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2017.08.22

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シェルターボランティアで学んだこと vol.15

全米規模で行われるアダプションキャンペーン

前回、シェルターで行っているコミュニティへのアプローチの数々に触れました。今回は「Clear the Shelter」という年に一度開催される全米規模のキャンペーンなど、シェルターを社会全体でサポートする取り組みについてご紹介します。

#Lifestyle

Author :写真・文=古川あや

たくさんの人が参加する「Clear the shelter」

 8月中旬の週末の1日、アメリカ三大ネットワークのひとつNBCは「Clear the shelters」というキャンペーンを行います。その日に引き取られた犬や猫の譲渡費用をNBCや協賛企業などがサポートするというもので、私のボランティア先も毎年参加しています。

 シェルターの犬たちを家族にしようかなと考えている人たちの背中を押すイベントで、2016年には全米の約700のシェルターで5300頭以上がアダプションされています。TwitterやFacebookに、犬や猫がアダプトされ空になったシェルター内の写真や動画が流れますから、その映像をご覧になったことのある方も多いのではと思います。

 NBCの取り組みは大きな成果を上げていることは明らかですが、えさ代、医療費などなど、犬を飼うにはお金がかかりますから、譲渡費用"無料"に惹かれる人に本当に譲渡していいのか? という疑問もついつい湧いてきますが、あくまでもシェルターの動物に愛を!というのが運動の主旨で、里親さんたちもせっかならこの機会にということらしく、「Clear The Shelters」の日に引き取られたからといって、その犬たちが普段より高い確率で戻って来るということもないようです。とにかくシェルターの犬に関心を持ってもらうこと、シェルターに足を運んでもらうきっかけとしては大きな効果があることは間違いありません。

Clear the shelterのPR動画

週明けのボランティアはお休みに

 私がボランティアを行っていた2015年には8月17日に開催されました。シェルターにはオープン前からたくさんの人が訪れ、里親さんを待つ犬や猫たちが次々に引き取られていきました。

 実はClear the shelterにはちょっとしたルールがあります。(1)事前に引き取る犬の予約はできない(2)その日に自宅に連れて帰る、というもの。その日に連れて帰るためには、有効な身分証明書、住所証明、賃貸住宅の場合は貸主の許可証明などが必要です。

 2015年のclear the sheltersが終わる頃には32頭もの犬や猫たちが引き取られ、シェルターに残ったのはたったの1頭。後ろ足の動きに障害があるピットブル系のオス犬でした。穏やかな顔をしていて、実際その見かけ通りとても優しく、他のどんな犬とも仲良し。足の問題でちょっとかけっこしてはすぐ休憩する、の繰り返しでしたが、小型犬たちとも上手に遊ぶボランティアたちのお気に入りでした。

 その子だけが残ったと知り、とても切ない思いがしました。性格はいいのに、シェルター滞在が長くなりがちな犬の特徴をほとんどすべて備えているからです。都市部では不利な大型犬、ピットブル系、そして足にハンデがある......。

 みんなの思いも同じだったようで、あるボランティアが一人で過ごさせるのはかわいそうと自宅に連れて行って以降はフォスターケアに入りました。そしてシェルターには、犬がいなくなり、その翌週のボランティア活動はなんとお休みに。また、うれしいことに1頭残された子は「Clear the shelter」の1週間後には里親希望が入りました。ついに里親希望が入ったというニュースは、ボランティア間を駆け巡りました。

社会全体でシェルターの動物を見守り支える

 今年は8月19日に予定されているこのイベント。大手ペットショップPETCOは、「Clear the shelter」で里親になった人にショップ併設の動物病院で利用できる狂犬病注射、フィラリアとライム病の検査、レプトも含んだワクチン接種、糞便検査、ノミ・マダニ予防薬とフィラリア予防薬を1回分ずつといった200ドル相当のクーポンをプレゼントするそうです。私のボランティアしていたシェルターでは地元の動物病院が初回の健康診断料金を無料で提供するといった支援も寄せられていました。

 最も大きなアダプションイベントはこの「Clear the shelter」ですが、国内でペットショップを展開しているPetSmartも年に4回National Adoption Weekendを実施していますし、PetcoやPetSmartはもちろん独立系ペットショップの店先でも週末ごとに小さなアダプションイベントは行われています。また、Pet of The Week(今週のペット)として、積極的にシェルターの里親募集中の動物をPRしているテレビ局もあります。

 シェルターの動物たちは一度飼い主から捨てられてしまいましたが、この子たちに幸せを、と願う多くの人たちがいて、シェルターの活動は、社会全体に支えられている、そんな風に感じました。

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