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2017.11.16

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犬の飼い主に求められること vol.8

身近にある犬にとっての危険なもの

チョコレート、玉ねぎ、アボカドが犬にとって危険なことは多くの飼い主が知っていること。しかし危険なものは、食べものだけじゃない。私たちの身の回りにある犬にとって危険になり得るものを一度見直して、愛犬の怪我や病気の予防を考えてみませんか?

#Activity / #Lifestyle

Author :文・写真=五十嵐廣幸 写真=sarii

骨は危険?

 骨を犬に与えることを好まない獣医もいる。またその逆で骨を与えることを良しとする獣医もいる。それは犬が骨を食べたことによって引き起こす下痢などの健康へのリスクが存在するからだと私は考える。私の場合は週に1度もしくは2度ほど、スーパーマーケットや精肉店で買った生のままの新鮮な羊の骨付き肉を愛犬に与えている。

 骨を与える際に大事なのは、火を通さなくても犬が安全に食べられる新鮮なものであるということ。なぜなら骨の多くは火を通すことによって割れやすくなり、犬がその骨を噛んだ際、骨が鋭く裂けたり、割れたりして、喉や口に刺さるというリスクが潜んでいるからだ。生肉や骨を犬に与える賛否は飼い主本人に任せるとして、骨を犬に与える際にもう一つ大事なのは、「家を外出しないこと」が挙げられる。

 ある夜、私の友人が愛犬に骨をあげて暫くしたあとに様子を伺ったら、犬は骨を喉に詰まらせてもがいていたという。慌てながらも友人は救急病院に駆け込み、大きな骨は安全に取り除かれたが、当時の獣医の診断は「最悪の場合、開腹手術の可能性もあった」という。治療費は日曜日、夜間の緊急対応もあってか、おおよそ30万円ほど掛かったそうだ。治療費はともかく、もし飼い主不在のときに、犬がそのような状態になっていたら?そう考えると骨を与える際は「飼い主が犬と一緒に入られる時間帯」というのがリスクを減らす一つになると私は思っている。そして夢中で骨を食べている犬に問題が起きてないか?と、私は少なくとも10分間隔でカーテンの隙間からこっそり様子を見ることにしている。

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ネズミ、カタツムリの薬

 オーストラリアでも日本同様ネズミの被害が多い。私も数回ネズミの駆除をしたが、その際は「薬」は使わず、原始的な方法であるがいわゆるネズミ取りを用いて一匹ずつ捕獲をした。薬を使わない理由として、オーストラリアで市販されているネズミ駆除の薬は、餌に混ざった毒をネズミが食べると、喉が渇き水を求めて家の外に出て行くという効果のものがほとんどだからだ。しかし犬や猫などの動物を飼っている家では、飲み水はいたるところに置いてある。庭だけでなく、室内にも必ずある。そうすると「その毒薬」を食べたネズミは、家の外に出ることもなく、室内にある犬の水飲みで喉の渇きを解消することになる。当然、その水飲みの器や水にはネズミが持っている菌が付着することになるだろう。

 ネズミの菌は、犬だけでなく人にも感染する危険性がある。有名なのはレプトスピラ症だろう。ネズミ自身は、この菌に感染していても発症することがなく、これらの菌はネズミの糞などを通してばら撒かれる。レプトスピラ症は、「不顕性型」「出血型」「黄疸型」の3つの型に分けられ、それぞれ症状が違う。代表的な症状は高熱、下痢や嘔吐、食欲不振などだが、「不顕性型」だけは症状があらわれない。犬がネズミを咥えたのを見た、食べたのを見たと明らかな場合には、下痢などの症状の原因が「ねずみ」と結びつけることができるだろうが、誤って口に入ってしまった糞が引き金になった場合、飼い主にはすぐにその原因がわかりづらいものがあるだろう。外では防ぐことが難しいネズミ対策だが、せめて家の中ぐらいは、犬にも人にも安心して暮らせるように予防が必要だと思う。

 カタツムリはオーストラリアでは害虫であり、当然カタツムリがいる庭などに毒薬を撒けば犬が口に入れてしまう可能性は必ずある。「でんでんむしむし」と子どもの頃に歌を通しても馴染みのあるカタツムリを害虫と思えない私は、無理に薬をつかって駆除しようとは思わない。気をつけるべきは、犬などを飼っていない家に訪問した際や、新居への引越しで、前の家主や周りの住人がそれらの薬を使っているかもしれないこと。念には念をいれて犬の安全のため、友人などに素直に質問してみることを勧める。

植物、作物用の培養土

 庭と犬という、とても微笑ましい組み合わせであるが、実は、植物やガーデニングで使う培養土(オーストラリアではpotting mix もしくはpotting soilとも呼ばれる)は、犬にとっても気をつけるべきものの一つだ。

 培養土は腐葉土、砂、石灰や肥料などを混ぜわせた土であるが、これらの土の中にはレジオネラ菌が含まれている危険性とそれによる発病がウエスタンオーストラリアのDepartment of Health(日本の厚生労働省のような機関)で発表された。それに伴いオーストラリアで売っているガーデンニング用の土の袋には注意書きとして

・必ず手袋やマスク、目を防止するためのゴーグルをつけること
・土を袋などから出す際は、その土の舞い上がった際の吸い込みに注意すること
・土を触った際は必ず、手を念入りに洗うこと

 などが書いてある。この培養土に含まれる菌についてはオーストラリアの話で、日本にあてはまるかどうかは不明だが、注意しておくことに越したことはないと思う。

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シクラメンやポインセチアなどは犬にとって危険な植物になる

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誰かが捨てた空き瓶が割れた結果、無数の危険物になってしまう。

 また、自宅の野菜クズなどの生ゴミなどを土に返すいわゆる「コンポスト」を使っている家も犬がそれらを誤って食べないように気をつける必要がある。当然だが私たちの食べて捨てた、アボカド、ブドウやレーズン、とうもろこしの芯などをコンポストボックスに入れる際は、犬が近づけない対策をする必要がある。

フェンスや壁などの針金や釘

 家の前を他の犬が通ると、「ここは僕のテリトリーだぞ!」と警告するためににフェンスに接近する犬は、勢い余ってとび出ている針金や釘、留め金で目などを傷つけるケースも少なくない。古くなっている金属部分やフェンスの結合部は意外に見落としがちで人間の目線に入らないことも多い。犬の目線に立ち、ぜひ一度、じっくりと調査しながら修復してもらいたい。

口は大事なコミュニーション器官

 口や歯を使ってモノを掴み、なにかを持ってくること、吠えること、食べること、舐めること、犬にとって口は大事なコミュニケーションの手段だ。使うことが多い分、必ずリスクもある。危険なものを誤って口に入れないこと、それを予防する必要性。もうすぐ12月、大掃除とあわせて一度、家の中、庭など犬の行動する場所のチェックをしてみてほしい。

■参考資料
http://www.health.wa.gov.au/press/view_press.cfm?id=548

◎プロフィール

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五十嵐廣幸

オーストラリア在住。元dog actuallyライター。週末は愛犬と一緒にSheep Herding(羊追い)をして過ごす。サザンオールスターズ、クレイジーケンバンド、そして動物を愛す。犬との生活で一番大切にしているのは、犬が犬として生きるためのクオリティ・オブ・ライフ。

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