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2017.06.30

正しく理解しておきたい、犬の「皮膚病」 vol.2

もしも、愛犬が皮膚病になったら......

永田雅彦 どうぶつの総合病院 副院長

犬にとって身近な病気のひとつ「皮膚病」は、環境や季節、体の調子、心の影響など、さまざまな原因によって起こります。では、愛犬が皮膚病になってしまったときに備えて、飼い主が知っておきたいこととは? 前回に引き続き、どうぶつの総合病院・副院長(日本獣医皮膚科学会・会長)の永田雅彦先生に、愛犬が皮膚病になった場合の動物病院での治療法、家庭での対応について伺いました。

写真=永田雅裕、永田雅彦先生 文=星野早百合

#健康

一般的な皮膚病の治療とは?

 かゆみや脱毛、湿疹など、愛犬の皮膚に気になる症状が現れたとき。動物病院では、どのような治療法が行われるのだろうか。

「皮膚は"体を守る"仕事をしているので、一過性のトラブルが多いことは前回お話しました。長引かない症状がほとんどですが、今ある症状を早く治し、二次的な問題が生じないよう、医療的な介入を検討します。これが、いわゆる"対症療法"です。重大な問題ではないと診断し、検査よりもスクリーニング的な治療を優先させます」と、永田雅彦先生。

 対症療法で症状が改善されない場合、明らかな病気にとどまらずその犬の特性を視野に入れた検査や治療に切り替えていく。そのひとつが、食事療法。診断と治療をかねて、食事内容を見直していく。アレルギーの評価や対応も理由のひとつだが、もっとも大事なのは生きていくうえで必要な栄養をバランスよく提供すること。食事は、体の資本。食べ物を変えることで、体の機能、構造そのものを高めていく。

 さらに、シャンプーなどで、その犬に適切なスキンケアを行う。犬種の皮膚と環境の調整を図る。例えば、乾燥した地域で暮らす犬種が多湿な日本で生活するには、定期的な洗浄により本来の環境に対応した多分な皮脂を落としてあげたほうが快適だと言えるだろう。

「ホームドクターの先生方が日常的に行う対症療法は、おもにこの3つです。一過性の症状なのか、その犬の特性なのか、詳細な診断が行われているわけではないかもしれませんが、この3つを上手に使い分けて結果を出しています。もし、この3つでも改善しないときは、いよいよ本格的な病気としての対応を考えます。やっかいな病気は決して多くはないので、私たちのような皮膚科専門医に相談してみるのもよいかもしれません」

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シャンプーは、皮膚病の治療に有効な手段のひとつ。愛犬にとって適切なスキンケア方法を獣医師と相談するといい(写真提供=永田雅彦先生)

"皮膚病は治りにくい"ってホント?

 皮膚病は、治療が長引く病気だと言われている。長い間、同じ症状に苦しめられたリ、再発を繰り返す犬も多いと聞くが、実際はどうなのだろうか。

病気ならば、本格的な医療介入なくしてよくなることはありません。もし、マイルドな対症療法やスキンケアで症状が悪化することなく、同じような症状がだらだらと続いているのであれば、その犬の"体質"や"特性"を予想します。
 体質、あるいは加齢による肌のトラブルが予想される場面で、私たち皮膚科専門医は正しい知識の提供と適切な対処法を提案します。どうすれば快適な生活を送れるのか、その犬のライフスタイル、ご家族の生活などを踏まえて、治療方針を考えます。極端なことを言えば、有効な治療があっても、ご家族が対応できなければ治療としては選択しません。犬にとっても、日々一緒に生活をするご家族にとっても、なるべく負担が少なくゴールまでたどり着けるプランを考えるのが、我々の仕事だと思っています」

 愛犬が生まれもった特性は、これからも変わらない。ならば視点を変えて、愛犬の特性を正しく理解し、上手に付き合っていく方法を探せばいい。日常的にどんなサポートをすれば皮膚が健やかになり、愛犬が快適に暮らせるのか。治療が長引く前に、考えておくといいかもしれない。

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動物病院を受診する最適なタイミング

 症状が現れたら、早めに動物病院へ行くといいというのも、皮膚病ではよく聞く話だ。"これは動物病院へ連れていくべき"と判断するポイントについて、永田先生に3つ挙げてもらった。

(1) 犬の様子が明らかにいつもと違うとき
 犬が不快感をあらわにしている、態度がいつもと違う......など、日常生活に支障をきたしている場合。
「これまで見たことのない症状が見られたら、動物病院に相談してください」

(2) 犬の様子が悪化しているとき
 不安は感じなくても、徐々に犬の様子や皮膚の症状が悪化してきた場合は、動物病院へ連れていったほうがいい。

(3) 犬のことが気になって、家族が落ち着かないとき
 犬は決して辛そうではないけれど、皮膚の状態が心配で家族の不安が大きくなっている場合は、迷わず動物病院へ連れていったほうがいい。
「家族が落ち着かなくなると、その様子を見た犬まで落ち着かなくなり、大したことのなかった皮膚病を気にして舐め始めるなど、症状が悪化することもあります。犬を含めた家族をユニットとして考えたとき、どこかに問題が発生したら、早く対応したほうがみんなにとって快適になります」

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些細な変化に気付くには、日頃から愛犬の様子をよくチェックしておくこと。スキンシップも兼ねて、愛犬とじっくり向き合う時間を作ろう

>>次回は、高温多湿なこれからの時期に気をつけたいポイントを伺います。

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