magazine

  1. トップページ
  2. MAGAZINE
  3. 愛犬との一本の絆を手に入れること

2017.08.24

ブログ        

犬の用具を考える vol.2 <リード/リーシュ編>

愛犬との一本の絆を手に入れること

私たち犬の飼い主の必須アイテムであるリードは散歩だけでなく、訓練や練習、遊びなどのたくさんの場面でも使う大切な用具の一つだ。長さのあるもの、革製のもの、布製のもの、長さの変わるもの。愛犬の安全のため、愛犬をコントロールするためにも使われるそれらのリードは犬にとって何を意味するものなのか?また飼い主はどんなポイントでリードを選ぶのだろうか?今回の犬の用具を考えるでは、「リード/リーシュ」について考えてみたい。

#Activity / #Lifestyle

Author :写真=sarii 文=五十嵐廣幸

リードとはなんだろうか?

【質問】
あなたが今使っているリードは、どのようなポイントで選びましたか?

・かわいいから、おシャレだから
・人気商品だったから、ネットでの評判がよかったから
・飼い主の手が痛くならないために
・引っ張り癖のある犬の首に悪くないというもの
・犬を自由に歩かせたいから、いろいろな方向に進ませたいから

 選ぶポイントは人によってさまざまだろう。リードの役割とはなんであるか? をまず考えてみたい。

 私にとってリードというのは、大きく分けて二つの意味がある。

①リードは犬と飼い主が物理的に唯一繋がっていられる命綱
だから散歩コースの横を走る車が突然のクラクションを鳴らし、犬がびっくりしてリードが切れる。または、金具が外れることがないしっかりした作りが必要である。
②私の意志を犬に伝えるもの、犬の気持ちを受け取りやすいもの
双方向のコミュニケーションができる用具であるべきだと、私は思っている。

 現在私は二つのリードを愛用している。一つは布製で、先代の犬ゴールデン・レトリーバーのジュークと一緒に使った思い出のあるものだ。収縮はほとんどなく、幅2.5cm、長さ1.2mのものだ。主にオフリードの散歩で襷掛けにして持ち歩いている。オフリード時はそこに予備の首輪をリードのループに潜らせているが、これは時々見かける迷子の犬用であったり、散歩のついでにカフェに寄った際に柵に犬を繋ぐ時に使っている。これが意外と便利で、カフェの店内に入る前にこの予備の首輪のバックルを外し、柵に通してロックの安全装置を確認する。犬にステイのコマンドを伝えてコーヒーのオーダーをしに店内に入る。
 これだと、いちいち犬の首輪からリードのクリップを外す必要もなくフェンスに繋ぐことができる。実際にリードを使って歩く時は、この予備の首輪は外してバッグやポケットに入れて使う。

 もう一つは、リードを使って歩くことがメインになる1.2mの革製のリードだ。散歩の他にこのリードは訓練でも使う。インストラクターの声で一斉に30名/30頭近くの犬と飼い主が、ヒールウォークから始まり、まわれ右、まわれ左、止まれ、進め、右Uターン、左Uターン、左pivotターンなどの指示通りに動く必要があり、まさに犬と飼い主が一体になることが求められる。この革製のリードは適度な重さと革独特の肌触りがあり、訓練だけでなく散歩時にも愛犬と自分が繋がっていることが感じ取れるのだ。

 私たち飼い主は散歩や訓練において「SIT」「STAY」「DROP」などのコマンドを声符や視符をつかって犬に伝える。もちろんそれに従わない、また訓練や練習中にはその動作を成功に結びつけるために同時にリードでのコレクション(矯正)が必要になる。

 例えば、「Sit at heel」の場合には、一度もしくは二度のコマンドで犬が従わない場合は、短く束ねたリードを右手で持ち、軽くそのリードを持ち上げながら、左手で犬のお尻を地面に向かって押し付けて、Sitというコマンドを同時に発して、そのコマンドの意味を犬に伝える必要がある。

 散歩でよく使うソーシャルウォークではリードを右手だけで持ち、犬がハンドラーの前後を横切ろうとした時にだけ、左手をリードに触れて犬を正しい方向に向かわせる必要がある。

 飼い主のこうしたリードを通しての矯正で、「あ、こうやって歩くのね」「間違えた」ということを犬は感じ取れるわけだ。リードは犬の命を守る用具でもあるが、このように飼い主と犬とのコミュニケーションとして、犬が正しく歩くため、お互いの気持ちをリードを使って通わせるためにも大事な役割を果たすものと私は考えている。それが例えばゴムのように伸びるリードや、長すぎるリード、風に靡いてしまうほど軽いものだと、その大切な犬との意思の疎通が難しくなると思うのだ。

気持ちを伝えるものだからこそ

 犬用のウンチ袋が入ったプラスティックのケースをリードにつけている飼い主をオーストラリアでは見かけるが、このケースが散歩中、常に揺れてリードを振動させていることを飼い主として気がつくべきだろう。犬はリードからの細かな振動や負荷を感じて「これは止まれの合図なのか?」「矯正のための振動なのか?」というミスリードを招きがちになる。またリードをつけたままの呼び戻しには、リードに付属しているものが地面との摩擦、抵抗となること、音を立てて追いかけてくることで、犬が気になって前に進むことができない場合や、まっすぐ戻ってこないこともある。

 先述したが、リードは飼い主と犬の気持ちを伝え合う大切なコミュニケーションの用具だ。そこに犬を誤解させてしまう、または不必要な情報源を介在させないほうがよいのではないだろうか?

170819_02.jpg

フレキシブルリードを考える

 フレキシブルリード、フレキシリード、またはリトラクタブル・リーシュと呼ばれるこのリードを私は使いません。はっきり言えば使うことに反対です。なぜならリードで犬と繋がっている状態のときに犬はソーシャルウォークもしくはヒールウォークで歩く必要があると思っているからだ。つまり、犬が歩道の左から右にジグザグに歩いたり、飼い主の3メートルも先にいたり、飼い主の4メートルも後ろにいることは好ましくないのだ。同時に歩道の端から端までリードが横断していることなどあってはいけないわけです。簡単にいえば、リードをつけた犬は、飼い主の横またはリードの長さである1.2m前後の範囲にいるべきなのだ。

 私は、犬に匂いを十分に嗅がせたい時には、必ず犬の横、そのリードの長さである1.2m内で立って待つことにしている。そして匂いを嗅ぎ終わった犬に対して「もういいの?」と一声かけてまた進み始める。その行為は、犬が何をしているか?ということを飼い主が知るべきであると同時に「私の犬はここに居ます」と一般の人にお知らせをする意味もあると思っている。オフリードの状態であれば私の犬は、私の周り360度好きな場所を好きなペースで歩き、走り飛び跳ねても構わないと思っているが、リードを使うべき散歩コースでは、飼い主として犬の行動に制限を設けることも必要であるはずではないだろうか?犬に対してもオンリードであることの意味、オフリードの意味を飼い主自ら曖昧にすることは避けるべきだと私は思うのだ。

 またフレキシブルリードの細いワイヤーは、ハッキリ目視することが難しい場合がある。私は、散歩中の犬と飼い主に近づいてやっと「あ、繋がれているのか!」と気がつくことが多々ある。もしワイヤーの存在を知らないままの自転車などが通れば、事故につながることは容易にイメージできるだろう。また犬、飼い主ともにこのリードによる怪我の報告がたくさんあることを使う人は知っておくべきだろう。下記URLの写真にあるように、このワイヤーが手や指、足に巻きつく形で引っ張られ続ければ大怪我になる。命綱であるべきはずのリードで犬や飼い主、第三者が怪我をすることを考えればこのフレキシブルリードを使う意味を私は理解できないのだ。

170819_03.jpg

 私は犬との散歩は対話だと考えて実行している。散歩中の犬の間違った行動、直すべき動きは、飼い主の左手を使ってリードを経由して犬に伝えることが飼い主のすべき行動と思う。しかし、ワイヤーで作られているこのリードは左手を触れて犬の行動の矯正をすることや、ワイヤー自体を手で掴むことを想定されて作られていないだろうと思う。つまりこのリードを使う際は、このプラスティックの部分の持ち手以外触れる方法がないのだ。

 ぜひ、誰のための散歩であるのか? 犬を歩かせるだけが散歩なのか? 散歩の意味、飼い主として必要な動作、犬と飼い主の安全性をこのリードを使って散歩をしている人は考えて欲しい。

 この内容をもっと知りたい方は、ショッキングな画像も含まれますが、「retractable leashes injuries」と検索してみるといいだろう。
(参照URL:http://www.reshareworthy.com/retractable-dog-leash-warning/

犬のためのリードを選んでほしい

「犬を自由に歩かせたいから」
「犬が引っ張るから」
「犬の歩みに合わせられないから」とさまざまな理由でリードを選ぶ人がいる。

 しかしその悩みを持ち続ける人に多くみられるのは、

・首輪をハーネスに代えて犬の首の負担を減らすことにしたり
・リードの種類を変えて飼い主の手が痛くないように負担を減らすこと
・犬が長い距離引っ張ることなく歩けるように、リードの種類を変えること

 というように犬の行動を正すものではなく、飼い主側のツールを変えてしまっているように感じる。

「かわいいもの」「きれいな色のもの」「値段が安いもの」「今人気の商品」と、たくさんの商品としてのリードがお店では売られている。しかし、愛犬の唯一の命綱はあなたが使っているそのリードであることを忘れないでほしい。またそのリードを使って飼い主だけが愛犬に安全を教えることができる人物であり、その犬の行動を正せる人物であることも再確認してもらいたい。

 スワレ、マテ、フセ、ソーシャルウォーク、ヒールウォークであなたの指示を愛犬が素直にキャッチできるような適切なリードを選び、それを正しく使いながら、犬も飼い主もかっこよく訓練や散歩を楽しんでもらいたい。愛犬と繋がっているリードはきっと素敵な一本の絆になるはずだ。

>>次回は、犬の飼い主に求められること vol.5として犬の留守番について考えてみたいと思います。

◎プロフィール

170611_05.jpg

五十嵐廣幸

オーストラリア在住。元dog actuallyライター。週末は愛犬と一緒にSheep Herding(羊追い)をして過ごす。サザンオールスターズ、クレイジーケンバンド、そして動物を愛す。犬との生活で一番大切にしているのは、犬が犬として生きるためのクオリティ・オブ・ライフ。

掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法等により保護されています。



 この記事が気に入ったらいいねしよう!
 最新記事をお届けします。

嫉妬?に燃える愛犬と妊婦の悩める日常とは?

「docdog全国愛犬お散歩意識調査!」結果発表

「docdog全国愛犬お散歩意識調査!」結果発表
嫉妬?に燃える愛犬と妊婦の悩める日常とは?