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2017.09.08

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編集長 前島の「ハッピー・ドッグライフ!」 vol.8

愛犬家にとっての防災対策について最近思うこと

9月1日の「防災の日」から1週間。docdog(ドックドッグ)でも「犬と防災」をテーマとしたキャンペーンを展開しているし(キャンペーンは10日(日)〆切なのでぜひ!)、あちこちのメディアでも防災関連の情報が発信されていた。この間、docdogの獣医師と一緒に、防災をテーマとしたちょっとしたセミナーを行ったこともあって、私も愛犬と暮らす一飼い主として、改めて愛犬家にとっての防災対策について考えてみた。

#Lifestyle

Author :写真=大浦真吾 文=前島大介(編集部)

災害発生からの1週間を、自力で乗り切る

 私たちが暮らす日本において(読者の方には海外在住の方もいらっしゃると思いますが)、規模の大小はあるにせよ自然災害はけっして少なくない。ちなみに、内閣府発表の平成28年版 防災白書に掲載されている「我が国における昭和20年以降の主な自然災害の状況」によると、平成28年までの71年間で実に60件以上の災害が発生している。一年に一度まではいかないけれど、それに近いペースに正直、ぞっとした。

 また、この資料によると、地震、噴火、台風、豪雨など災害の種類も多岐にわたっている。加えて、同じ地震だとしても、震源地によってその被害もまちまちだ。いつ何が起きてもおかしくない状況の中、個人としてはどこまでの災害対策をしておけばよいのだろうか。
 物資としての備えは、飼い主家族が1週間程度自力で生き延びられるようにしておけば良いと思うけれど、細部については家庭ごとのアレンジが必要だ。

 我が家は、相模湾に面したビーチまで直線距離にして約500mのところにある。しかも、海抜4mという低地だ。震源地次第では、津波被害は免れないと思っている。加えて、川もすぐ近くにあるので、地震のみならず、台風や豪雨による被害も考えられるだろう。そんな生活圏の地理的特徴や家族構成、人も犬も持病の有無などによって備えておくべき"モノ"と"コト"は異なってくるはずだ。ちなみに、最低限必要な備えについての情報は、docdogの記事(*1)でも紹介したが、環境省がまとめている「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」や、各自治体による同行避難マニュアルなども参考にするとよいだろう。

*1 参考記事:
>>災害時の非常持ち出し袋、何を入れる?
>>東日本大震災から6年、docdogが考える防災グッズとしての靴・靴下とは

 家庭ごとに異なる生活環境や、状況に応じて起こりうる被害を想定した備えを......といっても、私も含め経験したことがない人にとって"起こりうる被害を想定する"ことはなかなか難しい。けれど、ある程度具体的なイメージを膨らませておく、そうなった時のことを妄想しておく、そしてそれを家族と話、できれば実際の行動をもって定期的に検証(避難訓練)しておくことが望ましい。が、そこまでできている人は、少ないのではないだろうか。我が家も、正直まだそこまでできていない。

 と、ここまでは災害発生直後、まず1週間生き延びるための備えなわけだけど、大規模災害の場合などは想像以上に長く厳しい避難生活が待ち受けている。

長く厳しい被災後の生活を見据えた備えを

 今年3月に取材した、熊本の仮設住宅で避難生活を送っている飼い主の方々との話(*2)にもあったが、一次避難所(体育館やテント村)生活、車中泊での生活が、仮設住宅に入る前に半年ほど続く場合もある。災害そのものに対するストレスもある中で、これまで通りの、いわば自分たち家族中心の生活は送れなくなるわけだ。そんな時に大切なのが、人も犬も非日常かつ集団生活という環境下でいかにストレス要因を減らしていけるかということだろう。どんな要因があるのか詳細は割愛するが、犬が嫌いな人や苦手な人、動物アレルギーを持った人たちとの避難生活において、問題となるであろうことは容易に想像がつく。吠えや排泄、抜け毛、ニオイの問題など......。犬と暮らす私たちなら気にならないようなことも、大変なストレスとなる可能性もあるのだ。ましてや非常時である。

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*2 参考記事:
>>熊本地震の被災者として、飼い主として、動物との共生社会を考える
>>熊本地震の経験から、犬の靴の必要性を学ぶ

 では、そうした被災後に長く続く避難生活を見据えて、備えておけることとは何だろうか。それは、あらゆる環境に適応した愛犬のしつけであり、愛犬との確固たる信頼関係を築いておくことだろう。日常生活の中で愛犬をコントロールできない飼い主が、非常時にできるわけがないし、家族との信頼関係を築けていない愛犬が、避難生活の中で他人との共同生活を平穏に送れるわけがない。しかし、こればかりは避難生活の中で起こりうる具体的なシーンを想定しての対策ということではなく、愛犬と暮らす上での基本中の基本、"犬という動物についての正しい知識と理解"、そして"服従訓練(Basic Obedience)"に他ならない。この2点については、五十嵐さんの記事(*3)に詳しく解説されているので、そちらを参照いただきたい。

*3 参考記事:
>>犬という動物を知らなければ、犬を守ることはできない
>>飼い主と犬が基本を一緒に学ぶ必要性

 あとは、人も犬も日常のルーティンな生活だけではなく、キャンプへ出かけてのテント泊や旅先での車中泊など、"いい意味"でさまざまな非日常を経験し、慣れておくことが大切。また、この"いい意味"での慣れは、環境だけでなくレインウエアなど洋服、ハーネス、そして靴や靴下といったギアについても必要だ。日々の遊びやトレーニングなどを通して楽しいこととの関連付けがしっかりできていれば、飼い主にとっても犬にとってもかかるストレスは軽減される。生活そのものがストレスフルな非常時に、愛犬のケガや病気は人にも犬にもリスクが大きい。
 平時であれば時間や場所、天候など状況を考慮して外を歩かせることができるが、被災時はそんなことも言っていられない。熱中症や火傷、凍傷、その他有害物質との接触の可能性があったとしても、歩かなければいけない時はあるのだ。

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「公助」頼みの避難、被災生活は危険

 ここまでが、いわゆる"自助努力"での備えとなる。加えて、日ごろから意識しておいていただきたいのが、"共助(親戚や友人、近隣住民など)"だ。
 家族や親戚同士での助け合いは当たり前としても、地域の飼い主仲間や同犬種のコミュニティなども有効活用できると思う。そのつながりの中でも、災害時の対応など取り決めておければ心強い。また、犬を飼っている飼っていないにかかわらず、地域コミュニティにおいて飼い主である「ワタシ」と愛犬の「このコ」を、可能な限り良い飼い主と良い犬として認知しておいてもらえれば、被災後の集団生活におけるストレスを多少なりとも軽減することができるはずだ(*4)。

*4 参考記事:
>>犬を飼うということ、飼い主の覚悟と振る舞いが社会を変える

 こうした、自助努力と共助の関係性構築があった上で、公助(国や自治体などの支援)を受けるのと、ろくな準備もなく一律なサポートしかできない公助頼みになるのとでは、復興へ向けた各家庭の生活再建スピードは全然違ったものになるはずだ。
 docdogでも、今月は「防災月間」として防災をテーマとした記事を配信していく。これを機会に被災後の生活まで想定し、それぞれの家庭における防災対策について今一度再点検してみてほしい。

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