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2017.09.28

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クパメル隔週レポート「笑う犬には福てんこ盛り」vol.5

防災、愛護週間、捨て犬......書きたいことは次から次へと湧いてくる

9月は、防災の日に始まり、9月20日〜26日は動物愛護週間もあって、1年で最も動物関連のイベントが多い月ではないかと思う。民間主催のものあり、行政主催のものもあり。さまざまな催しやセミナー、勉強会などが開かれていた。面白そうなものが重なっていて、全部回れないのが悔しいくらいだ。愛護週間のイベントの中にも、防災に関連したものもあった。愛犬を大事にする気持ち=被災したときに愛犬を守りたいという気持ち。反対に、被災したときに犬を連れて行けないジレンマ(好き嫌いの感情論だけではなく、人畜共通感染症や動物アレルギーなどのこともあるから、ゾーン分けなどいろいろ考えねばならないことは多い)。それと、別の話で、今なお犬がいっぱい捨てられている現状。これからの課題はまだまだ山のようにいっぱいあって、考えれば考えるほど、頭から湯気がでそうになる1か月だった。

#Activity / #Lifestyle

Author :写真・文=白石かえ イラスト=白石トオル

出張は楽し〜♪現場は楽し〜♪ でも産みの苦しみがやってくる 

 9月後半は、神石高原(広島県)、那須(栃木県)、館山(千葉県)と、お出かけが多かった。私は、出張が大好きだ(特にクパメルと一緒に行けるロケが大好き♪)。けれども、出張や取材に行けば行くほど、その後書かねばならない原稿が増える。さらに、無事に書き上げた後には校正(最終原稿チェックのようなもの)も忘れた頃にやってくる。書いた記事の本数が多ければ多いほど校正も増えるので、なんだか慌ただしい。それに次の取材のアポ(アポイントメント。取材日時などの約束)も取らなくちゃ。取材に行く前は、取材先へ企画書を送ったり、アポを確認したり、飛行機や高速バスのチケット取ったりと、これまたなんだか細々した仕事がある(こっちはライターの仕事というよりも編集者の仕事ですね)。

 いろいろな進行具合の別の仕事が同じ日に4本くらい同時進行すると、もう脳味噌が爆発寸前。頭から湯気出そう。いつの間にか夕方になってしまい「ああ、しまった。もう先方に電話するのはマズイ時間になっちゃった!」と翌日に持ち越したり、ハッと気がつくと夜ごはんの時間を突破しても、キーボードを打ち続けていたりする。必死にやっていると周りが見えなくなる。時間もわからなくなる。スマホにメールが来てもうっかりスルーしてしまう。今日だってもう15時間、椅子に座り、パソコンの前から動いてない(あ、いかん、クパメルの散歩に行かなくちゃ)。

 ライターをしていると言うと、ときに「カッコいいですね〜」などと言われるが、実情はそんなことないのだ。かなり3K(きつい、腰が痛い、腱鞘炎)な仕事である。ついでに言うと、うちのオットは会社勤めのグラフィック・デザイナーだが、こちらも内情は全然格好良くない。私は彼のことを4K(暗い、臭い、厳しい、腱鞘炎。註:臭い=徹夜になって会社に泊まり、明け方お風呂のために帰ってくるから)だと思い、陰ながら応援している。

 まあ、しかし! このように取材に行って、現場の空気を吸い、現場の人に直接会い、お話しを聞けて、それを記事にして世に出せるというのは、とてもやりがいのある仕事である。しかも私は、犬の原稿ばっか毎日書いているのだ。ありがたいことである。3Kでもいいもんねーー。もっともっと日本の犬たちが「5つの自由」に則した生活を当たり前に手に入れられるように、犬も飼い主もハッピーになれるように、どんどん原稿を書いていかなくちゃ。書きたいことはまだまだ山ほどある。こんなに書いているのに、尽きることはない。

「殺処分0」も大事だけど、「捨てる人0」も広めたい

 そして、今回また現場に行って改めて痛感したこと。「犬を捨てないで」。こんな、子どもだって知っている当たり前のことを、今の大人はできていない。なんで、未だに犬を捨てるんだ? なんで、こんなにまだ動物愛護センターなどに続々と犬が持ち込まれるんだ? なんで? どうして? これじゃあ全国の、動物福祉団体や愛護団体、一時預かりさんなどが頑張っても頑張っても、終わりが来ない。彼らが毎日自分の時間を削って、身銭も切って頑張っているのは、<捨てる人>を助けるためじゃない。何かが間違っている。おかしい。虚しい。

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ピースワンコ神石高原シェルターの、森のドッグランを上がったところにあるティアハイム。今年の春すぎに産まれた若犬(乳飲み子の状態で保護された子、妊婦犬が保護されてここで出産した子)がたくさんいた。譲渡相談可。見学もできるので、里親検討中の方はぜひ遊びに行ってみてね

 やっぱり、犬を捨てない社会にしないといけないねっ。当ったり前だけど。殺処分"0"にするよりも前に、捨てる人"0"にしなくちゃいけないんじゃないかな。じゃあ、いったい未だに誰が捨てているんだよ?と考えると、いろいろなパターンが浮かんでくる。括弧内は私の「心の叫び」ですっ!

■繁殖業者がいらなくなった元繁殖犬を捨てる
「捨てるなよっ!」

■繁殖業者が売れ残った犬を捨てる
「命があるものなんだから、過剰生産するのはもうやめようよ。在庫は持たずにせめて受注生産に切り替えてよ」

■個人の飼い主が捨てる
「ショップで一目惚れする気持ちはわからなくもないけど、買う前に、その犬種のことを自分でちゃんと調べて、自分のライフスタイル、経済力、忍耐力、体力などに見合うのか、15年ほどの犬の人生<犬生>をまるごと引き受ける覚悟があるのか、その犬種にふさわしい環境や幸せを与えることができるのかなどを十分考えてから買ってよ。転勤があるから引っ越すかも、次は犬OKの住宅を確保できないかも、などそういう可能性があるのなら、今飼うのは我慢しようよ。あと病犬や老犬になって、みすぼらしくなったとか、獣医療代がかかるとか、介護が大変だとか、これなら新しい子犬を買った方がいい、なんて言う人は最初から飼わないでください。
それと、犬は捨ててもいいんだと、子どもに教えないでほしい。子どもの心はたいそう傷つく。あるいは、その子が大人になったときに、同じように捨てる人になってしまうかもしれない。親の背中を見て、子どもは育つのだから」

■個人の飼い主の親族が捨てる
「高齢者が飼育していたけれど、その方が入院した、老人ホームに入った、亡くなった、などの理由で、親族が捨てる。近年増加しているケース。これもなんとかならんかねー。おばあちゃんが人生の最期に可愛がっていたコを代わりに可愛がってほしいなー。でも、住環境などの諸事情でそうもいかないのかなー。老人ホームに犬も一緒に入所できるようになるといいなー。ともかくこの親族など飼い主以外の人が捨てる場合に関しては、人間(元の所有者)のエゴの塊で「捨てる」とはちょっと違う、いかんともしがたい事情もあるだろうから、ここでは犬のセーフティネットとして、ティアハイムやシェルターが存在する意義があるのかなーと思う」

■個人の飼い主がうっかり繁殖させちゃった子を捨てる
「屋外につないで飼っているなら、オスなら去勢手術、メスなら避妊手術をちゃんとしようよ。じゃないと、いつのかにか赤ちゃんがおなかにいたり、よそのメス犬を妊娠させたりしちゃうよ。オスの飼い主、メスの飼い主、両方に責任があるよ。室内飼育でも確実な繁殖管理ができないのなら同様」

■地方では「親子代々、野犬やってます」みたいな、人間に一度も飼われたことがない顔つきと性質の、ディンゴみたいな野生的な雑種犬がいる
「でもこれも元はといえば、いちばん最初は上記に述べた理由で、人間が野山に犬を捨てた結果だと思う」

 こんなものかしら。まだほかにもありそうだけど。とにかく、この件に関しても「5つの自由」同様に、どんどん書いていかねばならん。と、心新たに決意した次第であります。

 〆切に追われて頭がパッカーンとなりそうなのに、さっきまで防災の原稿をガンガン書いていたのに、急に動物愛護週間的な脳味噌になって、一気に書いてしまった。それくらいシェルター見学をすると、心が締め付けられる(毎度のことではあるが、慣れることはない。慣れてもいけない)。とにもかくにも、犬は捨てちゃだめだ。この感覚がデフォルト(初期設定)になる日本になろう。今はまだ、どうやら口では「犬を捨てちゃだめ」と言っているくせに、そうでない人や業者がいっぱいいるようだ。そんな人たちが捨てにくくなるような、捨てることが許されない世論に変えていこう。

 安易に犬を手に入れる前に......

・そういえばなんで自分は犬が欲しいのか
・約15年その気持ちが持続するのか
・家族は協力してくれるか

 少なくともそのくらいは家族会議してから、犬を家族に迎えよう。繁殖業者や多頭飼育者が崩壊したりしないよう、そうなる前にチェックできる法律もできるといいね。そして、子犬を金儲けのために大量生産する子犬工場(パピーミル)がなくなるように、純血種が欲しいならいいブリーダーさんを必死で探そう。また犬種にこだわりがないのなら、保護犬を迎えるという選択肢を検討してみよう。譲渡会に何度か通っているうちに、運命の出会いがあるかもしれない(それでも衝動的に決めるのではなくて、よぉく考えてね)。

担当編集M:繁殖流通、殺処分の問題は、ほんとに根が深いですね......。これはこれで、犬のメディアとしてしっかりと向き合って情報発信していかないとなと、僕も今回の広島取材で改めて感じました。シェルターは、多くの方に見てほしいですね。現場を見るだけで、感じるものは必ずあるはず。このあたりは、またちゃんと企画立ててやりましょう!

 まだまだ書きたいけど、またもや文字量をすでに突破しているので(ヤバい)、それでは9月後半のクパメルレポート、いってみましょー。

【9月13日(水)〜14日(木)】
 docdogの編集Mさんと一緒に、広島県神石郡神石高原町のピースワンコ・ジャパンへ取材に行く。私は前日の夜からひと足先に広島入りさせてもらい、翌朝、Mさんと合流。レンタカーで神石高原町へ。私は、神石高原に行くのはこれで3回目。今回は記事に関係ないのに、お願いして、新しく造られた第三犬舎も見学させてもらった。さらに新しい犬舎も新築中だった。これだけの規模の犬舎を造り、スタッフを雇い、犬たちに十分な栄養、運動、世話、獣医療を行うためには、やはり強い組織力や経済力が必要だ。うーむ、それにしてもこれだけの数が収容できるのはいいことなんだろうけど......これだけの数が捨てられている現状に、なんとも言えない気持ちになった。どうにかならんものか。どうしたら日本の価値観を変えていけるのだろう。と、帰りの飛行機の中で悶々とした。

 でもね、今回の取材のメインテーマは災害救助犬のこと。そっちの取材はとても楽しかった、勉強になった。そちらの記事は別記事に書いたので、読んでね〜。

担当編集M:弾丸取材、強行した甲斐ありましたね~。やっぱり、現場が大切だなと。目で、耳で、仕入れた情報と肌感覚(ここ意外と大切)で記事を作る。大変ですけど楽しいっ♪

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災害救助犬の訓練を見学させてもらった。救助犬候補生のゼルダは、別のところに隠れている人を探してアラート(告知)するはずだったのだが......撮影している編集Mさんのニオイに気がついちゃった。ゼルダ、それも大正解! 犬の目の高さでは、コンテナの上のMさんは見えない。写真を撮っている人か遭難している人か、違いはわからないもんね。ゼルダ、正しい!

【9月16日(土)】
 クパメル、マスコミ作業犬として仕事した雑誌が発売となった。『I'm home』no.90号。特集は「LIFE WITH CATS&DOGS 猫と暮らす、犬と暮らす 快適で美しい住まい」。この雑誌はハイエンドな暮らしを提案するインテリアや建築系の雑誌なんだけど、私はかれこれ15年ほどこの雑誌で、コンパニオンアニマルのことを書かせてもらっている。犬専門誌でなく、一般誌に記事が書けるというのは、また違った意味で嬉しい。犬専門誌を買わない層の人たちにも、犬の習性や行動、動物福祉などについて知ってもらえるきっかけになるかもしれない。犬雑誌を買う人、一般誌を買う人、犬web記事を読む人......、さまざまな層の人に、正しく犬のことを知ってもらう情報を届けたい。だからそういうチャンスを逃さず大事にしていく。草の根的であっても、それが世論を変えていくことにつながるんだって本気で思っている。

 あ、それからこの特集では、犬友達たちに声をかけて、撮影モデルを手伝ってもらった。撮影したのは15頭(12犬種)。あっという間に揃い、順調に撮影をこなすことができて、ありがたかった。さすが、わが犬友達! 感謝♪

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『I'm home』no.90より。クーパーとメル、マスコミ作業犬としてきっちりいい仕事をしてくれた。私の大事な仕事の相棒なのだ

【9月19日(火)】
 Y社のweb用の記事のために、那須日帰り取材に行った。この企画もまた「犬と一緒に!」がテーマのため、クパメルを撮影モデルとして同伴。るんるん♪ でも、ひとりで2頭連れは、管理不行き届きになる可能性があり、かつ私はカメラ班も兼任するため犬係が必要。というわけで、もれなくオットを強制連行(有給休暇取ってもらった。ここでも悪妻ぶりを発揮)。取材という名の、日帰り旅行ーーーっ♪という浮かれた気分がよぎりながらも、失敗は許されないから内心、緊張感いっぱいで、那須の1日を過ごしてまいりました。今度はプライベートで完全に浮かれた状態で、那須を満喫したいぞ。

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那須のロケでは、ゴンドラにも乗ったのだーー。大型犬でもそのまま乗せてくれるんだよ

【9月24日(日)】
 連日、私は原稿書きが続いていて、クパメルの相手をしっかりしてあげられない。ごめんよぅ。土日も原稿書きなんだよぅ。でもこの日、娘が朝6時から起きて、お台場でのライブ会場で物販の売り子バイトに行っていた。んで、夕方「完売したから、バイト早く終わったーーー」とLINEがきた。彼女は今週、ひどい風邪をひいているのに、大学の授業料を払うためによく頑張っているから(うちは大学生からは自己責任。なんだけど、やっぱり心配でさ)、クパメルのガス抜きを兼ねて、クルマでお台場へお迎えに行くことにした。

 すると、たまたま一般公開初日の「実物大ユニコーンガンダム」がそびえ立っており、大勢の人が集まっていた。せっかく来たんだからどうせなら見ちゃおう!と、ミーハーな白石家は、19:30の夜演出プログラムを待つ。その時間が近づくと、どんどん人が増えてきて、ガンダム人気のすごさを実感。クパメル、期せずして「非日常ごっこ」を経験してきた。ギュウギュウの人混み、大きな音、光の演出だったけど、けっこうおとなしくできました。えらかったねー。成長したねー。

担当編集M:「非日常ごっこ」については、こちらの白石さん執筆記事で詳しく紹介しています。ぜひご一読を!!

 また、昔(先代のワイマラナーの時代。10年前や20年前)に比べると、でっかい犬に対して恐怖心を持つ人が減っている気がした。クパメルがいても、嫌がられたり、過剰に怖がったりする人がいなくて、むしろ好意的な人が多かった。メルの頭を撫でてくれちゃったりして♪ 時代は変わりつつあるのかもしれない。嫌がられなかったのは嬉しかった。それかガンダムファンにはいい人が多いのかなー?(それかユニコーンガンダムに歓喜していて、犬どころではなかったのかもしれない。笑)

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お台場にてガンダムを見る。これも社会化、「非日常ごっこ」の練習だ(私にとっても実物大ガンダムは、めちゃくちゃ非日常だったよ!)

【9月27日(水)】
 本日は館山に取材! 来月、docdogで書きますので、お楽しみに! 今回は医療ものだよ。久々の獣医さん取材なので、私もワクワクなのだ。

【9月28日(木)】
「笑う犬には福てんこ盛り」 vol.5公開。
ふぅ。この記事が公開される頃は、私の修羅場もようやく終わりになっている(はず)。今月中は、あと1本〆切を残すのみ。怒濤の9月がようやく終わります。

 だから月末〆切が終わったら、クパメル、お山に連れて行ってあげるからねー。もうちょいの辛抱だよーー。

 10月はようやく涼しくなって、犬と紅葉を見に行ったり、キャンプに行ったりするのに最適な、気持ちのよい季節になる。みなさんはどんな計画を立てていますか。私もキャンプ行きたいけど、行けるかなーーー。行けるといいなーー。家族会議にかけてみよっと。

 というわけで、また2週間後の木曜にお会いしましょう。またねーー。

◎プロフィール

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白石かえ
犬学研究家・雑文家。家族は、ジャーマン・ショートヘアード・ポインターのクーパー、ボクサーのメル、黒猫のまめちゃん、夫1、娘1。前職は、自然環境保護NGO・WWFジャパン。犬猫と暮らして30数年。彼らの存在は可愛いだけでなく、尊い。犬が犬らしく生き生きと暮らせる、犬目線の原稿を書くのがライフワーク。

●執筆サイト: dogplus.me 犬種図鑑 ほか多数
●ブログ: バドバドサーカス
●主な著書:
『東京犬散歩ガイド』、『東京犬散歩ガイド武蔵野編』、『うちの犬 あるいは、あなたが犬との新生活で幸せになるか不幸になるかが分かる本』、『ジャパンケネルクラブ最新犬種図鑑』(構成・文)

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