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2017.04.14

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いざという時のために……愛犬との避難生活を考えよう vol.3

熊本地震の経験から、犬の靴の必要性を学ぶ

「防災」をテーマとした短期集中連載の第3弾。今尚抱えている問題を踏まえ、被災飼い主の方々の実体験を通して見えてきた本当に必要なものについて、熊本県益城(ましき)町で震災を経験した9名の飼い主の方々と一緒に、考えてみたいと思います。今回は、災害時の「愛犬」と「犬の靴」についてフォーカスをしました。

#Lifestyle

Author :写真・文=docdog編集部 取材協力=HUG THE BROKENHEARTS

愛犬と共に立ち向かってきた被災生活

 災害時は、飼い主とペットが一緒に避難する「同行避難」が原則とされている。しかし実際は、人の命を守ることが最重要とされ、避難所に愛犬と一緒に入ることのできなかった飼い主家族が多い。そのため、愛犬と一緒に被災生活を送ることを決断し、車中泊で一緒に生活を送りながら犬を受け入れてくれる避難所を探して何カ所も拠点を移動した方。また、テント泊の生活で仮設住宅が出来るまでの数ヶ月を過ごされた方もいた。被災生活は、人も動物も長期間にわたり強いストレスにさらされることになる。
 思うように食事がとれず痩せてしまったり、皮膚炎の症状がひどくなってしまったり、震災後の愛犬の体調変化を心配する声が多くあった。一方で、「前はもっと吠えるコだったんです。犬は犬なりに、人に気をつかっているのでしょうね」と言う方も。話しを聞かせてくれたのは、ポメラニアンと暮らすお母さんだ。
 多くの経験を共に過ごし、困難を乗り越え続けている人と犬は、私たちが想像する以上に、お互いにお互いを想い合いながら、そのストレスを乗り越えている。

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「犬の靴、あったらよかったのに......。存在は知りませんでした」

 愛犬との避難生活、実際に何を備えればいいのか分からないことも多い。ここでは、被災飼い主の実体験を通じ、震災発生後どのような危険が潜んでいるのかを考えたい。

【怪我のリスク】
「震災が発生し、すぐに逃げようとしたのですが、玄関が塞がってしまっていて、リビングの割れた窓ガラスから逃げるしかありませんでした。地面にはガラス片が散乱していて、愛犬の足元はとても心配でしたが、その時はもう逃げるしかなかったので......。何とか、窓から外に出ると道には瓦礫が散乱し、道路に亀裂もありました。それでも、とにかく逃げるしかなかったんです」

「避難所から仮設住宅に入りましたが、住宅内外の環境には課題が多くあります。仮設住宅の地面は突貫で整地しているため、入居してすぐ床下浸水がありました。ほかにも、敷地内の地面には、釘や木片などが砂利の中に混ざっています。車や自転車がパンクしたり、犬の散歩中に肉球をケガさせてしまった飼い主さんもいました」

【化学物質などによるアレルギーの炎症】
「うちのコはもともと皮膚が弱く、アレルギーを持っているんです。震災後何に反応しているのかはわからないのですが、愛犬の皮膚がさらに弱くなりました。被災生活を送りながら、動物病院に通うのはとても大変でした」

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 これらは、被災生活の中で実際に経験されたエピソードだ。この時、災害時の備えとして有効だと言われている犬の靴・靴下を紹介したところ、一人を除き靴の存在を知らなかった。実際に手にとって靴や靴下を見た被災飼い主の方々からは、「もっと早く知りたかった」「あの時靴があれば」という声を聞くことができた。

 今回の取材に持参した靴・靴下は6種類ある。それぞれの特徴を簡単に紹介しておこう。

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【同行避難・被災後の散歩】/靴
▼丈夫なソールであり、布生地が防水
>>Snow Mushers (スノーマッシャーズ)/Muttluks
>>OUTBACK BOOTS (アウトバックブーツ)/Hurtta
▼丈夫なソール
>>Mud Monsters (マッドモンスターズ)/Muttluks
>>Grip Trex (グリップトレックス)/RUFFWEAR
>>Summit Trex (サミットトレックス)/RUFFWEAR

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【避難所生活】/靴下
▼耐久性に優れた靴下
>>SPORT PAWKS (スポーツ パウクス)/RC Pet Products
 ⇒屋内/屋外兼用での使用可

 また犬の靴・靴下は、怪我や有害物質から足を守るだけではなく、周囲への配慮としても重要である。外出時は靴を履かせ避難所では素足で過ごしたり、避難所内共同スペースでは靴下を履かせたりといった、犬を飼われていない方や苦手な方への気配りは、私たちが思っている以上に大切なポイントのようだ。

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犬の靴が「履ける」状態になっていますか?

 いざという時に犬の靴を履くためには、愛犬が靴に「慣れている」ことが前提となる。そのためには、日常生活で愛犬が喜びを感じるシーンやタイミングで靴を着用し、靴の存在を「楽しいもの」だと関連づけておくことが重要。例えば、雪遊びや山歩き、リバーウォークなど、愛犬の目つきが変わるほどハイテンションで遊び回るアウトドアアクティビティは、うってつけの機会といえよう。
 災害時の備えとして靴・靴下を考える時、"ストレスなく"靴を履けるようにしておくことも、忘れてはならない準備だ。慣れるために楽しい体験を繰り返すことで、愛犬にとって靴=自分にとって良いものだと認識するようになる。そうすることによって、犬の靴・靴下は単にケガや炎症を防ぐアイテムとしての役割だけでなく、被災生活を送る上でのストレス軽減につながる可能性も持っているのだ。
 被災生活は、ただでさえ人も犬も多くのストレスがかかる。それまでの生活、暮らしが突然失われた中で、愛犬にとって「うれしい」「楽しい」と思えることをいくつ用意できるか。もしもの時......に備えて、愛犬と一緒に一つでも多くの「うれしい」「楽しい」に、靴を関連付けしてみてもらいたい。

◎取材協力

HUG THE BROKENHEARTS
略称HUG。熊本県を拠点とし、動物愛護に関する情報発信、問題解決の為の具体案の提示、啓発活動を行っている団体です。

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