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2017.07.10

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[Brand History vol.2] Ruffwearのアウトドアギアが世界中で愛用される理由とは

アウトドアを楽しむ人と犬の「パック」が生み出す犬用ギア

アウトドアからシティユースまで、さまざまなシーンで活躍するドッグギアを愛犬家のもとに送り出しているRuffwear(ラフウェア)。世界中のドッグオーナーに愛されるブランド誕生の経緯、そしてその人気の秘密をマーケティング部長、Susan Strible(スーザン・ストリブル)さんが教えてくれました。

#Activity / #Lifestyle

Author :写真=Susan Strible(Ruffwear) 文=古川あや 取材協力=株式会社モンベル

◎プロフィール

Susan Strible(スーザン・ストリブル)

ラフウェアのマーケティング責任者。南カリフォルニアのL.A.出身。オレゴンの自然を愛するアウトドア愛好者で、ラフウェアに入社して9年。幼い頃から常に犬と一緒に暮らしてきた愛犬家。飼い犬のArtie(7歳)は泳ぐこと、食べることが大好きなブラックラブ。

折りたたみ式の布製ボウルからはじまった

 普段の散歩で活躍するカラーやハーネス、リーシュや靴、そして大自然の中で活躍するライフジャケット、犬用リュック、そしてクールベストまで、Ruff(犬の鳴き声の擬音=犬)wear(洋服=ギア)の社名のとおり、幅広い犬用ギアを開発・販売しているラフウェア。
 docdog(ドックドッグ)では、災害救助犬なども愛用しているというGrip Trex(グリップトレックス)、街歩きや雪のコンディションに強いSummit Trex(サミットトレックス)、そして靴を着用するときに履くBark'n Boot Liner(バーキンブーツライナー)を取り扱っている。

 アメリカはもちろん、ヨーロッパでも高い人気をほこるラフウェアは1994年に創業された。そのきっかけは、創立者で、現在も「ラフウェア」というパック(集団)を率いるPatrick Kruse(パトリック・クルーズ)による、折りたたみ式の布製ボウルQuencher™の開発だった。

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ラフウェア製品の第1号。Quencher™はパトリックがアウトドアライフで培ったスキルが生きた作品

「1992年の夏、パトリックは友人とその愛犬モキとロスパドレス国立森林公園でマウンテンバイクを楽しんでいました。休憩中、モキに友人がペットボトルの水をビニール袋に入れて差し出しましたが、飲みづらかったのか、ほとんど飲まなかったそうです。そこで、友人からアウトドアに携帯できる犬用ボウルを作って欲しいと頼まれたそうです」

 子ども時代に軍の放出品を再利用して犬用リュックを作ったというパトリックは、青年時代にはチャーターボートの乗組員として働き、さらに趣味のカヤックやキャンプなどの経験を重ね、アウトドア用品に関する豊富な知識を蓄積していた

「パトリックがテント用のウォータープルーフの生地を使ってシンプルなボウルを試しに作ってみたところ、水も漏れずにボウルとして使えることがわかったそうです。布地ですから折りたためて楽に持ち運びできます。このコンセプトを基に、16カ月にわたって商品開発、商品テストを行い、できあがったQuencher™をアウトドアのトレードショーに出品したんです」

 そこでアウトドアブランドのL.L.Beanの目に止まり、またたくまに世界中の犬連れアウトドア愛好者の注目を集めることとなった。布製で軽量、かつ折りたためるボウルは画期的な商品だったのだ。

実際の体験を基に商品開発された品々

 アウトドアファンのニーズに応えて、十分な時間をかけ高品質な製品作りをする。この、Quencher™の制作過程におけるパトリックのものづくりの姿勢は、ラフウェア製品すべてに貫かれている。

「私たちは、ラフウェアの使命を"愛犬が飼い主とアウトドア・アドベンチャーを楽しむためのギアを作ること"だと考えています。ラフウェアの製品は、パトリックとその友人・知人たちが愛犬とアウトドアを経験する中から生まれてきたものがほとんどです。例えば、犬用のライフジャケットのフロートコートは、パトリックの愛犬オッティに他社製品を着せてカヤックをしたところ、ライフジャケットが脱げてしまい、役に立たなかったという経験から生まれました」

 実際の体験を元に行う商品開発は、犬の体の動き、関節の働き、そして犬の習性まで考慮して行っている。

「機能性はもちろんですが、耐久性、安全性も重要です。ラフウェアでは人間用のアウトドア製品と同じクオリティの素材を用い、ハーネスなどに使うVリングなどのハードウェアは自社開発しているんですよ」

 ラフウェアの製品を手にし、「こんな商品を待っていた!」と感じる人が多いのは当然だろう。

 

 ちなみにdocdog で扱っている犬用の靴、Grip Trex(グリップトレックス)は災害救助犬などが使うことを前提に開発した製品。

「危険なエリアに入って人を救う災害救助犬たちが足を怪我しないようにと作りました。働く犬たちが入っていく過酷な環境に耐えうる靴ですから、家庭犬の日常使いにも安心して使っていただけます。
 Grip Trex(グリップトレックス)は通気性がよく、底の部分が丈夫なので、未舗装の道や岩場などで足を守ってくれます。Summit Trex(サミットトレックス)は撥水加工が施されているので、真冬の雪道や雨降りの日に適しています。靴下はクッションの役割を果たすので、靴の着用感がよくなりますし、肉球の水分を保つ役割もあります。場面によってうまく使い分けてほしいですね」

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スーザンも愛犬のアーティと休日ごとにトレイルにでかける。怪我などに備えてアーティの靴は必ず携帯している

 日本ではまだまだ犬の靴は普及途上だが、アウトドアを楽しむ人の多いアメリカではもっと身近な存在のようだ。
 例えば、アメリカでは大自然の中を歩くトレッキングが盛んで、1日何十キロと移動する長距離ハイカーもいる。トレッキング道路は舗装されておらず、岩場や瓦礫の散らばる悪路もあるので、犬の足を守るために靴を着用させる人も少なくないのだ。

「私自身、ブラックラブのアーティを連れてトレイルを歩くときは、足場が悪かったり、足を怪我したりした場合に備えて、必ずブーツをバッグに入れていきます。冬場の除雪剤や、夏場の熱くなるアスファルトから足を守るために、都市部で利用しているというユーザーの方もいます」

 靴に慣れるまで時間がかかる犬もいるが......。ポイントは、とにかく犬の気持ちを靴に向かせないこと。靴を履かせた後は、お気に入りのおもちゃやおやつで気を引いて、できるだけ早く屋外に出て活動を始めると、犬たちもあまり靴を気にしないそうだ。

犬の幸せは人間にも伝わってくる

 ラフウェアのオフィスがあるのは、アメリカ西海岸に位置するオレゴン州ベンド。美しい自然に囲まれ、アウトドアスポーツが盛んな街だ。オフィスの近くには川沿いを歩くトレイルがあり、車で数分行くと広大なドッグランもある。
 アメリカのアウトドア専門誌『Outside Magazine』による「Best places to Work(働きやすい会社)」にも選ばれたこともあるラフウェア。働いているのは犬とのアウトドア・アドベンチャーを楽しんでいるという人ばかりで、オフィスは毎日が"Take Your Dog to Work Day(愛犬を仕事に連れていく日)"。
 犬たちはご主人と一緒に出勤し、ご主人の仕事中はデスクの足元で寝ている。会議がある場合には、犬も一緒に出席するそうだ。スーザンの愛犬、アーティも時々出社し、新作の試着をしたり、飼い主に息抜きをさせたりといった「仕事」をしている。社員だけでなく、その愛犬たちも含めた「パック」がラフウェアの製品を作り上げているといえそうだ。

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仕事中はデスク横でリードをつけておくことが自然にできたルール。お客さんをもてなすのも犬たちのお仕事だそう

 ラフウェアの製品は、こんなリラックスできる環境で生み出されている。

 

「犬たちがいて私たちの人生ははじめて完全なものになると思います」というスーザン。docdog読者へのメッセージを送ってくれた。

「アウトドアにいるとき犬はとても幸せそうです。そして、それを見ているだけで、飼い主の私たちまで幸せになれます。みなさんもぜひ犬と一緒に自然の中で体を動かしてください。そうすれば、体も心ももっと健康になっていきます。そのお手伝いを私たちはしたいと思っています」

◎RUFFWEAR社の犬の靴

RUFFWEAR

Grip Trex (グリップトレックス)

Grip Trex (グリップトレックス)

RUFFWEAR

Summit Trex (サミットトレックス)

Summit Trex (サミットトレックス)
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