してあげることがまず大事だ。

 ルートやドライビングテクニック、スピードも、クルマ酔いを誘発する要因となる。うちのオットは、私(ドライバー)が峠道を飛ばしていると気持ち悪くなりやすい(うちの犬は大丈夫なのに。笑)。グルグルとカーブの連続する道(遠心力がかかる)、急発進、急加速、急ブレーキ(重力加速度のGがかかる)は、きっとよくないから、犬を乗せているときは穏やかでジェントルな安全運転を心がけよう。そういえば、犬にとって標高差はどうなのだろう? うちの軟弱なオットは、標高差にも弱い。一気に山間部の峠道を下って標高が下がるときに、耳がキーンとなり、よく涙目になっている。犬も耳が痛くなったりするのかしら?(犬は喋ってくれないから、症例を聞いたことはないけれど)。もし影響があるのなら、耳の不調で、不安になり→体調不良、クルマ酔いになる、ということもあるかもしれない。擬人化はいけないが、想像力を働かせることも必要である。

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ケージに入れて乗せるのがベスト。助手席や運転席での抱っこは絶対NG。危険運転を誘発する。後部座席でも、抱っこしていた小型犬が、事故の際に弾丸のように前に飛んできて、フロントガラスを突き破って死亡した例を聞いた。運転手の頭部に当たれば、愛犬が凶器になる。犬の乗車方法は真剣に考えたい。網ケージは通風性がよく、折り畳んで移動しやすいのが利点。硬質プラスティック製ケージだと頑丈で事故の際でも破損が少なく、犬の体を保護し、追突された衝撃でハッチが開いてもパニックになった犬が脱走する事態も避けられる。さらに犬が壁面に寄っかかって体を固定しやすいので酔いにくいとされる

 ドライブ時間が長いなど疲労の蓄積でも、体調不良やクルマ酔いを引き起こすことがありそう。クルマ酔いは、耳の中にある三半規管の弱さが原因と聞くが、ニンゲンと同じく、きっと犬も三半規管の丈夫さには個体差があるだろう。だから、どんなに乗る練習をしても、どうしてもクルマ酔いしやすい犬はいるかもしれない。無理はさせないで、個体の様子をよく見て、クルマで連れていくかどうかの判断をしてほしい。

子犬、老犬、持病のある犬はさらに配慮する

 子犬は、三半規管や消化器などが成長段階で未熟なために、よけい酔いやすい。よく聞く失敗談は、子犬を迎えて、まだおうちにも慣れていないくらいのタイミングなのに、つい嬉しくて、帰省や旅行の長旅に同伴させること。実家に新しい家族を紹介したい気持ちも重々わかるが、ちょっと待って。幼い子犬は、ニンゲンの乳幼児と同じで、内臓も未熟だし、環境変化にも弱い。車内で吐いてばっかり、下痢ばっかり、ということにもなりかねない。こうなると犬も可哀想だが、ニンゲンも帰省や旅を楽しめなくなると思う(車内も大惨事になるし)。やはり子犬の場合は、まずは新しい家庭環境、そしてクルマに慣らす練習をする期間が必要なので、この冬休みに同行させることが子犬にとっていいことなのかをよく考え、帰省を諦めることも愛情のひとつだ。

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弟のうちに昨年12月に迎えた、当時生後6か月のイングリッシュ・スプリンガーの福ちゃん。子犬の長旅はよくないが、そうはいっても埼玉のブリーダーさんのところから広島までクルマでドライブするしかなかった(飛行機よりは心身の負担は少ないとは思う)。こういうときはよけい休憩を多めにとり、犬の様子をたびたびチェックするようにしたい。幸い、福ちゃんは大らかなコで、クルマ酔いもなく、全然平気で無事に広島に到着。やはり個体差は大きい

 そして、いろいろと体力や抵抗力が落ち始めている老犬、持病のある犬は、最大の注意を払って無理のない範囲のドライブスケジュールを立てることが望まれる。犬の年齢、病気などによっては、子犬のときと同様に、帰省ができなくなるときが来るかもしれない。私は、先代のワイマラナーを16歳8ヵ月で看取る前の3~4年は、帰省を諦めた。彼に東京~広島間のクルマ移動は酷だし、かといって飛行機移動はもっと無理だと判断した。ニンゲンの親に対して親不孝かもしれないが、犬は自分にとって子どものようなもの。犬が年々老いていき、死ぬまで加護するということは、こういうことも想定して、心の準備をしておく必要がある。

冬であっても犬をクルマに残してよいものか

 年末年始は、熱中症の危険はたぶんないが、寒さがあるので、やはり犬を車内に載せたまま待たせるのは心配だ。いくら犬は寒さに強い動物とはいえ、普段、室内飼育で暖房の効いた部屋で暮らしている犬だと、防寒用のアンダーコート(下毛)がそれほど厚くならない。スムースヘア(ボクサーなど)はもちろん、ショートヘア(ビーグルなど)、ロングヘア(ゴールデン・レトリーバーなど)であっても、室内飼育の犬は寒さへの抵抗力が低いと思われる。

 エンジンを切ったクルマの車内というのは本当に底冷えする。かつて諸般の事情があり、正月に群馬在住の弟の家で、犬が社宅に入れなかったのに、私ったらうっかり夜ごはんのときお酒を飲んでしまった。そこでシニアにさしかかっていた前述のワイマラナーと私は、毛布を借りて車内で寝ることにした(オットと園児だった娘はおうちの中で就寝)。でも、寒くて本気で死ぬかと思った。ほんとに夜中は寒いんだよーーーっ。手足の先の感覚がなくなり、寒くて寝るに寝られず、頭が痛くなってきて......でも次第に寝るのと違う感覚で意識が遠のく感じになった。これは本格的にヤバい? 凍死するかも、それかエコノミー症候群?って怖くなってきた。結局早朝4時くらいにギブアップして、寝ていたオットと小さな娘を起こしに行き、お酒を飲んでなかったオット(彼は私ほどお酒と運転を好まず、基本いつもお酒は飲まないし、助手席が定位置)にお願いして運転してもらい東京に帰ってきた。あとから思えば、最初からそうすればよかったのに、無茶なおバカさんだった。でも親戚付き合いというか、娘も従兄弟たちと久しぶりに遊べる、楽しいお正月ムードに水を差したくないという気持ちがあった。ニンゲンにはニンゲンの事情もあるが、そのしわ寄せが犬にいくのは避けたい。その一心であのような愚行に(涙)。あとで弟が「あの朝、クルマのバンパーにつららが何本かできていたよ」と写真を送ってきた。あなどりがたし、群馬県の冬。

 幸い、ワイマラナーは、私とくっついて毛布の中でスースー寝ていたが、私がいなかったら犬1頭の体温だけではあの車内はそうは暖まらないだろう。やっぱり冬の寒さを甘く見てはいけないと身に染みた一件だった。地域差はあるだろうが、それでも西日本でも吹雪になったり、氷点下になったりする夜もある。犬はニンゲンよりは死なないかもしれないが、凍えて、体力が落ちて、しんどいし、知らない場所で底冷えしてひとりぼっちだと心も不安になると思う。だから、みなさんもどうか気をつけてほしい。

犬連れドライブの基本ルール

 さて。改めまして、一般的な基本ルールを紹介しよう。推奨されるのは、運転手と同様に、犬も2時間おきの休憩タイムをとること。クルマから犬を降ろして、外の空気を吸わせて、歩かせて、気分転換をさせてあげる。そしてニンゲンはコーヒーなどを飲むんだから、犬にも水分補給を忘れずに。夏ほどでなくても、暖房や緊張などで犬も喉が乾く。冬だし、寒いし、「いらないっ」という顔をするコもいるだろうが、とりあえず「お水、飲む?」と毎回聞いてみるようにしよう。意外と急にガブガブ飲んだりするときがある。

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ドライブの休憩時には、犬にも水分補給を

 

 犬がクルマに酔ったら、たいていは嘔吐するわけだが(よって今からクルマに乗せるときはごはん抜きにするか、小食にしておこう。満腹だと吐きやすいし、吐いたときに大惨事になる)、吐く前に以下のような予兆があることが多いから見逃さないようにしたい。

●ハアハアと息が荒くなる(パンティング。呼吸促迫)
●よだれが出る
●気持ち悪そうに、うつむく、じっとする、固まるなど、おかしな様子をする
●車外に出たくて、吠えたり、ドアをガリガリする

 裏を返せば、問題がないときは、手慣れた感じでサッサと丸くなって寝たり、のんびり窓の外の景色を楽しんだりと、リラックスした表情・行動をする。または、家族みんなと行動するのが嬉しくて、興奮してワフワフした歓喜の表情をしているだろう。一方、ゲンナリ、グッタリ、ハアハアなどの、ピンチな表情をしているときは、クルマ酔いか体調不良の合図と思ってよい。

 そんなときは、一般道なら、なるべく早く左に寄せて停車し、犬をクルマの外に出してあげよう。高速道路だとすぐには停まれないが、とにかく急ぎ次のパーキング・エリアに入って休憩をさせる。「まだ大丈夫だろう。じきにハアハアも止まるんじゃない?」などと、ついそのまま走ってしまいがちだが、そうこうしているうちに、ゲロッと吐かれたり、下痢されちゃったりして、車内が異臭騒ぎで大事件になることもある。速やかに安全な場所に停車し、犬を車外に出して、容態を観察した方がお互いのためである。

 外を歩かせて気分転換、心をリセット、水分補給するだけであっさり平気になることもあるし、ウンチを出したらハアハアが止まることもある。ピンチになった原因が何かをよく観察しよう。

 そして再び出発したあとも、またハアハアが始まらないか、よだれはでていないかなどを、同乗者は頻繁にチェックしてほしい。ハアハアがすぐ始まるとか、そのほかの様子もおかしいなどの場合は、休憩時間をもっと長くとるとか、旅先でも動物病院を探して、獣医さんに診てもらった方がよい。とにかく強行突破はしないこと。旅先で子どもが体調不良になったら、どうするだろうか。それと同じケアをすればよいと思う。

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ボクサーは寒がり&暑がりのため、ケージを使用せずに、ドイツ製の犬用シートベルトを使い、リアシートに乗せている。ニンゲンのシートベルトに接続して使う。胸の部分に薄い鉄板が入っている頑丈なもの(安全グッズならではの強烈に光る反射テープ付き)。ちなみに首輪に係留するタイプの犬用シートベルトはオススメしない。事故の衝撃でギロチンのようになる危険性がある。安全テストに合格したシートベルトを選ぼう

自動車損害保険は「レンタカー特約」がおすすめ

 あまり考えたくはないが、万が一の事故を想定しておくことも重要である。中型犬、大型犬は、電車やバスでの移動ができない。だからマイカーで帰省や旅行をするわけだが、もし旅先で、交通事故や故障などのトラブルに遭い、幸いケガはなくても、クルマが走行不能になったとき、「うちの犬はどうすればいいんだ!?」という事態が起きてしまうかもしれない。とくに冬は、路面の凍結、慣れない雪道でスリップ事故などが増える季節である。

 クルマ屋さんの犬友達Sちゃん(でかいワイマラナーのママ)に教えてもらったのだが、そういう場合を想定して、自動車損害保険にレンタカー特約をつけておくとよいそうだ。「自宅か目的地までの公共交通機関(電車、バス、飛行機、船舶、タクシー)を利用した交通費を払ってくれるもの」というサポートの方ではなく(小型犬ならこちらでも大丈夫かもしれないけれど)、「契約車と同等クラスのレンタカー費用をだしてくれるもの」が犬連れドライバーには安心だと思う。

 むろん「レンタカーに犬を乗せてもいいのか」というご意見もあろう。だから日頃からケージを利用しておけば、いざというときも抜け毛や汚れ対策に有効だと思う。でも事故でリアゲートが開かなかったりして、ケージがクルマから出せない状勢も起きかねない。だから友達は念のため毛布も積んであるという。このように非常時でもできうるかぎりの対処はしたいものだが、とにかく、交通事故や故障したときに、その現場に犬を置き去りにして、ニンゲンだけ移動するということはできない。なんとしてでも愛犬と一緒に移動せねばならない。だから保険会社さんも、レンタカー屋さんも、どうかお許しいただきたい(「愛犬家特約」をつくってくれたらもっと嬉しいかも♥)。

 よって私たちは、少々割高になっても、そういうレンタカー特約のついた自動車保険に加入しておくようにしよう。ちなみに、保険会社によって特約の名称やサポート内容の細かいところがいろいろ違う。ザッと調べたところ名称には「レンタカー特約」「緊急時選べる特約」「事故時レンタカー費用特約」「レンタカー等諸費用アシスト特約」などの呼称があった。またオプションでつける特約ではなく、最初からすでに車両保険に基本でついている場合もある。そして細かいルールは各社違う(レンタカーがマイカーと同等クラスかどうかなど。ケージが詰めるサイズのクルマを貸してくれないと困る)。契約前に、細かいことを入念に確認しておいた方がよいだろう。

 ついでに補足。自動車保険のことを調べていたら「犬や猫など動物との交通事故で自動車保険は使える?」という記事を見つけた。シカなどの野生動物が飛び出してきて、クルマがクラッシュする事故のことを最近よく聞く。私も今年は長野県の富士見高原や群馬県の妙義山付近で、大きなシカが目の前の道路を横断するのを見た。交通事故の頻発は、シカやイノシシの数の増大、野生動物の生息地を分断するように幹線道路や高速道路ができたなどの理由が考えられる。シカにまともにぶつかると、シカも死んでしまうが、クルマも廃車になることもあるくらい、ダメージが大きいそうだ。

 もちろん犬を愛する私たちは、野生動物に対しても親愛の情を抱く人が多いと思う。だから、できることなら接触しないように、そういう野生動物の多いエリアでは注意深く走り、スピードもゆっくりめで運転をしよう。野生動物は、とくに暗くなってきた頃の夕刻から早朝にかけてよく活動するので気をつけて。

 ほかにもまだまだ「犬とクルマ」に関して書きたいことはいっぱいあるけれど、それはまたの機会にしよう。

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犬連れ帰省や旅行は何かと荷物が多くなるものだが、楽しさも満載! 安全なドライブで、楽しい冬休みを!

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