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2017.04.30

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編集長 前島の「ハッピー・ドッグライフ!」 vol.5

犬の靴・靴下を「履けるようになっておく」価値とは

震災から1年を迎えた、被災地熊本。愛犬との被災地生活や同行避難の実情を聞くため、先月取材へ行ってきました。取材記事(前編後編)は、すでに公開しているので合わせてお読みください。ここでは、仮設住宅で暮らす飼い主の方々とのお話しを通して、改めて考えさせられた「犬の靴・靴下」について私なりの考えをまとめておこうと思います。

#Activity / #Lifestyle

Author :写真=大浦真吾 文=前島大介(編集部)

【おさらい】
犬の靴・靴下の機能は大きく3つ

 docdog(ドックドッグ)では、パンフレットやこのwebサイト上で、「犬の靴をすすめる5つの理由」として、機能的な役割をベースとした推奨理由を記載している。大きく分けると、ポイントは3つある。

①肉球保護:尖った岩やガラス片、災害時の瓦礫、夏のアスファルトなどから肉球を守る
②舐め防止:指間炎、傷ついた肉球の舐めを防ぐ
③滑り防止:踏ん張りがきかなくなった老犬のサポート。フローリングなどでの滑り防止

 靴・靴下を履くことで、山や川での不要な怪我を防ぐことができるし、夏場の旅行時など休憩で立ち寄ったサービスエリアでも、肉球の火傷を気にせずクルマから下ろしてやることができる。また、特に老犬になって後足の踏ん張りがきかなくなってきたコの、滑り防止、足元サポートのために愛用されている方も多い。

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靴・靴下を履かせずに、人間が環境を変えればいい!?

「ケガをするような場所には連れて行かなければいいし、滑りやすいフローリングも滑らないような工夫をすれば済むこと。本来、ケガのリスクや負担がかかる状況は、飼い主として環境を変えることの方が優先されるべきだ」
というようなご意見をいただくことが多い。確かにその通りだと思うところもある。特に居住スペースでの問題(滑りやすいフローリングや階段など)については、まず犬も素足で快適に過ごせる環境を整えることは大切だろう。

 しかし、それはあくまでも「靴・靴下」を使う目的が、上記推奨理由の①~③といった機能的役割のみにフォーカスされてしまっているからではないだろうか。

犬の靴・靴下は、肉球保護だけが目的じゃない!?

 これまで屋内・屋外ともに素足での生活が基本だった犬にとって、初めて靴や靴下を履かされる時、違和感が強いことは確かだ。ケガや火傷を防ぐという機能を理解できるわけではないし、履いたことで焼けたアスファルトの上を歩けたとしても、それが靴のおかげだという認識も残念ながら犬にはない。そのため、目的である機能的役割を果たすためには、ストレスを減らし犬にとって"靴・靴下=楽しいこと、うれしいもの"という関連付けを行う努力が大切だと言ってきた。
 しかし、仮設住宅で暮らす被災飼い主の方々とお話し、またその生活を拝見させていただいたことで、靴・靴下には機能的役割だけじゃない価値があるのではないかと思うようになった。

 "靴・靴下=楽しいこと、うれしいもの"という関連付けをしていくことによって養われる愛犬に対する観察眼と、愛犬と一緒に課題へ取り組むことで"絆"が生まれることも大きなメリットだと思う。ただし、この過程はとても丁寧に行っていく必要がある。嫌がるポイントはどこなのか、何に違和感を強く感じているのかを見極めること。また、その違和感やストレスを上回るだけの楽しみ、うれしいことは、愛犬にとってなんなのか。それを見つけ、実践していく。結果、履かせたい時にストレスなく履かせることができるわけだ。そして、どんな状況になるか予測のつかない災害時の同行避難、またその後の避難生活において、靴や靴下を"履かせたい時にストレスなく履かせることができる"安心感も、メリットの一つといえるだろう。

 熊本の記事でも紹介した通り、あったら良かったと思えるシチュエーションはさまざまある。日常生活であれば環境を変えることもできるかもしれないが、避難生活、被災生活ではそうもいかない。与えられた環境下で、いかにストレスなく生活を送ることができるかが、もっとも大切なポイントになる。
 地震大国日本で暮らす私たち飼い主にとって、"心の備え"を無視してしまうと相当なストレスにさらされることになるだろう。

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 犬の靴・靴下を履かせることは、レトリーブやアジリティなど取り組みそのものが楽しいものではないので、とても難しい課題であるのは確か。しかし、そんな難題に、愛犬と飼い主が同じ目線で一緒にチャレンジする価値は十分ある。今必要に迫られていない多くの飼い主の方にも、上手に歩けるようになっていく過程を存分に楽しんでもらいたい。
 それによって得られる価値は、肉球保護だけではないはずだ。

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