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2017.04.06

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人と犬の幸福な関係を目指して 〜こだわり人探訪 vol.3〜

「犬のいる暮らしを、もっと愉快に、もっと豊かに」/Marble & Co.代表/大瀧昭一郎

事業者であり、コミュニティーの主催者であり、一愛犬家でもある。視点の違う三方向からよりよい犬との暮らしを目指し、さまざまな仕掛けを行うのが、Marble & Co.代表・大瀧昭一郎さんだ。愛犬のQOL向上に繋がるイベントの開催、ドッグフードなどのグッズを販売するメーカーと愛犬ブロガーを繋ぐレビューサービスの運営など、大瀧さんが仕掛ける企画の裏にある思い、目指す世界観はどういうものなのか。お話を聞きました。

#Lifestyle

Author :写真=大浦真吾 文=塩見拓也(編集部)

愛犬のために、愛犬家が賢くならないといけない時代に

 近年、ペットサロンやホテルなど、犬向けの付加価値サービスが台頭、市民権を得てきている。サービスが多様になるにつれて、愛犬との生活の幅は広がっていると言えよう。同時に、自分に合ったサービスや必要な情報を取捨選択し、よりよい愛犬との暮らしへ活かしていくリテラシーが飼い主には求められるようになってきた。

 幼少期より犬がそばにいる環境で、これまで中型のMIX犬、大型犬のドーベルマンと暮らしてきた大瀧さん。現在はミニチュア・シュナウザー2頭と暮らしている。小型犬との生活を始め、一緒に町に出かけることも増えたという。

「例えば、渋谷のドッグカフェを検索するとします。もちろん、どういう店があるかはわかります。ですが、実際に犬と飼い主がどう時間を過ごし、どんな気持ちになったか、といった詳しい情報にはなかなか出会えませんでした。愛犬と一緒に外食した経験が無かったこともあり、体験した生の声がないと少し心配で......。友人に聞くと、同じような悩みを抱える人がけっこういるんですよね。そんなこともあって、自分が体験したことを発信しようと、ブログを書き始めたんです」

 その後、さまざまな場所に出かけるなかで、犬のイベントにも積極的に参加するようになった大瀧さん。なぜこれだけ多くの人が集まるのか最初は疑問であったが、何回か行くにつれ、あることに気がついたと言う。それは、イベントの場は突き詰めると友達作りのためのもの。そして友達同士の間で、犬との生活の知恵やお出かけエピソードが共有されていることだ。

「犬業界の情報はまだまだ飼い主間の口コミで回ることが多い。だから、ネット上に上質な情報が落ちていない。この飼い主の口コミで出回っている情報が、もっと多くの人に共有されれば、より多くの人の犬との暮らしが豊かになるではないか。そして、その習慣をひとりひとりがどう持つのか。次第にそんなことを考えるようになっていったのです。その中でリアルの場、ネットの場、双方で個人が持っている"役に立つ"情報をより流通させるための仕掛けを作っていくようになりました」

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『髭犬祭』は、1700人以上の愛犬家と1300頭近いミニチュア・シュナウザーが参加する国内最大級の単独犬種イベント。飽きが来ず、「一日中やることがあり、初めてこういったイベントに参加した人でも疎外感を持たず満足感が得られる」よう工夫されたコンテンツが用意されている。「イベントに参加したいと思っているリテラシーの高い人は多い。だから誰かが責任を持って旗を立てることが大事。このイベントは50人以上の愛犬家の友人たちと一緒に作り上げました」と語る大瀧さん

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インスタグラムのなかでシュナウザーの飼い主の間で流行り始めたハッシュタグ「しゅなら部」。誰が聞いてもわかりやすく、参加したくなるネーミングも大瀧さんのこだわりのひとつだ

消費者が聞きたい情報とはなにか?

「誰かに何かを伝える」ことへのこだわりは人一倍強い、と語る大瀧さん。政治家の秘書や美容品事業など、既存の事業も含めてさまざまな経験を経て現在に至る。

 

 情報の受け手である飼い主のリテラシーは、向上させる必要がある。一方で、メーカーや行政など情報の発信側の意識も変わっていく必要があるのではないか。

「あるオーナーが他のオーナーの生活のために、自分が使ったグッズや行った場所などをネット上に共有していく。一人ひとりは小さくても、集まればその力は大きなものになると思います。犬と一緒にどこかに出かけたり何かを買ったりするとき、愛犬家は愛犬家の体験談を参考にすることが多いんです。自分が体験したことをちょっとだけ共有してみる。他の人が見て意味のある情報、生活がちょっと愉快になったり、豊かになったりする情報をもっと共有する文化ができれば、"もっともっと私たち愛犬家、そして愛する家族たちにとってメリットのある適切な生活を送ることができると思うんです」

 消費者のリテラシーが上がることで、メーカーの側も変わっていかざるを得ないのではないか、と大瀧さんは言う。

「そうしてグッズやサービスの生の声が集まる場所ができると、そこを見る人が増え、飼い主のリテラシーは徐々にあがっていくはずです。すると、情報を届ける側のメーカーや行政もさまざまな趣向を凝らしたり、コミュニケーションの方法を工夫したりせざるを得なくなる。目が肥えるとそれだけ選ばれるのが難しくなりますからね。要は、飼い主側のリテラシーがあがれば、メーカー側の方針もかわり、業界全体のサービスの質がよりよくなっていく。そういう良い循環を生めたらと思っています。ブログやイベントはその一つの手段です」

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飼い主が思っているほど、犬の可能性は小さくない

 最後にさまざまな方向から企画を仕掛ける大瀧さんに、docdogのビジョンである「人と犬の幸福な関係」について聞いてみた。

「犬との暮らしをもっと愉快に、もっと豊かにしていくこと。それは言い換えれば、"人と犬の幸福な関係"を追求していくことに近いと思います。それを目指す上で私が重要だと思うのは、人側の事情で犬の可能性を閉じてしまわないことです。最近、愛犬のマーブル(ミニチュアシュナウザー 3歳 メス)とイヴ(ミニチュアシュナウザー 2歳 メス)と一緒にスノーシュートレッキングに行ったんですね。マーブルは普段はおとなしいコなのですが、あたり一面の雪原に出た瞬間、目を輝かせて全力疾走しました。走る喜びを全力で表現しているように見えました。こういう隠れた一面が、犬との暮らしの中にはもっと隠れていると思うんですよね。そのきっかけは誰かのブログを見たことかもしれないし、あるグッズに出会うことかもしれません。きっかけはなんでもいいんです。一歩踏み出して、愛犬との関係を深めて、それを誰かに伝える。一人ひとりのそういう気持ちが"人と犬の幸福な関係"を作っていくのではないでしょうか」

◎編集後記

 2頭のミニチュア・シュナウザー「マーブル」と「イヴ」には、名前の由来がある。愛犬家やメーカー、そして愛犬たちの十人十色の個性や想いを混ぜ合わせ、「マーブル」模様のような美しい色や柄を作りたい。そして、毎日が特別な日の前日...「イヴ」のような楽しい気持ちで過ごせる愛犬の世界を作っていきたい。そんな世界を実現できるよう、名前に想いを込めた。洒落た大人である大瀧さんらしいエピソードだ。

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