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2017.11.13

実は大切な、犬を「預ける」練習<前編>

ペットホテルって犬にとってストレスなの?

荒田明香 東京大学 大学院農学生命科学研究科

飼い主の留守中、ペットホテルなどに預けられることは、愛犬にとってストレスになるのでしょうか。ときにはどこかに預けて、その状況に慣れさせておくと、いざというときに愛犬にとっても飼い主にとってもプラスになるかもしれません。犬にとって預けられるとはどういうことか、また預け先の選び方や、預けるときの注意点などを、東京大学の特任助教・荒田明香先生に聞きました。2回に分けてお送りします。

写真=大浦真吾 文=山賀沙耶

#しつけ / #健康

預けられる可能性がゼロの犬はいない

 旅行や出張などのとき、愛犬をどこかに預けて出かけるのは後ろめたい、と思っている飼い主は多いだろう。また、犬がいるから海外旅行に行けない、という話もよく聞く。それでは、犬をどこかに預けることは、本当に犬にとってストレスになるのだろうか。

「犬にとってストレスの少ない、安心できる状況とは、いつもの環境にいつものメンバーでいるとき。そこから外れると、よくも悪くもストレスになる可能性はあります。
 ただ、今後その状況を常に続けられるかというと、100%できるとは言えないはず。それなら、いつもと違う状況にも極力慣れておいたほうが、犬にとっても飼い主さんにとってもいいのではないでしょうか」
と、荒田先生は話す。

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 愛犬を預けることを避けられない状況として考えられるのは、身内の不幸や、飼い主の入院や死亡、犬自身の入院、避けられない出張、大災害など。これらのことがいつ、誰に降りかかるかは、誰にも予測できない。つまり、いざこれらのことが起こってしまったときに慌てなくて済むように、日ごろから愛犬をどこかに預けなければいけない状況を想定して、慣らしておくとよいだろう。
 また、愛犬を連れて出かけることが、愛犬を大切にしていることだと考えている人もいるかもしれない。しかし、極端に言えば、どこかに預けられるよりも、旅行に連れて行かれることのほうがストレスになる犬もいるのだ。

ホテル、病院、トレーナー・・・・・どこに預ければいい?

 ひと口に「犬を預ける」と言っても、預け先にもいろいろある。以下に、代表的な預け先と、そこに預けるメリット()とデメリット(×)をまとめてみた。

【動物病院】
・・・・・健常時に預けて慣らしておくと、いざ入院となったときにも馴染みのある場所である分、ストレスが少なくて済む。医療スタッフが見ていてくれるため、安心できる。また、病気や高齢など健康状態に不安があっても預けられる。
×・・・・・施設やその日の診察の混雑状況にもよるが、基本的に狭いケージで過ごすことになり、フリーの時間が少なく、あまりかまってもらえないケースが多い。

【トリミングサロン併設のペットホテル】
・・・・・普段併設のトリミングサロンを利用している場合、環境やスタッフに慣れていてなじみやすい。散歩や運動、フリーの時間などのあるところが多い。
×・・・・・病気になった途端に預かってもらえなくなる場合がある。

【ドッグトレーナー経営のペットホテル】
・・・・・普段レッスンを受けているトレーナーの場合は、慣れていてなじみやすい。また、職業柄、環境が整っている可能性が高く、問題行動があるなど扱いの難しい犬も預けやすい。
×・・・・・トレーナーの考え方やレベルはさまざまであり、犬への影響は未知数。
※訓練目的で預けることはあまりおすすめしない。なぜなら、しつけは飼い主も一緒に学ばなければ意味がないため。

【知人宅】
・・・・・一般家庭という環境のためなじみやすく、目が行き届きやすい。
×・・・・・万が一事故があったときに、責任の所在が不透明。

 また、預けるのとは少し違うが、ペットシッターを頼んで自宅に来てもらい、食事や散歩などの世話をしてもらうという方法もある。いつもと同じ環境で世話してもらえるため、環境変化の苦手な犬にとってはストレスが少ない。ただ、他人に自宅の鍵を預け、留守中に鍵を開けて入ってもらう必要があるため、日本人には抵抗のある人が多いようだ。

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愛犬をよく知ることが、適した預け先探しにつながる

 いずれの預け先にもメリット・デメリットがあり、どこが合うかは犬によって違う。それでは、何をポイントに預け先を選べばいいのだろうか。
 チェックしたいポイントは、大きくは以下の3点だ。

① 環境...ケージかフリーか、散歩やドッグランでの遊びなど運動の時間はあるか、など。
② 他の犬との絡み...個室なのか他の犬と同じ空間なのか、同じ空間の中でも仕切りはあるか、など。
③ 世話する人...獣医師や看護師なのかトリマーなのかトレーナーなのか、普段から慣れている人か、男性か女性か、など。

 この3つのポイントを中心に、愛犬にとっては何がストレスになりやすいのか、優先順位を整理してみよう。
「例えば、病院が恐くて仕方がないコを病院に預けるのは酷でしょうし、たとえ仕切られていても他の犬が近くにいるだけで緊張してしまうコの場合は、ペットホテルや病院は不向きかもしれません。また、犬種的・性格的・年齢的にたくさんの運動が必要な場合は、運動量を確保できることを条件に探したほうがいいでしょう。いずれにしろ、愛犬にとって適した預け先を見つけるには、まず愛犬が何をストレスに感じるのか、逆に何が好きなのかを、飼い主自身が知る必要があります」

 愛犬と一緒に過ごす時間も大切だが、必要なときには預けられるようにすることも、飼い主の重要な責務の一つだろう。

>>後編では、愛犬についての情報の伝え方や、準備したい持ち物、しておきたいトレーニングなど、実際に愛犬をどこかに預けるときに必要なことについてまとめます!




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