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2017.10.02

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シェルターボランティアで学んだこと vol.16

遊びのスタイルや高い身体能力。犬の魅力に触れた1年半

15回にわたってお伝えしてきたボランティア体験記もそろそろ区切りをつけたいと思います。帰国してすでに1年以上をすぎた今も、ふとした瞬間にシェルターで学んだことや接した犬たちのことを思い出します。そこで、これまでお伝えする機会がなかったけれど、とても印象に残っていることを、前後編に分けていくつかご紹介したいと思います。

#Lifestyle

Author :写真・文=古川あや

プレイスタイルのいろいろ

 犬にも恥ずかしがり、遊び好き、孤独を好む、人間といる方が楽しそう、と大まかなタイプ分けができることは犬の飼い主なら気づいていると思います。ちなみに私の犬は、とにかくボール遊びが好き。ドッグランに行っても遊ぼうとよってくる他の犬とかけっこしたりはせず、ボールをせっせと集めていました。かけっこして遊んで欲しいなあと思いつつ見守っていましたが、シェルターの講習で犬にも好きな「遊び方」があることを知りました。

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追いかけっこをして遊ぶ犬たち。スピードのあまり、ジャンプして他の犬を避けた

 講習では、実際の動画で見ながらいろいろなプレイスタイルを学び、それぞれに注意すべきポイントを教えてもらいました。
 代表的なプレイスタイルは以下の通りでした。

1.ポリスタイプ
集団には入らず、離れた場所から遊びを観察している。問題が起こりそうになったら介入してくる

2.チェイサータイプ
追いかけたり、追いかけられたりが大好き

3.ラフプレイタイプ
ラグビーのようにタックルしたり、顔や首に噛み付いたり、地面に叩きつけるような激しい遊びを好む

4.引っ張りっこ遊びタイプ
おもちゃなどを引っ張りあって遊ぶ

5.人と遊ぶタイプ
人といる方が好き

 それは、まるで私たち人間にもチームゲーム好きな人もいれば、格闘技系に燃えるタイプ、ボールを追うテニス派、一人で筋トレしたい人、そして競技するより観戦して解説するのが好き、といった風にそれぞれ好みが分かれていることと似ています。

 おもちゃ禁止、人間は犬とコンタクトしない、というルールのあるプレイグループでは4、5は基本的にはありませんが、講習を受けたあとは、プレイグループの見守りも、より自信を持って臨めるようになりました。同じ遊びのタイプの子がメンバーに揃えば、ほんとうに楽しそうに遊びます。でも、ラフプレイの場合は興奮が高まりすぎるとトラブルに発展しますし、チェイサータイプのコが1頭をターゲットにしたり、子犬や小型犬を追い詰めたり、という状況も、ボランティアが介入しなければなりません。もちろん、ポリスタイプのコがいるときは、そのコが素早くやってきて横からワンワン吠えて警告してくれます。

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リードをつかって引っ張りっこ遊びを始めたコたち

 ちなみに、ラフプレイタイプのコの遊びは、そういう遊びを見慣れていない私には、最初はケンカにしか見えませんでしたが、ボランティアリーダーの介入のタイミングに接するうちに見極め方がなんとなくわかるようになりました。
 遊び上手なコは相手によって遊び方を上手に変えてくれますから、とても貴重な存在でした。vol.8でお伝えしたように犬同士の相性も大切ですが、プレイスタイルが合わないコと遊ぶことは、犬にはストレスとなります。同じ年ごろの犬同士、同じくらいの体格のコたちはよく遊ぶ印象がありますが、自分の犬のプレイスタイルを知ることは、気の合う遊び相手を探し、ストレスや危険のない遊びの場を作るためにとても大切なことだと思いました。

3mのフェンスを越えた「ジャンパー」

 さて、プレイグループで犬たちは自由に動き回りますが、大型犬の活発な犬にとって、バックヤードの1メートル20センチほどのフェンスはその役割を果たしません。「ジャンパー」のメンバーがいるときは、普段とは違う目配りが必要です。例えば他の犬とスペースを分けようとしても、軽々とフェンスを越えてくるからです。そんなときは3メートルほどのフェンスで囲まれたエリアで対応しますが、そのフェンスさえも越えて一人でシェルター内を散歩していたコがいました。

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偶然撮影していた動画より。1m20cmの柵は軽々ジャンプ

 ピットブルミックスのメス犬で、ボランティアから人気のコでした。自由に歩いているのを最初に見つけたのは、ちょうど散歩のボランティアから戻ってきた私でした。ニコニコっとこちらに近づいてくる姿を見て、にわかには状況がつかめず、動けませんでした。私があんまり驚いていたせいか、2、3歩近づいて、さっと踵を返してプレイヤードの方へもどって行きました。
 ケンネルの掃除中にバックヤードでフリーにしていた時の出来事で、担当のスタッフは真っ青。足をかけられる網状のフェンスだったとはいえ、あの3メートルの柵をよじ登るなんて......。事故につながりかねない困った行動ではありますが、フェンスをよじ登ってもシェルターにとどまっているのですから、そこに柵があったから登ってしまった、ということなのでしょう。なんだかかわいらしく思いました。

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カゴに片付けたおもちゃを取り出そうと垂直跳びでかなりの高さまで飛び上がるハウンド犬

犬のさまざまな才能や表情に触れた

 また、散歩のボランティアでは、犬と私、1対1でのお付き合いとなります。散歩をしたことがないのではと思われるコも少なくなく、ケンネルの中に入って、引っ張りの激しいコにはイージーウォークハーネスを付け、Adopt meのジャケットを着用させるのがまた大変。ピョンピョン跳ねながら飛びついてくる大型犬の勢いには時に恐怖を覚えることもありましたが、とにかくあわてず穏やかに静かに接することを心がけました。

 散歩ボランティアでは、散歩中に犬が何に反応するかを共有しあっていました。ジョギングする人に反応する犬、自転車を追いかけようとする犬、他の犬に吠えかかる犬とさまざま。これらは一般的に好ましくない行動ですが、トリーツをつかってうまく意識をこちらに向かせたり、場合によっては他の犬と行き交わないように、さまざまなルート変更を行ったりしてしのぎます。
 怖くて外へ出られないコもいましたが、そんな時は、他のボランティアと散歩が好きなコと一緒に散歩に連れ出しました。仲間がいれば勇気がでるのか、先を競うように散歩を楽しみます。

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右の犬は1頭ではうずくまってシェルターの外は散歩できないが、左のコが一緒なら笑顔で先を競って歩く

 シェルターでボランティアしたことでほんとうに多くの犬たちと接することができました。大きなコ、小さなコ、それぞれとても魅力的でした。犬たちが持つ特技にびっくりしたり、感動したり。私はこれまで犬という生き物の本当の姿を見てこなかったのかもしれないと思いました。

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