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2017.12.26

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元シェアハウス犬ベルの、7歳からの生活見直し日記《番外編》

犬が自由に歩き回る国、ネパールに行ってきました!

街中を歩いているだけで、たくさんの犬たちに出会える国、ネパール。11月、ベルの飼い主である私は、世界最高峰エベレストに向かう道であるエベレスト街道を、母親とともに歩きに行ってきました。ベルブログ、今回は番外編として、日本とは違うネパールの犬をはじめとする動物たちの暮らしぶりについて、レポートします!

#Lifestyle

Author :写真・文=山賀沙耶

犬、牛、サル、ヤギ......動物が身近な国

 私が今まで訪れてきた国の中で、動物との共生の仕方にもっとも驚いたのが、ネパールかもしれません。この11月の旅行は、4年前に続いて2回目のネパール訪問。今回は、ネパールの動物や犬との生活事情について、私の感じた限りのことをご紹介したいと思います。

 カトマンズでよく見かけるのは、犬と、あと牛です。ネパール人の8割はヒンズー教徒ですが、牛はヒンズー教で人気のシヴァ神の乗り物であるため、ネパールの人たちは牛を大切にしているそうです。カトマンズ市内では、信号こそほぼないもののクルマやバイクなどかなりの交通量にもかかわらず、牛が道端に寝ていたりします。それで交通渋滞が起きても、誰も邪魔そうにすることなく、牛を避けて走っていきます。笑ったのは、高級リゾートホテルの門前にある整備された芝生を牛が食べていたこと。それでも、誰も牛を追い払ったりはしていませんでした。

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お寺には牛やハト、犬も。日本ならフン害で問題になってしまいそう

 ネパールの国土の大半を占める山間部では、ヤギやニワトリなどにも出会います。野良と家畜がいるのだとは思いますが、彼らもつながれたり囲われたりはしておらず......。「誰の持ち物かわかるのかな? いなくなっちゃわないのかな?」と心配になってしまうほどです。

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トレッキング中に出会った子ヤギ。動物たちは基本的に人を怖がらない

 犬は、首都カトマンズのクルマや人が行き交う中でも、観光地となっているお寺の敷地内でも、ヒマラヤののどかな山の中でも、どこででも見かけます。彼らは用ありげに道を歩いていたり、人々が集まって団らんしている傍らでくつろいでいたり。まるで、人と同等に意思が尊重されているように見えました。
 山間部で出会うと、彼らは「こっち、こっち」と道案内をするように、人懐こく私たちの前を歩いていきます。ところが、これ以上はついて行けないというラインがあるらしく、必ずどこかで引き返して帰っていきます。縄張りもある程度決まっているようで、牽制し合う姿を見かけることもありますが、本気のケンカには発展していませんでした。どうやら、彼らには彼らなりのルールがいろいろあるようなのです。

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ナムチェ唯一の病院へ向かう途中に出会った犬。病院まで案内してくれた

命ある動物を所有するということ

 日本では、物や土地、動物などすべてが誰かの所有物と決まっていて、自分の所有物は自分で管理するのが当たり前。だから、自分のものを人にあげるときには、貸しを作ったとか、恩義のようなものを感じてほしいとか思ってしまいます。
 ところがネパールでは、それは少し違うように思いました。

 ネパールは世界的に見て、それほど豊かでもないし、発展してもいない国かもしれません。カトマンズでも1日数回は停電するし、人々は小川で洗濯しています。それでも彼らは、動物の存在も尊重し、食べ物を分け与え、ともに生活しているようです。街中や山中で見かける犬や牛、ヤギ、ニワトリ、ハト、サルなどの動物たちは、決して飢えてやせ細ってはいなかったのです。

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スワヤンブナートというお寺は、通称「モンキーテンプル」と言い、境内にサルがいっぱい。ここでは「犬猿の仲」ということわざは通じないよう

 また、ネパールでは肉は豪華な食事のときにいただくもので、普段は穀物と野菜を中心にし、動物性タンパク質は卵などでとっているようでした。それは貧しいからとも言えますが、考えてみれば毎日のように動物の肉を食べる生活をするには、どこかで無理な生産システムを作らなければならなくなります。それなら、「肉は特別なときに食べるもの」という考え方は、持続可能な生活をするうえで理にかなっているように思えます。

 ネパールの人と動物の暮らしぶりを見て、カルチャーショックを受けるとともに、今まで自分が当たり前と思っていた価値観が見事にひっくり返された気分でした。
私たちはつい、物も動物も管理下に置いて自分の思い通りにしようとする。しかし、自分が生きていくのに必要なもの以上に、何かを所有する必要があるのだろうか。自分が生きていくのに十分なものを持っているのであれば、自分より足りていない人や動物たちと共有するほうが、ずっと豊かな暮らしなのではないだろうか......。そんなことを考えずにはいられない、ネパール滞在でした。

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山間部では、ラバ(ウマとロバの交雑種)やゾッキョ(ヤクと牛の交雑種)が荷物運びで大活躍している

ネパールの動物たちのアニマルウェルフェア

 自由に街や山を歩き回り、高台から街を見下ろしたり、自分で家に帰っていったりするネパールの犬たちの姿を見ていると、「犬って本来はこういう行動するんだ!」とハッとさせられることがあります。
アニマルウェルフェアにかかわる「5つの自由」的に言うと、彼らには「(4)正常行動を発現する自由」が溢れているようです。ただ、「(3)痛み、けが、病気からの自由」あたりはなさそうですが......。このあたりは、国が発展していくにしたがって、逆転していくのかもしれません。

 また、母いわく「私が子どものころは、日本にも野良犬が普通にいたよ」とのことで、もしかしたら昔は日本にもネパールと同じような状況があったのかもしれません。とはいえ、現在の日本がネパールの状態に戻ることはないだろうし、おそらくネパールの犬事情も10年後にはまた違ったものになっているでしょう。どちらがいいとか悪いとは、一概には言えません。

 ただ、今現在の日本とはまた違った犬との付き合い方もあるのを知ることは、今の自分たちの犬との暮らしを見直す、いいきっかけになるはず。ネパール旅行、動物好きの方にはオススメです!

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高台から美しい山々を眺める犬。何を思っているのだろう

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