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2017.08.08

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高齢犬の実践的健康術をレポート!<前編>

殿が14歳になっても自力で歩ける、その理由とは?

高齢犬・殿の健康の秘訣は、とにかく歩くこと。足腰が弱ってきて犬が歩きたがらなくなると、つい歩かせることを控えてしまいがちですが、あえて歩かせて筋力を落とさないことが大切と、飼い主でドッグトレーナーの佐藤眞千さんはさまざまな工夫をしています。「立つ・歩くは犬の健康の基本」と話す佐藤さんに、カートや靴、車椅子などのアイテムをうまく活用したその健康術を教えてもらいました。

#Healthcare / #Lifestyle

Author :写真=永田雅裕 文=山賀沙耶

靴を履き、オヤツを使って、公園内を2往復

 7月のある日の早朝6時、ドッグトレーナーの佐藤眞千さんが愛犬の殿(ベルジアン・グローネンダール、14歳)を乗せたカートを押して、近所の公園へと向かっていく。そのかたわらにはハニー(ベルジアン・グローネンダール、4歳)と点心(ミニチュア・ダックスフンド、1歳)。2頭を従えたその姿は、まさに"殿"の大名行列だ。

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カートは、殿が座って乗れるサイズと、クッション性のあるタイヤが決め手になって、エアバギーフォードッグの「NEST」を愛用

「この時期の散歩は、朝6時ごろと夕方18時半ごろの1日2回。殿は近所にある芝生の公園までカートに乗せていって、公園内で歩かせています。オヤツを使って誘導しながら、公園の端から端まで、目標は2往復。あえてがんばって歩かせて、脚の筋力を落とさないように心がけていますね」
と佐藤さんは話す。

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ときどき手を貸しつつ、励ましながら、ゆっくりゆっくり歩かせる

 14歳になったばかりの殿の脚力が衰えを見せ始めたのは、今春、3つ年下の弟犬ナルーが脳腫瘍で突然亡くなってから。最初に足を引きずって歩く、いわゆるナックリングの症状が現れ、ナックリング防止用のサポーターを使ってみたものの、爪が削れていってしまった。それなら足先をカバーできる靴を試してみようと、いちばん頑丈そうな「マッドモンスターズ」を購入したそう。
「足をひきずっているので、靴を履かずに歩かせると、爪が削れて血が出てしまうんです。犬の靴は私たちにとって、今やなくてはならないものです」

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最初に買ったマッドモンスターズは、つま先が削れて割れてくるまで履いた

関節の歪みを防ぐため、床の滑り対策は必須

 外を歩くときのための靴に加えて、冬場は家の中でも、室内外両用の靴下「スポーツ パウクス」を殿に履かせているという佐藤さん。冬は肉球が乾燥して滑りやすくなるので、滑りを防止するためと、足先の冷え対策にも一役買う。

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外でも使えるほど丈夫で、滑りにくいスポーツ パウクス。ただ、履かせにくいのが難点だそう

「日本の室内の床は滑りやすいものが多いので、高齢になってきて、立っていると足が開くようになってきたら、滑り止め付きの靴下を履かせたほうがいいと思います。私の愛犬たちはドッグショーにも出ていたので特に気になるのですが、四つ足に均等に体重が乗らないと関節が歪んで、ひどいと関節炎になってしまいます。きちんと立てるようにしてあげることは、犬の健康の中でもいちばん大事なことだと思うんです」

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夜は、殿の寝ているダイニングに布団を敷いて一緒に寝ている

まだ自力で歩けるうちに車椅子も準備

 今年6月末には、今後への備えも兼ねてアドワークスの車椅子も購入した。殿のカラダを10カ所ほど採寸して注文し、山梨県北杜市にある工房まで直接受け取りに行って、そこでさらに微調整。殿にぴったりの車椅子が完成した。
 現在は、キャンプ中など立ったり歩いたりの時間がいつもより長いときや、クルマでの移動後立ちづらくなっているときなどに、補助的に使用している。今後もし後ろ足が麻痺してしまったとしても、これがあれば歩かせてあげられると佐藤さん。

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アドワークスの手作り車椅子は、購入後も工房でメンテナンスしてもらえる。今は4本足を着ける状態で使用しているが、後ろ脚が麻痺したときは後ろ脚だけ吊るすこともできる

「自分も寝たきりにはなりたくないから、犬たちもできるだけ自力で歩ける状態を保ってあげたい。立ったり歩いたりは犬の健康の基本だと思うから、それを維持するためのケアや工夫は惜しみなくしてあげたいんです」
 若いころには何も考えなくてもできる、立つ・歩くといった動作も、高齢になるとひと苦労になってくる。それでも、四つ足が使える状態を保つには、億劫でも筋肉を使い続けることがいちばん。年を取っていく愛犬に飼い主がしてあげられることは、靴やカート、車椅子といったアイテムも活用しながら、立ったり歩いたりの動作を励まし、サポートしてあげることだろう。

>>後編では、佐藤さんが実際に行なっている、14歳の殿の暑さ対策や寝床の工夫などをご紹介します!

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