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2017.07.20

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犬の飼い主に求められること vol.3

散歩の重要性と夏の日の散歩について

「犬」は飼い主と一緒に散歩に行くという行動が毎日必要な動物だ。それは犬種や体の大きさ、室内犬だから、また自宅の庭が広いから、雨だから、寒いからという理由に関係なく、犬はその運動欲求を肉体的、精神的にも満たす必要がある。そして自分の敷地以外の世界や自然に触れ、多くの匂いを嗅ぎながら情報を収集する生き物といえよう。また、犬は他の犬の行動を通じて学ぶことが多い。他の犬との直接的なコミュニケーションも、彼ら犬の日常にあるべきだろう。

#Activity / #Lifestyle

Author :写真=sarii 文=五十嵐廣幸

散歩は犬との対話であるべき

 私が「散歩に行くという行動」と表現したのは、一部の飼い主は「犬の散歩」を「人間の散歩」のように「ぶらぶら歩くこと」と勘違いしているのをよく見かけるからだ。私が行くオフリードのドッグパークではこんな散歩をしている人がいる

・携帯電話の画面に釘付けの飼い主
・両耳にはイヤホンを入れて音楽を聴きながら
・誰かと電話での会話をしながら
・飼い主が犬に声を掛けることもなく、ただ歩いているだけ、ひたすら走っているだけ
・犬に匂いを嗅がせる時間を十分に与えない
・他の犬との挨拶を許さない

 上記の飼い主は犬との散歩を楽しんでいないようにも見える。それは、まるで散歩というノルマをこなすためだけ、犬を先に進めることだけを目的とし、一定の距離や時間を消化するだけのような行為に思えて仕方がない。これは犬の散歩とは言い難い。

 犬の散歩は、飼い主と犬との対話であるべきだと私は思う。散歩を通じて飼い主は犬の動きの一つひとつと会話ができるはずなのに、飼い主がイヤホンや携帯電話を手にしたら、そこで犬との会話はシャットダウンしてしまうのは当然ではないだろうか?

中身がある散歩、満足できる散歩が必要

 私は愛犬との散歩は恋人とのデートのように貴重で楽しいもの、また父親と小学生の子どもが一緒に遊ぶ大事な関係のようだと感じて犬との時間を過ごしている。また犬と一緒に歩くだけでなく、飼い主は犬と一緒に遊ぶこと、頭を使わせるゲームを取り込み一緒に楽しむこと、そして犬として必要なルールを教えるなどの練習やトレーニングの場として、その大切な時間を過ごすべきではないだろうか? 歩くだけで終わってしまう散歩は、もったいないのだ。

 私のオフリードドッグパークでの散歩の内容を書き出してみる。

▼格好
 襷掛けにしたリードと、両手が自由になるカバンを身につけて歩く。両手を自由にするのは手や体の動きで伝えるコマンド(視符)が散歩中でも必要であるからだ。カバンには犬用ディスク数枚、ボール、ハンドタオル、水、犬の水飲み器、ウンチ袋、懐中電灯、予備の首輪が入っている。

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突然の雨に備えて合羽としても使えるジャケットは寒さ対策にも使える

▼一緒に遊ぶ、学ぶ
 平坦な芝生の広場では、犬とのディスクやボール遊びを楽しむ。
 私の足の間を潜らせながら歩くことを教えたり、後退することを教える。犬ができたらすかさず高い声で喜びを伝え、褒美であるディスクをポイっと投げてやる(基本私は食べ物を散歩中は使わない)。これはディスク競技のためではなく、犬のと遊び、コミュニケーションである。

▼練習、復習、新しいことに挑戦
 リコール(呼び戻し)やステイ(マテ)などの完成している訓練も、場所によっては犬がスムースにできないことも大いにあるので時々復習をする。これはarea associationといわれるもので、家や自宅の庭での呼び戻しが完璧にできていても、公園や知らない土地では犬の気が散りできないことがある。どんな状況でもできるように練習、復習が必要である。

 オフリードの公園でも、場合によってはリードをつけて歩く必要があるだろう。犬のリードを持つ際は右手をリードの輪に通す必要があり、左手は必要な時だけリードを触って犬の行動を正す。ヒールウォーク時には、右手の他に左手でもリードを支え持たなければならない。だから散歩時は、手提げカバンなどではなく、両手が自由に使えるカバンが必要であり、雨の時は傘ではなく、レインジャケット、帽子、長靴などが必要なのだ。

▼休憩
 運動や天候によって暑かったり、犬に疲れが見えた場合は、無理をせずに川などで水遊びをしたり、木陰で休むなどをして犬に時間を与えること。特にパグやフレンチブルドッグなどの短頭種は他の犬と同じ運動内容、運動量であっても、その骨格の違いから呼吸が困難であったり、熱放散がしにくいので気をつける必要がある。

▼注意すべきこと
・犬から目を離さない、自分の犬がどこにいるかを把握すること。
・子どもたちが遊んでいる場合には、そのボール遊びなどに犬が参加しないように注意を与える。
・他の犬が追いかけてきても無視することを犬に伝える。
・自転車やジョギングなどを楽しむ人も公園内にはいるので、常に周りを見渡しながら必要があれば犬を自分の足元(ヒールポジション)に呼び戻しをすること、状況により犬にリードを付けて安全を確保することが飼い主には必要だ。
・ディスクやボールで犬と遊んでいると、他の犬も遊びに加わる場合もある。一つのボールを取り合い争うことも予想されるので、状況に応じて中断することも必要だろう。
・ボールやディスク遊び中に犬が足を痛めることも考えられる。ボールを投げてからも犬の足の動きや行動から目を離すべきではない。万が一歩き方がおかしかったり、足を痛がった際はその場でマテの指示を出して飼い主が犬のもとに行くこと。

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▼夏の散歩
  夏の散歩は、特にやることが多い。ここメルボルンの夏は気温が45度を超える日もあるし、熱風が吹き続くこともあるので、日の出時刻、気温の変化など気象情報を把握し、私は出来るだけ早い時間に散歩を始める。気温によって太陽が昇る前の午前5時前からスタートして暑くなる6時半には散歩を終わらせる。散歩の後は新鮮な水を十分に与え、室内で犬をゆっくり休ませる。また散歩が足りない場合には、エアコンの効いた室内で新しいトリックを教えるなどをして、少しでも運動欲求を満たしてやることも飼い主には必要だ。

 ご存知のように、真夏の都市部の地面はアスファルトが溶けるほど熱くなっている。犬の足の火傷だけでなく、被毛を身につけている犬の負担はかなり大きい。だからこそ涼しい時間帯に散歩に行く必要がある。寝坊したからといって地面が焼けるほど熱いところでの犬の散歩は厳禁だ。朝早い散歩は眠いだろうが、飼い主は覚悟を決めて愛犬を守るためにも、涼しい時間の散歩を実行してほしい。

【被毛のカットについて補足】
被毛は太陽から皮膚を守り、保温、防水などの役割があるので、暑そうだからといって安易に被毛を短く刈らないほうが良いだろう。

 夜になっても暑い場合は、飼い主が犬の体調を見極めながら、涼しくなってから散歩に行くこと、状況によって早めに切り上げる必要もあるだろう。夏日の散歩は、散歩途中でクールダウン可能な水辺で休憩できる場所が好ましいが、都会ではなかなか難しい。その場合は、なるべく大きめのペットボトルに水を入れて持ち歩き、それを飲み水としてはもちろんのこと、犬がばてた時は、お腹もしくは全身にたっぷりの水を掛けてクールダウンのために使って欲しい。

 海や川で犬を遊ばせる際も、飼い主は決して犬から目を離してはいけない。浅瀬から突然深くなる箇所があること、急な水の流れがあるからだ。また、川の水の温度が低いと犬の体温が下がりすぎる場合もあるので、犬の様子を観察することも必要だ。海では犬が海水を飲みすぎると吐き、その後下痢が続くこともあるので、愛犬の体調をみながら獣医で適切な診断を受ける必要があるだろう。紫外線が日本の5倍以上と言われるここオーストラリアでは、犬用の日焼け止めなども発売している。私はビーチで遊ぶ際などに犬の鼻先に薄く塗って日焼けを防止している。

 夏休みに入れば犬と家族が一緒にドライブに行くことも多くなるだろうが、犬には数時間毎にたっぷりの休息や遊び、排泄の時間が必要なので、ドライブの計画にいれるべきだろう。サービスエリアにはドッグランが併設されている場所もあるが、ドッグランから近い場所に車を停められるとは限らない。ドッグランまでの熱いアスファルトの道、木陰のある休憩場所までの道のりを愛犬が安全に歩けるためにも靴の着用を一度考えて見てはいかがだろうか?

 また、いくら犬にクールベストや靴を着用させても、暑い日中の散歩を続けることは好ましくない。靴やベストなどを正しく使用して、愛犬との楽しい行楽を過ごしてほしい。

 以上が私と犬の朝のおおまかな散歩のメニューと、それに付随して気をつけていることである。散歩の内容は、朝と夜で似たようなメニューのときもあるし、朝の散歩とバランスを考えてディスク遊びの分量を少し減らして宝探しゲーム*をすることもある。またディスクやボール遊びなどで犬のジャンプなどは足や関節への衝撃が大きいので決められた短い時間で集中して行うことにしている。今日ディスクをして遊んだから明日は違う種類の遊びを、というように、散歩中のプランを練ることも飼い主には必要だろう。それはディスクやボールへの興味を失わせないためでもあり、毎日の生活をマンネリにしないことにもなる。

*参考記事
>>犬の用具を考える vol.1 <ボール編> 犬とのボール遊びは、飼い主の責任で成り立っている

>>次回の、飼い主に求められること vol.4は 散歩におけるルールについて書くつもりだ

◎プロフィール

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五十嵐廣幸

オーストラリア在住。元dog actuallyライター。週末は愛犬と一緒にSheep Herding(羊追い)をして過ごす。サザンオールスターズ、クレイジーケンバンド、そして動物を愛す。犬との生活で一番大切にしているのは、犬が犬として生きるためのクオリティ・オブ・ライフ。

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